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テイマー姉妹のもふもふ配信 ~もふもふをもふもふする最愛の妹がとってもかわいいので配信で自慢してみます~  作者: 龍翠


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配信二十二回目:もふもふこいぬ

 わあ。すごいコメントが流れていく。さすがに追い切れない。まあ、これだけ喜んでくれると私としても嬉しいし、れんちゃんもたくさん自慢できて……。

 あ、いや、れんちゃんすごくわくわくして待ってる。すごく待ってる。さっさと説明を終わらせよう!


「というわけで、運営には先払いで報酬をもらうことになっててね。これからそれが来るよ」


『なるほど。れんちゃんが楽しみにしてるのはそれか』

『つまり、新たなもふもふを運営が用意したってことか』

『もうえこひいきを隠さなくなったなw』

『でも許せる。むしろもっと甘やかすべき』


 優しい視聴者さんたちで私はとても嬉しいです。

 山下さんに合図代わりのメールを送ると、お家の前の景色が歪んだ。そして次の瞬間にできあがったのは、背の低い柵だ。丸い円形の柵で、広さはれんちゃんが走り回って遊べることができるぐらい。一般家庭の一部屋分ぐらいかな? 小さい出入り口が一つだけある。

 そしてさらに、その柵の中に黒い穴みたいなのがうにょんと出てきた。


『うお、なんか黒いのが……』

『効果音がwww』

『うにょんってw』


 その穴から、小さなもふもふがとことこ歩いて出てくる。ふっわふわでもっふもふの子犬たち。ラッキーの色違いで、黒い子犬と茶色の子犬が三匹ずつ。


「わあ……」


『見た目で分かるもふもふっぷり!』

『やばい! すっごくかわいい!』

『いい仕事するなあ運営!』


 うん、これは本当に、なんだろう。すごいもふもふ。

 子犬たちは全部出てくると、思い思いに動き始める。何匹かは遊び始めて、お互いの体を上ろうとしてころんと転げたりしてる。かわいい。


 れんちゃんは早速柵の中に入ると、その子犬の集まりに近づいて行った。

 子犬たちがれんちゃんを見る。でも、どの子も逃げようとしない。興味深そうにれんちゃんを見ている。

 れんちゃんが一匹の黒犬に手を差し出すと、ぺろ、とその子犬がなめていた。


「はわあ……」


 そっと黒犬を抱き上げるれんちゃん。黒犬はふんふんとれんちゃんの匂いを嗅いでいたみたいだけど、なんだか安心したようにその身を委ねた。

 これは、いい。すごくいい。かわいいが過ぎる……!


『あかん、萌え死ぬ』

『しっかりしろ! 傷は深いぞ!』

『いいなあいいなあ……。もふりたいなあ……』


 ふむ。これは誘惑が強すぎたかな? ……いやその前に、私も入っていいかな。抱いてもいいかな。でもれんちゃんの邪魔をするのは不本意だし……。

 と、そんなことを考えていたら、れんちゃんが黒犬を抱いたまま戻ってきた。すごく優しく抱いているのが見ているだけで分かる。

 れんちゃんはそのまるっこい毛玉を、私に差し出してきた。


「はい、おねえちゃん。すっごくふわふわ!」


 これはあれだよね、れんちゃん公認ってことだよね! それじゃあ、遠慮無く……。


「うわあ……。なにこれすごい……。ええ、なにこれ……」


『語彙力が圧倒的に足りてないw』

『いやでも、実際抱いてみたらこうなるんじゃね?』

『いいなあ、羨ましい……』


 れんちゃんに視線を戻すと、いつの間にかれんちゃんは柵の中に戻って他の子犬と戯れていた。れんちゃんの体に他の子犬たちがよじ登ろうとしてる。

 なんだか、見ているだけで和むねこれは……。


「私もうここから動きたくない。ここでずっとれんちゃんともふもふを眺める……」


『ええで』

『配信切らなければそれでよし』

『かわええのう……』


「うん。じゃあ、このまったりもふもふ空間から、追加のお知らせ一つ」


 私がそう言うと、なんだなんだとコメントが流れてくる。まあ、何人かは察してるみたいだけどね。


「どうして報酬が前払いか、という話ですよ」


『え? どういうこと?』

『ああ、つまりやっぱり、そういうことね』

『おいおい、分かるように言えよ』


「うん。まあ単純な話、触れ合い広場にはあの子たちも行くことになるからね。あのふわふわもふもふな子犬たち」


 おお!? コメントがすごい流れ始めた。みんな大興奮みたいだ。まあ少し狙って言ったから、成功して私としても嬉しい。


「というわけで、触れ合い広場には期待してね!」


『おk』

『超期待して楽しみにしとく』

『れんちゃんに会うのももふもふと触れ合うのも楽しみだ!』


 よし。まあこの程度でいいかな。れんちゃんも、せっかく自慢できるって張り切ってるのに、誰も来なかったら寂しいだろうからね。これでみんな来てくれるはずだ。

 そんなれんちゃんは、いつの間にか寝転がっていて。もふもふにまとわりつかれていた。


「何あれ楽しそう」


『あれはまさか!』

『知っているのかコメント!』

『いや知らんけど』

『知らんのかいw』

『草』


 まあ知ってる方がおかしいけどね。

 うん、それにしても気持ち良さそうだ。見ていて、本当に私も和む。


「それじゃあ、そろそろ終わるよ。みんな今日もありがとー」


『いかないで』

『勝手に終わるな』

『もうちょっと! ちょっとだけでいいから!』


 切ろうとしたらそんなことを言われてしまった。まあ、うん。映すだけでいいなら、いいけども。

 その後はれんちゃんが落ちる時間になるまで、視聴者さんたちと一緒にれんちゃんともふもふを見守ることになった。私は私で抱いたままの黒犬をもふもふ……。ああ、幸せ……。



「ところで、私もみんなも子犬子犬言ってるあの子たちだけどさ」


『ん?』

『なんだ?』

『あー……』


「あの子たち、ラッキーと同じ種族だからね。つまりは立派な狼だ」


『なん、だと……?』

『あんなかわいらしい狼がいてたまるか!』

『どこからどう見ても子犬な件について』


 それについての文句は運営様にお願いします、てね。


壁|w・)生まれてちょっとのあのちっちゃいもふもふな子犬をイメージしてください。

そんな子犬がなついてくるのです。まとわりついてくるのです。

天国かな?

次回は配信九回目の時の掲示板回です。



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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり私はこういう超平和な作品を求めてたんだなって... あまり物騒な事にならないからを理由にVR系しか見てないんだしそれはそうか
[一言] (返事が無い。唯の萌え死体のようだ) まだだ、まだ終わらんよ(池田ボイス) れんちゃんがモフモフする限り、我は何度でも蘇る!! ガフッ… しかし、今回はやばかった…致死量を軽く超えて…
[良い点] 天国がそこに [気になる点] メインイベントの過疎化❓
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