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転生少女は悪魔と共に ~異世界は神より悪魔頼み!?~  作者: 黒猫ている
4章:波瀾万丈学園生活の幕開けです

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幕間:親友の独白

私キャロル・デイヴィスには、唯一無二の親友が居る。

彼女の名前は、ルシール・ティアニー。

親しい者達は、彼女のことをルーシーと呼ぶ。

王都のお茶会で皆から馬鹿にされていた私を助けてくれたヒーローであり、大切なお友達だ。


彼女には、不思議な力がある。

どうやら本人は隠しているつもりらしいけれど、普通の子供は友達の領地を訪ねてくるのに軍を引き連れてきたり、やってきた途端に領が抱えていた問題を即時解決したりはしないのよ。

まぁ、有難かったけど。

凄く凄く有難かったけど。あのクラーケン退治。


隣国が攻めてきたと聞いて、護衛騎士だけを連れて戦地に赴いた時は、ついにこの子隠す気が無くなったのかと思ったわ。

そこで瀕死の従兄を目覚めさせたとも言うじゃない。

それでいて本人はいまだ自分の特異性が周囲に知られていないと思っているようだから、まったく質が悪いわ。


こんなに頼もしいのに、あまりに頼りない、放っておけない、私の親友。

こんなの、目が離せないに決まっているじゃない。




幸いにして、私達はアカデミーで同じクラスになった。

なんて、私がルーシーと同じSクラスになれるように、頑張って勉強したんだけどね。


同じ学年には王太子殿下が居て、しかも今年は迷い子が居ると噂される年。

どんなトラブルが待ち受けているか、分かったものじゃない。

私がルーシーを守らないと。

強いように見えて、彼女は隙が多いのだから。


案の定、王太子殿下狙いの女生徒達からは細々とした嫌がらせが発生している。

当人はきっと、その全てを華麗に解決しているつもりなのだろう。


でもね。ルーシー。

普通、ペットの黒猫は「ノートを探してきて」なんて指示されて、言われるままにノートを咥えて持ってきたりはしないのよ。

動物の範疇を超えているわ。

まぁ、ただのペットじゃなくて召喚陣から現れた猫なんだから、当然かもしれないけど……。


ルーシーをよく知る人物にとっては、見慣れた姿なのよね、この黒猫。

ティアニー家のペットのバールじゃない。

ペットが召喚陣から現れるってこと自体、相当おかしいと思うのだけど……ルーシーがペットの黒猫という体で誤魔化すのなら、それ以上は何も言わないわ。


ルーシーに嫌がらせをしようとする生徒達も、いい加減気付けば良いのに。

彼女には、手出ししてはいけないって。


ある時、中庭を歩くルーシーの頭上で、動く影があった。

見上げたその時、三階の窓から一人の女生徒が花瓶を持ち上げる姿が見えた。


咄嗟にルーシーを庇おうとして、でも足が竦んでしまって動けなかった。

私の意気地なし。

ルーシーは恩人であり、親友なのに。


でも私が庇うより先に、女生徒は花瓶を持ち上げることも出来ずに、その場から逃げ出した。

遠目でよく見えなかったけど、花瓶から手を離して、バタバタとさせていた。


まるで纏わり付く虫か何かを振り払うかのように。




ルーシーに手を出そうなんて、本当に馬鹿な人達。

ましてやこのアカデミーには、ルーシーの最も過激な保護者であるジェロームさんが居るというのに。


ジェロームさんことジェローム・ティアニー先生は、ルーシーの三つ年上のお兄さんだ。

一言で言えば親馬鹿ならぬ兄馬鹿なんだけど、その度合いは常軌を逸している。


私はルーシーの親友として認められているから、危険を感じることは無い。

しかしルーシーに妙なちょっかいを出そうものなら、絶対にジェロームさんが黙ってはいない。


本人は気付いていないようだけど、ルーシーはモテる。

かなりモテる。

長い清楚な黒髪と、華奢な身体、整った顔立ち。

それでいて公爵家の令嬢という身分まであるのだから、当然だろう。


本人曰く「誰からも相手にされない」とのことだが、それ違うんだよね。

声を掛けようとする男、全員水面下でジェロームさんに撃退されているだけだから。

ルーシーを妙な目で見ようものならジェロームさんに凄い目で睨まれるの、気付いていないのはきっとルーシーだけだよ。


そもそもジェロームさんがアカデミーの教員になったのだって、ルーシーの為だと思うし。

彼の研究分野である魔力解析だって、きっとルーシーの為に始めたことなんだろうなって、内容を聞かずとも分かるもの。


ルーシーと同様に、公爵家の嫡男であるジェロームさんも、かなりモテる。

貴族令嬢の中では、王太子殿下と人気を二分すると言っても過言では無い。

どこか軽い印象を受ける王太子殿下より、ファンが多いくらいだ。


社交界でのジェロームさんのあだ名を初めて聞いた時は、笑ってしまった。

“氷の御曹子”ですって。

女性に興味が無く、どれだけ誘われても冷たくあしらわれることから、こんなあだ名が付いたらしい。


何が氷よ。

ルーシーと一緒の時は、いつも沸騰しているわ。


私がジェロームさんと会う時は、常にルーシーが一緒に居る。

その時のデロ甘な表情を見ても、まだ氷の御曹子とか言えるのかしらね。


彼の視線は常にルーシーを追っているし、ルーシーを見守る彼の目は、常に()んでいる。

それがルーシーが視界から消えた途端に、表情を無くすの。

あの切り替わりようは、何度見ても面白い。

どんな二面性よ。


幸いにして今はまだ兄妹しての一線は越えていないようだけれど、誰がどう見ても、あれは妹を見る目では無い。

ま、ジェロームさんに何か言う気も無いけどね。

何か言ったところで、止められるような人でも無い。


でも万が一、ルーシーに悲しい想いをさせたなら……

その時はたとえジェロームさんだろうが、誰だろうが、容赦はしないんだから。


まぁ、ジェロームさんならルーシーを悲しませるようなことも無いと思うんだけどね。

なんだかんだ言って、私以外に一番ルーシーを大事にしているのは、あの人な気がする。




ねぇ、ルーシー。

貴女がどんな力を持っていようが、どんな秘密を抱えていようが、別に構わないの。


ルーシーが好きだから、一緒に居る。ただそれだけ。

何があっても、ここに絶対的な味方が居るということは、覚えておいてね。



貴女は私の、私は貴女の、唯一無二の親友なのだから。

やばい。キャロル視点書いてて楽しい。

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