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『世界の覇者』になれと、神に呪われた僕らはーーって、タンマ!異世界征服してるだけなのに仲間がクセTUEEEEすぎて世界の方がギブアップしてるんですケド!?JK作者の戯言欄(あとがき)  作者: ルアン
ここから、あとがき欄作成以降のあとがき!より濃く!より真剣に!より楽しく!たまぁに真面目?に語っていきますぞよ
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第四十五話 レシャミリア、回廊の鈴雫をなぞる ー前編ー ボツ案 4500文字くんVER

読んでくださり、ご覧いただきありがとうございます♪

どーもん、ルアンですっ!!!

こちらは45話前半のボツ案となっておりまする!

45話の本編と比べてこれから下に続くボツ案は4500文字という、本編と割と近目な構成&文体で、

同じ場面を表したけど、ボツにしたものだわよん♪

ちなみに、このボツ案、4500文字くんの冒頭は、わりかし良さげだったから、本編にそのまま採用したんだよねっ!!

それゆえ、冒頭は、ボツ案と本編に投稿したもの同じだけど、びっくりせずに、そのまま読んじゃってくださいなദ്ദി ˉ͈̀꒳ˉ͈́ ) NICE!

まぁ、途中で途切れてるし構成も少しだけ、本編と違うし下書きも多いと思うけどそれはそれで45話の解釈の役立ててもらうための味として残しておりますわよ(๑•̀ω•́ฅ)☆((うまいこと言うなwww

えびりばでーにはなぜゆえこれをボツ案にしたか考えながら、読んでもらえると幸いだぞおん!!

