1年飛んで『春』 1 歴史の転換期
春になり、チヤは6歳の誕生日を迎えた。
「チヤちゃん、お誕生日おめでとう。チヤちゃんが購入したケーキだけど、一緒に食べましょう?」
この1年を振り返ろうか?
チヤが大泣きした後に、服の予約を開始すると強盗犯が家に深夜やって来た。
なぜ、チヤが気がついたって?
家の扉を外された音で目が覚めて、強盗対策と何度も何度もシミュレーションした結果、道具箱を強盗が開けて注意が疎かになっていた時に、アイテムボックスから金槌を取り出して、犯人に向かって思い切り振り抜いた!
幼女で背が低いので、ゴルフクラブのように振り抜いた金槌が犯人の踵を粉砕して、痛みでのたうちまわっている犯人をそのままに、お母さんを起こして衛兵を呼んでもらい、犯人はお縄についた。
この世界で犯罪を犯した者は殺されても文句を言えない。
死んだ犯人の犯罪を立証出来れば殺した人間は無罪になるのだ。
ここで、異世界あるある!
発言の虚偽が分かる魔道具がダンジョンの宝箱から出てくるので、とても高価な品だが、必要な時は衛兵の判断で使用出来る。
これを知って、チヤはちょっとだけ興奮した。
そして貧民街なのに『虚偽の魔道具』を使用してくれて、チヤの金槌フルスイングは妥当な判断だと認められて、犯人は犯罪奴隷落ちになったが、風の噂で治療費と奴隷売買の値段が釣り合い、国は儲からなかったようだ。
説明しよう!
犯罪を犯したら刑期が決められて、奴隷落ちになる。
奴隷は『犯罪奴隷』しかいなくて、『違法奴隷』は関わった組織など全て犯罪者になる。
そして、奴隷商に売ったお金は国の収入になるのだ!
てな訳で、近辺が「平和になったな〜」とか思っていたら、孤児院学校が閉鎖されて、国が戦争状態に入り「物価が上がる!」と危機意識か?商機か?と様子を見ていても、学校が無い以外には日常に変化なし。
いや、ちょっと、かなり、石鹸の売り上げが出た。
私、ウハウハだ!
何か、輸入品に影響が出て、国産石鹸の売り上げが伸びたそうだ。(クルガー商会長談)
で、なんやかんや戦争が終わったと布告があったら「教会の治療費の値段が下がったよ!貧民街の人もおいでよ!」とお知らせがあったので、身体欠損者や病気の者達が健康になり、貧民街が活気付いた!
服需要の高まりに、私とお母さんが大忙し!
ウハウハに儲かって、貧民街の住民の服が綺麗になって体臭が少しマシになった。
古着に染みついた臭いって臭かったんだね。
そうして、古い服がおおかた処分されて(まだ着ている人もいる)、次は貧民街の子供も「教会学校に通いなさい」と通達された。(衛兵さんから)
そして、もろ手を振って『教会学校』に貧民の子供達が通いだしたら、平民の子供達にハブられたり、陰口を叩かれたので、貧民街の子供達で固まっていたら、実力行使(暴力)をする子供や虐めをする平民が多発して、学校は大混乱!
なぜって?貧民街の子供達がやられたら泣き寝入りするとでも?
そう!大乱闘が起きた!!平民VS貧民で良い勝負になって、怪我人多数!!
そして、休校になって数日経つと『孤児院学校』が復活した!
『貧民街の子供は孤児院学校に通ってね!』というわけで、平和な日常が戻って来て「良かったねー?」と楽しく過ごしていると、貧民街全体が震えて凍える冬が来た!
私の家は『貧民街服屋』として認識されているから、「寒さに強い服を売って!」と貧民街全体から悲鳴が届いたので、安い『ダウンジャケット』の登場だ!
【250ルビから300ルビで販売!】
としたところ、なんと!初めての平民のお客様が登場!
「何で貧民街でしか販売していないの!?」という苦情とも言える魂の叫びにお応えして、新品の服を卸している『ロビーの古着屋』にダウンジャケットを卸したが、平民街価格なので「貧民街価格で買う」平民が続出して、お母さんがパニックになり、貧民街を平気で平民が歩く姿が見られるようになった。
貧民街に来たくない人は『ロビーの古着屋』でお高いダウンジャケットを買い(ダウンジャケットの種類や厚みが違う)、貧民街に来れる人は『貧民街服屋』でダウンジャケットを購入する。
そうなると黙っていられない人がいる。
そう!『インベルト商会』の商会長のあの人だ!
「何でウチにダウンジャケットを卸さないんだ!」
と苦情が来た。
何でバレたかって?
私が当たり前のように着て、インベルト商会に入店したからだ。
そして、「バレたら、仕方がねぇ!超!超!高級品なダウンジャケットがあるよ!」とお披露目したところ、温かく、スタイリッシュなダウンジャケットが貴族の公爵様のお気に召したらしく、貴族の間で大流行が起きた!!
これは事件だ!私の身バレが危ない!
と、最近では『教会前』まで『インベルト商会の馬車』がお迎えに来てくれる。
ありがたやー。
そして、私の懐(アイテムボックス中)があったかくて!あったかくて!仕方が無い!屋敷が立つぜ!引越ししようぜ!
と、お母さんを説得しているのだが、色良い返事が貰えないまま、春って訳だ。
寒い冬をボロ屋で越したよ。(超あったかい、ふわふわの布団を買った。アイダーダウンって言うんだよ。夢みたいな寝心地だった)
あっと、言い忘れていたが、お母さんの靴は暖かくて履き心地の良いのを買いました。
へっへっへっ。
今は懐が暖かいからね。
そして、お母さんの体も綺麗に、何度も何度も何度も何度も、何度も!!洗って、大層綺麗になり、慎ましやかなお胸に肉が付き、栄養の蓄えられた身体になり、見事に髪の毛がフッサフッサに生えた!やったぜー!!
ちなみに私の髪の毛もフッサフッサになった。
やったね!
そして、気は満ちたーー。




