生徒会のお仕事
話し合いの結果、生徒会は独立二家の二人にそれぞれ次のような対応をすることに決定しました。
まず、今年入学してきた巧闇くんは先天的に魔力保有量が多いらしく、溜め込んでしまうと暴走してしまうようなので、定期的に大規模な魔法の撃ち合いを生徒会のメンバーを相手として行うことになりました。
まあ、解除だけなら左程難しくもないので撃たせるだけなら別に気負うこともないのですが。打消し呪文はさすがに難しいですけどね。
だって、光属性とかすごくイメージしづらいじゃないですか…。
私が大規模魔法で使っているような「詳細の事情を呪文に織り込むことで具体性を補う」という手法は対人戦での応酬となると中々使えないんですよね。詠唱にかかる時間が長くなりすぎて、防御に間に合わなくなってしまいますし。だから私、基本的に炎や水と言ったイメージしやすいもの以外の属性に関しては詠唱破棄とか打消し呪文使ったりとかは無理なんですよ。
解除はあれです。寄り集まって形を成している力をぶちぶちぶちっと千切るイメージを想定すると割とイケます。発動前なら集まりつつある力が蹴散らされるイメージですかね。
―と、まあ巧闇くんの場合こんな感じです。
そうやって魔力を限界までぶちかましまくった後にへろへろになってにゃんこになったところを捕獲して、生徒会室に拉致って撫で繰り回すのが日常になっています。
巧闇、―というか独立二家は色々と特殊で、下手に無防備な姿で出歩かれても危ないそうなので。
そうはいっても、私がなでなでしなくても逃亡する力なんてそもそも残っていないように思えましたけどね。
ねー、と首を傾げながらうりうりと顎下をくすぐってやると、巧闇くんは喋る元気もないのか「にぃ…」とだけ鳴いて膝でぐったりしていましたが。
光井くんのほうは猫状態での生徒会室滞在を許可、ということで落ち着きました。
光井くんはどうやら全属性の古代魔法取得というとんでもない目標の元、一族の狂信者に人体実験されまくった影響で、人の姿でいると疲れる、獣化後人の言葉を話せなくなる、などの副作用があるらしくなるべく猫のままでいたいらしいのです。
そんなわけで、今年度の生徒会の御仕事は巧闇くんの実地訓練の付き添いと、にゃんこ姿の独立二家の保護となりました。
あ、そうそう。顧問も港先生から東雷先生に変わったんですよ。なんでも、私とスムーズに研究の打ち合わせをするためだとか。港先生はこれを機により魔法訓練の指導に力を入れるそうです。きらきらとしたとても綺麗な笑顔を浮かべていらっしゃいました。
郡を始めとした特選コースのみなさん、…ファイトです。
そして、現在。
生徒会室は相談室と化していました。
……あれ?
ストックがなくなったのでしばらく更新停滞します。
応援していただいている皆様には大変申し訳ありませんが、これからは毎日更新どころか更新自体超低速になりそうです。急ではありますが、ここに宣言させていただきたいと思います。