というわけで、いってらーせーい((ヾ(⁎•ᴗ‹。)フリフリ♪

第四十五話

SIDE レシャミリア


――シャラリ、シャラリ。


玉座から降りる足が、逸るたびに。

悠長な鈴が、鼓膜を逆撫でてくる。

振り子が躍るような無機質さをぶら下げながら、燦燦と。


音の波が、金箔の壁をよじ登る。

弾けた欠片が、空間に裂かれて。

……反響さえも、潰えた。


鼓膜の振動が、止む。


沈んでいく静寂が、徐々に、進む先を腐食へと呑み込むようで。

息を吸うたびに、黄金の気配が、肺に張り付く。

腹の奥の皹が、幽かに震える。


澱みの余韻が掠める先は――黄金の回廊。

一片の隙間もなく張り合っていた金箔が、差し込む景色さえも追いやっていた。


その感覚が、雪国で積もった色とりどりの花弁のように、残酷なのに。

……凍った硬さの奥に、小さな綻びが灯っている気がして。

視界に潜る色を、絢爛へと仄らせていく。


「眩しすぎて眼が潰れる、とはこのことか。」


――まだ、俺様の眩しさには遠く、及ばないけどな。


瞬きを、渇いた鼻息で薄めると。

仄った黄金に、斜陽が舞い上がったような期待が射して。

ほんの少しだけ、足先が緩む。


けれど。

口元が驕りきる前に。

ふわり、と足元に滑り込む感覚。


向けた眼を、塗りつぶすは。

毛羽立った――赫絨毯。




敷かれた純金さえも、跪くように。

真っ直ぐと佇んでいるそれは――


躊躇いもなく、奥へと道を指し示していく。

這った腐食を結い上げる金泥のような、愚直さを醸し出して。


……息が、どこかで途切れる。


足を縛られたまま――

ひと()、鈴が唸る。


鈴声が、壁を撫でる前に。

絡み付いた足元をなぞって。


……一片、影を落とす。


その明瞭さが、遠のくほどに。

幾重にも輪郭を嗅ぐわせた蔭りは。


灯篭を雨粒で透かすような、軋轢を滲ませながら。

肺の表層を、幽かに、縮ませる。


けれども。

もう、瞳は深赫(しんく)へと誘われなかった。


ただ。


――シャラン、ラァン、ラァン……。


奥へ、奥へと。

反響が、鼓膜を哂う。


呼吸が、薄くなる。

前を、眺める。


絨毯がうねり、黄金が影へと変幻した先には。

寡黙の在り難さを感じろと、射貫くような、

……形のない、圧。


触れることも、視ることもできない。

ただ、歩けと、足首を掴みあげてくるような感覚に。


燻んだ足が、引き摺られる。


ギトリ、ギトリと。

確かに、歩を進めているはずなのに。


影が、解けて、重なって、延びる。

呼吸が、逸って、霞んで、途切れる。


音が伸びるたびに、距離が延びていって。

――音だけが、廊下を歩む。


圧の濁りを凝らした廊下は。

距離を吐くたびに、時を喰らう。


それでも。

足首は、掴まれたままだった。


進むたびに、覗く壁の模様は、金箔に刳り貫かれていて。

ただ、同じ瞬間を、幾重にも被らせる。


まるで、包み込む足跡を餌に、果てを延命しているように。

覆い被さっている金さえも。

仄りがかった光だけを、縫い止める。


もう、どれほど経ったかも、わからなかった。


……遠い。


時間が溶けて。

音の余韻が、呼吸の間に詰められた。


息が、籠る。


重くなる足取りに、溢れた吐息が、雪崩れ込んで。

渇いた廊下が――胃を満たし創める。


踏み出した足が、赫絨毯へと呑み込まれる。

鼓膜を嬲っていた鈴の波が、舐め取られる。

視界を宥めていた黄金が、歪み熔かされる。


華やかさを嵩張らせていたはずの景色が……

視界ごしに、崩れていく。


音が遅れて、鼓膜を掠る。

足跡が引き摺られるたびに。

鈴の残響が、貪る廊下を際立てた。


自分の存在を確かめるように。

深く、息を吸う。


けれど。

縋っていた絢爛が、砂埃へと化すあっけなさを滲ませて。

吸い込んだ空気が、宙を掠る。


刹那。

境界の膜が、轢かれた。


回廊の舌が、俺様へと視線を上げて。

存在を、忘れさせていく。


踏み込んでいたはずの足が――解ける。

空回りしていた肺が、残響を喚く。

腹の奥が、無機質さを貼り付けた。


脈拍が穿つたびに、鈴音が壁をなぞって。

歩に靡いた壁ごしに、肌が呼気を帯びる。


もう、残響は唸るために、鼓膜をかえさない。

もう、なぞり掻いていた絨毯に、足跡は刻まれない。


残響も、感触も、影も、距離でさえも。

――すべてが、俺様という存在へと流れ込む。


呼吸を刻むたびに、廊下が延びて。

鈴声さえも、徐々に足跡へと変化していく。


絢爛へと慢心していた瞳が。

徐々に、廊下へと、喰われる。


……眼はとうに潰されていた、と。


自分が、どこにいるかも、わからない。

けれども、不思議と、怖くなくて。


肺の皹は、深く重く、刻まれ続けているのに。

均されていく輪郭が、あまりにも心地よくて。


灯篭へと光を籠らせるような淑やかさを泡立てながら。

呟きが――萎れる。


このまま、蔓延る圧の尾へ沈んだ方がいいと。

干上がった赫絨毯が、強張る肩を撫でた。


引き摺られていた足も。

規則的な音を嵌めて、跳ね進む。


そのたびに。

俺様と廊下の狭間が、ふやけて。

森閑に、思考が絡め取られていく。


おだてあう壁の光粒が、

拍動に呼応して、煌めきを増す。


旋律を唱えた鰓のような、ぎこちなさを孕んで。

腹の奥から、穏やかさが湧き立つ。


そして。

僅かに逸らしていた確信を、晒し上げるみたいに。


――リリン、リン、リン。


回廊が、舌鼓を打って。

名前を呼ぶように、空間が揺れた。


風に蹴られた、光の粒が輝いて。

……影を、くすませる。


その光景に。

息を整えることが、できなかった。

それでも、仄めいた光は、まだ名を呼んでいて。


灰髪が靡くより先に。

風が引き立てるは、鈴音。


鈴音が魅せるは、赫絨毯。

赫絨毯が導くは、黄金の錆。


風音が、壁に礼拝するごとに。

赫絨毯が、俺様の名を解きほぐす様に波打つ。


……この場を支配しているのは、俺様だと思っていた。

  けど。


蹴鞠が地に鈍くなるような、震えを帯びて。

ほうと、息をつく。


だが。

凝らした息は、影を募らずに。

