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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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商談しましょう 1

 1番前の列に来てわかったのだが、受付は複数あった。

 列の1番前の人が次の空いたカウンターに案内されるようだ。


 そして、私は今、少し浮かれている。


 商業ギルドを通さない取り引きはリスキーでは有るが、中抜きされないという点ではありがたい。

 あとは、長年人を観察してきた私の目が曇ってなければいいのだが。


「次の方、3番へどうぞ」


「行きますよ」


 若い男性がエスコートしてくれた。


 受付の男性が笑顔で挨拶する。


「いらっしゃいませ。ご用件をお伺いします」


「インベルト商会の者だ。商談室を1時間借りたい」


「空室を確認します。しばらくお待ちください」


 商業ギルド員の青年が受付を離れると、若い男性が私に話しかけてきた。


「もしかして、商業ギルドは初めてか?」


「そうですけど?」


 何が引っかかったのだろう。

 私が不思議そうな顔をしていると、若い男性が言った。


「いや、目がキラキラしているからな」


 私の目が好奇心で輝いていたらしい。


 いや、ねぇ?好奇心のあるものはしっかりと目に焼き付けておきたい。

 それに、私が子供だから推測しやすかったのだろう。


 受付男性が戻ってきた。


「お待たせ致しました。35番の商談室をお使いください。使用料金は500ルビです」


 若い男性がお金を払ってくれるので、お金の無い私は甘える。

 てか、お金が無いから何も言わないのが吉だ。

 500ルビって、5000円だもんね。

 部屋を1室貸し切る時間が1時間で、安いのか、高いのか、判断できないな。


「はい。ちょうどいただきました。時間を過ぎますとギルド職員が入室して、延長する場合は延長料金をいただきます。すぐにお帰りなる場合は料金をいただきませんので、ご了承ください。

 それでは、行ってらっしゃいませ」


 この時から1時間のようだ。


 って言うか、1時間で通じるんかい!それは60分ですか?


「さあ、行こうか。案内するよ」


 若い男性がエスコートしてくれる。

 身長が違いすぎるのに、ありがとうねぇ。(おばあちゃん気分)


 階段を上り始めた。

 子供の足には辛いが、私、負けない!

 靴はスリッポンだもんねー。

 靴下を履いておけばよかった!

 多分2時間くらい歩いて足が靴擦れしている気がする。


 そして、2階に着いてから3通りある通路の左側を行く。

 扉を数えて5つ目で止まり、扉を開いてくれた。


「どうぞ、お入りください。お嬢様?」


 若い男性は冗談も言えるようだ。


 私はこの世界のマナーを知らないから、日本での下座に座る。


 すると、部屋に入って来た男性は壁側にある机の方に向かい、何か作業し始めた。


「何をしているんですか?」


「ああ、初めてだったね。ここでは飲み物は自分で入れるんだ。お嬢様もどうだい?飲むかい?」


 使用方法を覚える為に男性の隣に行く。


「この魔道具からお湯が出てくるから、その前にポットに茶葉を入れてから、お湯を入れて蒸らすんだ。

 紅茶は飲んだことある?」


「香りの豊かなお茶ですか?」


「そう。砂糖は無いけどね。子供は砂糖を入れるだろう?無くても飲めるかい?」


「ストレートで飲めます」


「ふふ、おませだね」


 というか今世で砂糖を見た事がないんだが。

 いや、お菓子は食べているけども。


「じゃあ、ポットは僕が持つから、コップを持って来てくれる?」


「はい」


 食器置き場にある白い陶器のカップを2つ待ちソファに行く。


「ポットは大きいから、時間が経てば冷めてしまうけど、おかわりがあるからね。好きに飲んで」


 カップ2つに注いでくれたので、1つ持ってソファに座る。

 若い男性も座り、カップを持って一口紅茶を飲む。

 飲める熱さなのか!と思いつつ、私も一口飲む。

 んー、可もなく不可もなく……。


「普通の味なのですね」


 男性が笑い出した。


「普段どんなお茶を飲んでいるんだい?最高級とはさすがに言えないが、商業ギルドにある紅茶だよ?悪い物の訳が無い。

 それを『普通』とは!くっくっくっ」


 私は素早く前世で愛飲していた銘柄の紅茶を通販で探し、購入する。


 いきなり机の上に出て来た紙袋に男性が笑うのをやめて釘付けになる。


「アイテムボックス持ちか。どおりで荷物が無い訳だ」


「こちらをお持ち帰りくださいな。私のおすすめの紅茶ですから」


「いいのかい?」


「欲しければ、また、仕入れますので」


「それじゃあ、遠慮なくいただくよ。妻が紅茶が好きでね。ありがとう」


「あ、分量は、え〜と、3シア(グラム)です」


「そうか。普通分量なら覚えやすい」


 若い男性は鞄の中に大事そうにしまった。


「それでは、時間も無いし、商談といこうか。まずは自己紹介だ。私はインベルト・クルガー。一代貴族だ。インベルト商会長をしている。君の名前は?」


「ご丁寧にありがとうございます。クルガー商会長。私の家名はありませんのでチヤと呼び捨ててくださいませ」


「ん?お母上が貴族令嬢なのだろう?」


「元、で、ございます。私の名前は父の名から貰っておりますので」


「はは〜、訳ありか。じゃなきゃ、幼い君が商業ギルドには来ないだろうね」


「理解していただきありがとうございます」


「それじゃあ、売り込みたいのは『貴族向けの固形石鹸』でいいのかな?」


「固形石鹸にも種類がございまして、大勢の方向け、万人向け、香り付き石鹸、デリケートゾーン向け石鹸、オリーブオイルなどが入っている体に良い石鹸。肌トラブルのある方向け。もっと、特別な方に送る石鹸などがございます。どれになさいますか?」


「ちょーっと!待ってくれ!商談に慣れている僕でも、そんなに石鹸の種類があるとは思っていなかったーー。

 君のお父上は貿易商か何かかい?」


「秘密。と、だけ、申します」


 だって、お父さんはいないからね。



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