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テイマー姉妹のもふもふ配信 ~もふもふをもふもふする最愛の妹がとってもかわいいので配信で自慢してみます~  作者: 龍翠


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配信二十二回目:山下さんとのお話

 レジェとの出会い、そして懐柔……違う、友情イベントを終えた、翌日。私はれんちゃんと会う前にゲームマスターの山下さんと会っていた。忙しいとは思うけど、ちょっと会えないかなって

相談したのだ。

 山下さんに呼ばれた場所は、山下さんのホームだった。


「始祖龍オリジンのことでしょうか」


 開口一番、山下さんにそう聞かれた。まあ、予想がつくよね。誰だって分かるか。


「そうです。あれって大丈夫なんですか?」


 私としては、だめだと思う。確かにれんちゃんは戦闘そのもの、ダンジョン攻略とかにも興味がない子だけど、バトルジャンキーたちがそれで納得してくれるとはどうしても思えない。

 あいつら、比較的常識人な人もいるにはいるけど、色々とおかしいからね……。


「結論を言えば、問題ありませんよ」

「そうなんですか?」

「ええ、まあ……。実を言いますと、始祖龍オリジンはテイムを想定していなかったモンスターではあります」

「え」


 いや、それはおかしい。間違い無くれんちゃんはテイムしていたし、れんちゃんのホームにいることも確認したのに。


「条件がとても厳しいんです。ここだけの話ですが、テイムの条件は、敵意がなく、そして最終ダンジョンでジェガ以外のモンスターをテイムしていることになります」


 あ、なるほど。それは確かに無理だ。まず最初の条件の敵意がないがほとんどのプレイヤーで引っかかるし、他の四体もまともにプレイして全てテイムできると思えない。


「それに、始祖龍は通常召喚できない、ホーム専用のテイムモンスターです。厳しい条件ですが、かといってもし他の人がテイムして召喚してしまうと、バランス崩壊どころじゃないですから」


 それは確かにそうだ。まず不可能だとは思うけど、この先れんちゃんみたいに、モンスターとただただ友達になりたいって人が出てこないとは限らないわけで。そんな人がテイムしちゃうと、間違い無く問題になる。誰も勝てなくなる。

 まあ苦労した結果召喚できないっていうのは、ちょっとどうかと思うけど……。でもあれはホームにいるだけで満足感があるのは間違い無いと思う。いやあ、あのもふもふはね……。私も触らせてもらったけど、他のモンスターとは一線を画すからね……。すごいよあれは……。


「ですが、れんちゃんだけ特別に、例外を設けました」

「え。なんか、聞くのが怖いんですけど……」

「大丈夫です。悪いことにはなりませんから」


 山下さんはそう言って、にっこり笑って、


「れんちゃんが恐怖を感じた時、もしくはシステム的に危険な状態と判断された時、始祖龍が自動的に召喚されてれんちゃんを守ります」

「うわあ……」


 そもそもとしてシステムでPKから守られてたれんちゃんだけど、これで本当に盤石になってしまったような気がする。

 でも、それぐらいならいい、かな? れんちゃんは普段はダンジョンに潜らないし、レジェが呼び出される時はよっぽどということになる。たまに私がいなくてもログインするし、あの子の守り手としてはいいかもしれない。


「いかがでしょう?」

「いいと思います!」


 うん。いい。すごく、いい。私もとても安心できるからね。


「では、ミレイ様。ここから先は別件なのですが」

「え、あ、はい」


 なに? なんか、ちょっと真剣な顔になってるんだけど……。何か、やっちゃったっけ……?


「ミレイ様とれんちゃんに、依頼したいことがあります」

「はい?」




「なにやら騒ぎになってるね……」


 十八時になる前に、つまりれんちゃんが来る前にログインしての雑談配信です。れんちゃんのホームにお邪魔して、配信を始めての私の第一声だ。


『ほんとにな』

『廃人どもが最終ダンジョンに挑戦する人に同行してるな』

『始祖龍テイムしようとして、しゅんころされてるの草』


「ああ、あの後配信で挑戦した人がいたみたいだね。当事者の私はちょっと笑えなかったよ……。申し訳なさすぎてさ……」


 その人は、やっぱりだめでしたねと笑ってたんだけど、視聴者があいつはチートだったんだ不正だとすごく騒いでたらしいんだよね。その視聴者を配信者が諫めてたのは本当に申し訳ないのと有り難いのと、複雑な気持ちになったよ。

 その時の配信者さんはれんちゃんがアクティブモンスターのことを言ってた時に見てくれてたみたいで、わざわざ説明してくれて。本当に、ありがとうございます、だ。


『ところでさ』

『いるの? いるのかそこに?』

『始祖龍いるの?』


「んー? ああ、なんか今日はやたらと視聴数多いなと思ったら、それが目的?」


『むしろそれ以外に何があると?』

『ばっかお前、ミレイという美人を見て……いや何でも無い」


「おい今なんで言うのやめたんだこら。怒らないから正直に言いなさい。怒るから」


『ヒエッ』

『どっちなんだよwww』


 まったく……。

 光球をくるりと回して、れんちゃんのお家の向こう側を映す。


『うわ』

『まじかよほんとにいる……』

『改めて見るとでけえ……!』


 ほんとにね。れんちゃんのお家がすごく小さく見えるよ。

 私がそのドラゴン、レジェに手を振ると、レジェはのっそりと起きて、こちらに顔を近づけてきた。レジェの鼻を撫でてあげると、気持ち良さそうに目を細める。うん。意外とかわいいかもしれない。


『ラスボスとは思えないな……』

『意外と愛嬌がある……?』

『ただし戯れ一撃でプレイヤーは死にます』


「よく考えなくてもぶっ壊れだよねこの子」


 戦闘では呼び出せないからいいんだけど、本当にぶっ飛んだステータスだと思う。

 ちなみに山下さんとお話しした後、運営から正式な告知があって、始祖龍はテイムしたとしても戦闘には呼び出せず、ホームに居座るだけとお知らせをしてくれた。それでもテイムしたいって人が後を絶たないみたいだけどね。気持ちは分かるとても分かる。


壁|w・)まっしろでもふもふなかわいいどらごん はホーム専用です。

もしもれんちゃんがPKに襲われたりしたら助けにくるよ、程度です。

つまりはコレクターアイテムである。


次回は運営さんからの依頼の内容をちらっと。


少しだけ、貪欲に行こうかな、と思いまして……。

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ではでは!

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― 新着の感想 ―
[一言] 最高レアのホームオブジェクト扱いですね、それでも欲しくなっちゃう...巨大なもふもふと聞いたら余計に欲しくなっちゃう...!
[一言] 始祖龍召喚されし時、(いろんな意味で)相手は死ぬ
[良い点] てえt…えええ!? [一言] >「始祖龍が自動的に召喚されてれんちゃんを守ります」 始祖龍Lv1000「我が主れんちゃんに手を出したら…判ってるね?ニッコリ」 こうですかわかりませんwww…
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