光へと曇り散って、言葉を急かしてくる。


奏でた風も、金箔も、赫絨毯も。

――俺様を、見ていなかった。


回廊の視線は、どこにも寄り添わない。


ただ、秩序という事実を侍らせて。

尊大に、何もかもを、吞み込んでいく。


誇りを飾っていたはずの曇った鎧が。

喉まで込み上げた実感に、情けを施して。

孤高さを、存分に知らしめてきた。


喉まで迫り上がってきた気づきを捺すように。

赫の疼きが、肩に沈殿する。


尾鰭の如く、鈍く透き通った瞳で。

絨毯の果てを、射貫いても。


ただ、距離が延びるだけだから。

ようやっと、視界に――鈴が、納まる。


……まるで、俺様こそが、

この回廊に歩かされていたようじゃないか。


嘲りのような抵抗が。

ゆるやかに、鈴の音へと書き換えられていく。


そして――。


気付けば。

揺れ光る弧の余韻を、瞳が追い求めていて。

肺の脈に紛れた、酩酊が深まる。


鈍った鎧に還るような、諦観を浸したまま。

唇の渇きが、輪郭を鋭く突いた。


「でも。

 それくらいが、ちょうどいいのかも、しれないな。」


瞼を、微かに逸らして。

深紅へと下げていったのに。


息が、戻る。

鼓膜が、ざわめきに揺れる。


静かに、瞳が拓いた。


俯きを掠めた鈴の囁き以上に、

熱の滾った鼓動が、全身を巡って――

融け崩れた輪郭を、取り戻していく。


……ああ、まだ。


肺の裂け目に、灯が宿って。

ひりついた痛みが、肌を突き刺してくる。


沈黙の中で、身体中を包み込んでくれる風音が。

ただ、名前以上に、俺様を示しているようで。


静けさが溢れて、胸を彩る。


回廊に、華を蒔いていたはずの。

音も、光も、俺様でさえも。


――まだ、呑み込まれてない。


軋轢を喚きながらも。

確かに、世界が、息を吹き返す。


その事実に、思わず、頬が緩む。

足が弾んで、歩みが止まる。


鈴声よりも、確かに。

……ふ、と鼻息が、穿つ。


瞳の先。


――ひと滴。

拳が、握られていた。


産声をあげるように。

握った拳が、震えていて。

張り詰めた手首に、赤みが差し込む。


振動が、身体へ伝うごとに。

体心の唸りが、静寂を、僅かに軋ませる。


焦点が、戻った。


睫毛に、光の粒が、絡まって。

拉げた世界に、鮮やかな鼓動を、一閃、齎す。


すると。

銅鈴ごしに、赫と黄金の境界で――

世界の窓枠が、ひと筋、煌びやかに反射する。


陽の光が滲んだ、肖像画ような初々しさを顰めて。

その縁が、俺様の瞳を手招いた。


世界が、俺様を視ているようで。

金膜が揺れて、硝子のように透き通った光を散らす。


――耳朶が、掠れて。


鈴に、明るさを灯す。


光が、音と戯れる。


触れそうになった手が、宙を仰いで……燦めく。

その霞んだ隔たりが、自然と、心地よさを心に編み込んで。


にやけた心音が、わずかに燥ぐ。


搾った影が、輪郭をなぞって、滲む。

風が、呼吸を紡いで、髪先が波打つ。


見開いた視界が、自然と。

銅鈴の反響へと、導かれる。


そこに。

赫絨毯の端が――在った。


途切れた淵が、嘆息を零すほどに滑らかで。

交じり合うようで、弾き合った色の嵩張りが、外気へと手を差し伸べる。


境界線。

触れれば、崩れそうなくせに。

触れる前に、遠くへ飛び立ってしまうような

――確かな、『外』の気配。


あまりにも、愚かで、傲慢な子供じみた幻夢なのに。

不思議と、胸の奥が緩んでいく自分がいて。


……あいつらのバカが、移ってきてるじゃねぇか。


思わず、心の襞に、呆れを装ってしまう。


それでも。

くしゃり、と。

触れた灰髪は、端から目を見据えたまま――

僅かな期待を、足先に膨らませていく。


奥に延びる気配は止まない。

まだ、鼓膜の奥で、寡黙が嗤い続ける。


でも、あと一歩、踏み出せば。

――きっと、俺様は。


真髄を手向けた足に、熱が潤む。


息を、研ぎ澄ませて。

肺に触れた空気が、未だ、冷たい。


分け目の滑らかさに、魅入るほどに。

拳の震えが、鼓膜に伝う。


それでも。

一歩、窓枠を跨げる様に。

自分で、前を進めるようにと、芽吹いた祈りを込めて。


震えを抱きしめたまま。

絨毯に、足蹴を落とした、瞬間。


――鈴声が、回廊を穿たなかった。


ただ。

鼓膜の奥に、焼けついた焦げだけが、深くこびり付いて――


「……なに、扉に体当たりしようとしているんですか。」


声が、残響を貫いた。

世界に、音が填められる。


熾りかけた火花が。

心の中で、擦れた痛みを、刻み付けてきて。

反射的に、荒ぶった傷が、肺の底をきつく、締めつける。


けれど。

その激情以上に。


……扉?


放たれた言葉が。

渇ききらない翅に、果汁を授けるように、淡々と――

上がり切っていた脈を、凍らせる。


力なく、拳が緩んで。

沈黙さが、耳をひっ吊り上げた。


ゆらり、と。

虚ろな目を、前へ刳りだす。


空気が、歪んだ。

世界の奥行きが、音もなく剥がれていく。


廊下も、圧も、深淵も――

全てが、一枚の絵画のように、平坦で。


……ただ、眩暈のような反響だけが、耳を泥酔に堕としてゆく。


この眼が、透かしているのか。

それとも、映されているのか。


……もう、わからなかった。


足跡を糧に延びていたはずの回廊が、

手で掬おうとするたびに、奥行きを手放していく。


肩に触れた光が、赫端を、指さしてきて。

醒めていく脈に、光束を、囀る。


……まだ、一歩進めば、届く気がした。


けれど。

前へと探った手は、

熱を咲かせることもなく、宙を彷徨って――。


ピタリ、と。

世界に、触れた。


光が虚ろな影へと裏返り、空気が凍る。




手のひらに、氷湖のように薄く透き通った傷みが。


見ると、そこには透明な――。


硝子、扉……?



視線を掴んできたのは、

……氷湖のように薄く透き通ったガラス扉、だった。


その事実から、目を逸らすみたいに、←比喩で

ノエルへ視線をむける。

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