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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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スイード伯爵家領地に帰還中 5

 暗くなる前に部屋の外から声をかけられて、夕食だとわかり部屋を出ると、どこか年季の入った建物で、ここが宿屋だと知った。

 この宿はスイード伯爵家で貸し切っているらしい。


 (金持ちは普通とは違うな)


 と、考えながら、宿の1階にあるという食堂ヘ向かうが、この宿は3階建のようで無理矢理腹下しの薬を飲んだチヤの体力では1階に降りるまで少し疲れた。

 便を無理矢理出すのは体力がいるのだよ。


 へろへろになったチヤがセーラに誘導されて向かった先には、おじいちゃんとおばあちゃんとお姉様と伯父さんとお母さんが待っていてくれた。

 それと警備の騎士様。


 おじいちゃんがチヤに気がついて、立ち上がって近くまで来てくれる。


「おお、チヤちゃん、体調は大丈夫かね? 今日は肉料理を出してくれるそうだが、食べられるかい?」


 チヤのお腹は元気で、昼食を全部出してしまったのでお腹が空っぽだ。

 もちろん肉でも食べられる。


「はい!お肉、楽しみですね!」


 チヤが元気よく言うと、おじいちゃんは安心してくれたのか、自分の席の隣に座らせてくれた。

 かなり過保護だな、と思いつつも甘やかされるのは嫌いじゃない。

 むしろ好きだ。


 おじいちゃんとお母さんが積極的にチヤに話しかけてくれるので、今日の夕食の肉が絞められたばかりの魔獣肉だとわかった。


 ここで1つ豆知識。

 魔物は外壁にいる魔石を持つ全ての生き物をさす言葉で有り、魔獣は獣型の魔物の事を言う。

 とりあえず、魔獣なのかわからない時は魔物と言っておけばOKなので、大体の人は魔物と言う。


 そして、絞められたばかりの魔獣肉は、この街で飼育しており、比較的安価で肉を食べられるそうだ。


 「魔獣は凶暴じゃないの?」と言うチヤの言葉にもおじいちゃんは優しく教えてくれて「ディアという魔物は温厚な性格で、死にそうになると凄く暴れるが飼育自体はたやすい」との事だ。


 要は、ディアとは草食で温厚だが、魔物としてのサガも持っているので、死の気配を感じると凶暴だという事だ。


 難しいだろう魔物の飼育をしている時点でこの街が凄いことがわかる。


 だが、1つ疑問がある。

 魔物肉は熟成させるのか?だ。


 今のやり取りだと、絞めてすぐの魔物肉を提供してくれるようだが、死後硬直とかで硬くないのか?と。


 それをおじいちゃんに聞くと「死後硬直ってなんだい?」と逆に聞き返されてしまった。

 (この世界には死後硬直が無い?)


 体の仕組みは前世と同じだと思っていたけど、違う部分もあるのかもしれない。


 (木族は死んだら『魂木』に帰るらしいしね)


 確か、死体も残らないらしい。

 自然に溶けるのだとか。


 じゃあ、お父さんは魔物に食べられてから自然に溶けたのかな?

 お父さんを食べた魔物もびっくりだね。


 そう『エルフ』は死んだら自然に溶ける。

 だから長寿を得ようとする権力者は『エルフ』を死なないように管理して食べたらしい。

 オババ様の話だと、エルフを食べて寿命が伸びるのは『嘘』の情報らしいけどね。


 あ、オババ様?

 バナナにハマって、たまにバナナを私に貰いにくる時に世間話をする仲になってるよ。

 意外と気さくなおばあちゃんです。


 なんだかね、『オババ様』って約100年くらいで交代する総称らしく、今のオババ様は「あと50年くらいでおっ死ぬかねぇ」と言っていた。

 寿命が残り少ない木族が『オババ様』を名乗るらしい。


 なんかね、寿命で亡くなる100年くらい前から老化が始まるから死期がわかるらしいよ。


 最長で「1400年生きた」木族がいたとか。


 私は寿命が500年くらいと言われているので、そんなに寿命は長くないみたいだ。

 いや、人の生だと十分に長いが。


 お、香ばしい肉の焼けた匂いが漂ってきた。


 宿の従業員らしき人達が急ぎ足で料理を持ってきてくれて、瞬く間に机の上が料理だらけになった。


「皆!今日は疲れただろうから、明日に備えてゆっくり休むように!宿の方の気遣いで新鮮な肉が食べれることに感謝を!それでは、いただこうではないか」


 おじいちゃんの挨拶と食前のお祈りをして、ジュワジュワと音を立てている肉を切り分けて齧り付く。

 (ふわー!パリッと焼けてるけど、肉は柔らかくて美味しい!)


 庶民の料理のはずなのに、貴族の料理人に劣らない腕をお待ちの宿のようだ。

 と、言うか、貴族をもてなすのに慣れている?


 おじいちゃんは良い宿を貸切にしてくれたようだ。


 お子様サイズの私の料理を食べながら「空腹は最高のスパイスだ」と誰かが言った言葉が思い出された。


 チヤは普通に食べているつもりでも、小さなな手で大人と一緒のカトラリーを使っているので少し不器用で、口は小さいし、咀嚼回数は多いしで、大人と同じくらいの速度での夕食となる。


「チヤちゃん、美味しいかい?お腹はびっくりしていないかな?」


 おじいちゃんが心配症でチヤが普通に食べていても気にかけてくれる。


「お腹は大丈夫だよ!このお肉、美味しいねぇ?」


 チヤが蕩けるような顔でおじいちゃんを見ると、孫馬鹿のおじいちゃんの胸にきゅんと何かがささったようで、食事中にも関わらずに抱きしめられていた。


 うお!ナイフとフォークが危ない!


「こら!あなた!食事中ですよ!危ない」


 おばあちゃんがおじいちゃんを注意してくれて、おじいちゃんはしゅんとしてチヤから離れた。


 チヤはおばあちゃんに感謝しながら食事を続けた。

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