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テイマー姉妹のもふもふ配信 ~もふもふをもふもふする最愛の妹がとってもかわいいので配信で自慢してみます~  作者: 龍翠


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配信七回目:そして最後に白虎さん

 ライオンにまたがって、たてがみをもふもふしながら移動開始です。ライオンがのっしのっしと歩いて行きます。それに追随する雌ライオンとトラたち。なんだかちょっぴり楽しくなります。


『鼻歌歌うれんちゃんがかわいい』

『歌上手いな。お歌配信してくれないかな?』

『ミレイに言ってみ。多分通るぞ』


 途中何度もライオンたちがいる小部屋に入りましたが、ライオンたちはれんを一瞥するだけでした。みんな思い思いに過ごしています。毛繕いしたり、二匹で遊んでいたり、見ていてちょっと面白いかも。


『いや本当に、どうなってんのこれ』

『こいつらアクティブだよな?』

『なんで襲われないの?』


「んっとね。アクティブモンスターって、敵意があるかどうかで判定してるんだって。それがなかったら襲われないらしいよ」


『え、なにそれ』

『初めて聞いた』

『誰から聞いたんだそれ』


「げーむますたーの山下さん」


 運営の情報かよ、とコメントさんたちはまた大騒ぎです。これって言ったらまずかったのかな? 少しだけ思いましたが、まあいいかと流します。きっと大丈夫。


『街の移動でアクティブモンスターに襲われないのはそれが理由か』

『確かに移動に敵意も何もないな』

『いや、でもそれでもれんちゃんはおかしくないか? テイムしたいは敵意だろ』

『多分、最初は敵意判定で警戒されたんだろ。それなのに実際にライオンを見たれんちゃんの反応がかっこいいかわいいだぞ? モンスも困惑するわ』

『長文乙。なんとなく納得した』


「だってかっこいいもんねー。もふもふもかわいいよね!」


 たてがみをもふもふしつつぎゅっと抱きしめます。がう、と返事がありました。なんてかわいいのでしょう。もっともふもふしちゃいます。もふもふもふもふ。


『主目的が忘れられてる気がするのは俺だけか』

『奇遇だな、俺もだ』

『でも! それがいい!』


 のんびりライオンの背中に揺られること、十分ほど。なんだか大きな部屋にたどり着きました。その部屋の中央に、とっても大きな白いトラがいます。白いトラ、白虎はれんを見つめて小さく首を傾げていました。


『ついに来たぞ』

『いつ見てもでけえ』

『さあ、れんちゃんの反応は……』


 白虎の大きさはディアぐらいでしょうか。つまり今更この程度の大きさで特に驚くこともなく、つまり残るのは白くてかっこいいトラさんという要素。


「かっこいい!」


 つまりもふる対象なのだ!

 ぴょん、とライオンから飛び降りて、白虎の方へと走りました。


『行ったー!』

『一切の躊躇なし! ぶれねえな!』

『さすがやでれんちゃん!』


 白虎に近づきます。白虎は困惑しているようでしたが、れんが触るのを嫌がりませんでした。そっと、その大きな足に触ってみます。


「さらさらしてる」


『へえ』


 白虎が顔を近づけてきました。とっても大きなお顔です。鼻を撫でてあげると、気持ち良さそうに目を細めました。かわいい。


「わあ! かわいい!」


『おまかわ』

『大きすぎてちびりそうになるけど、こうして見るとかわいいかも』

『ウルフのボスと並び立つ初心者キラーなのに、こうして見ると本当にかわええ』


 鼻の頭をかりかり、喉あたりもかりかり。とても気持ち良さそうにしてくれているのが分かって、れんも楽しくなってきます。ずっとこうしていたいです。


『れんちゃん、エサもあげなよ。食べてくれるよ』


「あ、そうだね!」


 れんにとってはとても不味いエサですが、この子たちにとっては美味しいらしいです。手にとって差し出してみると、ぺろっと食べてしまいました。うん。美味しそう。


「もっと食べる?」


 エサを取り出してみると、またぱくりと食べました。もぐもぐと、味わっているみたいです。

 ライオンたちにも渡すと、こちらもまた食べました。


「よく食べる子はよく育つんだって。たくさん食べてね」


『いやれんちゃん、その子らは所詮データだから……』

『やめろよ。楽しそうなんだから、野暮なこと言うなよ』

『そうだよ。空気読んで』

『あ、はい。すみませんでした』


 喧嘩はよくないと思います。

 白虎たちにエサをあげていたら、れんもお腹が空いてきました。そこで取り出したのは、お弁当箱です。なんとこちら、お姉ちゃんにもらったものなのです。


『なにそれ』


「お弁当! 昨日、おねえちゃんが作ってくれたの」


 昨日、明日のためにとゲーム内で食べられるお弁当を作ってくれていました。綺麗なお花畑がある場所も教えてもらっています。安全な場所なのでピクニックにでも行っておいで、ということだったのでしょう。


「だから今日のこれはピクニックなの」


『ピクニック(ダンジョン)』

『ピクニック(ウィズ肉食獣)』


「おこるよ?」


『ごめんなさい』

『許して』


「仕方ないなあ」


 にこにこお話ししながら、お弁当の蓋を開けます。中は塩味をしっかり効かせたおにぎりと、唐揚げやサンドイッチなど。れんの大好物です。


『おいしそう』

『ミレイのスキル構成が謎すぎる。料理までできるのかよ……』


 ぱくりとおにぎりを食べます。美味しい、幸せなお味。


『なんだこのかわいい生き物』

『ふにゃふにゃれんちゃん』

『いい。すごくいい』


 もぐもぐ食べていると、白虎がれんのお弁当を見つめていました。食べたいのでしょうか。

 一応、トラは肉食らしいです。なので唐揚げを差し出してあげると、ぺろんと食べてしまいました。ちょっと残念と思わなくもありませんが、美味しそうに食べてくれたので良しとしましょう。


『お友達になりました』


「あ」


『ん? どした?』


「おともだちになったよ」


『草』

『はやすぎぃ!』

『仮にもボスなのにwww』


 理由は分かりません。少し不思議です。けれど、友達になれた事実は変わりないので、れんとしては満足です。このまま一緒に連れて帰っちゃいましょう。


「一緒に来てもらえる?」


 れんが聞くと、白虎は頷いてくれたのでした。


   ・・・・・


壁|w・)初ダンジョン終了です。

もふもふはダンジョンも制覇する……!


誤字脱字の報告、感想などいただければ嬉しいです。

ではでは。

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― 新着の感想 ―
[一言] 少しでもそういう欲があると敵意認定されるから普通の人には無理だろうねぇ...外を何も知らない上に戦いたくない子だからこそ出来る芸当 それにしてもテイム専用の餌以外でも出来るのですね、むしろ美…
[良い点] 最近の日々の癒しです [一言] これはミレイの手料理になつき度アップのバフ効果がありそうな予感
[良い点] いやぁ白虎は強敵でしたね(もふもふ) 勝ち確なのに、流石にライオンだのは読んでてコメントさんたちの不安に同意せざるをえないw そしてばらされる設定情報(活用出来るとはいっていない) メタ…
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