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通販スキルと時間停止アイテムボックスで生活改善!  作者: 春爛漫


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スイード伯爵家領地に帰還中 3

 祖父の侍従が持って来てくれたバスケットの中身はーー?


 チヤのワクワクした心とは裏腹に、おばあちゃんが出してくれたのはーー。


 サンドイッチだった。


 「ですよねー」と思ったチヤだった。

 朝、屋敷で作ってもらったよね。


 貴族の屋敷で約2月(ふたつき)程を過ごしたチヤだったが、長年の粗食に胃が小さくなっており、同じ歳の子供と同じ量の食事を食べられない。

 貧民街の子供と比べれば一年程前から食事改善が出来たので食べられる方だが、今は少しずつ身体を慣らしている途中だ。


 木族は成長が本来は遅いらしく、5歳になった時に生活が改善されたので、木族としての成長速度になったらしく、チヤは4歳児くらいの体の成長から凄くゆっくりめに大きくなっているらしかった。


 チヤとしては1年前のスリッポンが履けるので、成長していると実感出来ていないのだが。


 昼食を食べ終えて、騎士達が布を張って作ってくれた簡易トイレで用を済ませた頃に、魔物と戦っていた騎士達が帰って来たが、祖父に報告しに来た騎士の声が聞こえてしまった。


「軽い傷での負傷者は多数おりますが、ヴェーズの腕が運悪くウルフに食いちぎられて出血多量で、街まで待つか怪しいです」


 それが聞こえたチヤの血の気が下がった。

 王都の外がそんなに危険だとは実感出来ていなかったのだ。


 ウェンズが騎士に問いかける。


「ポーションは使ったのか?」


「はい、使用しましたので、傷口は塞がったのですが、ウルフの数が多くてかなり連携をとって襲ってきていたので、ヴェーズに対する処置が遅れてしまいました。今できる最善は尽くしました」


「腕がないのなら馬には乗れんだろう。私達の馬車が1番乗り心地が良いから、こちらに来させなさい」


「はい。そうさせていただきます」


 今から出血多量で命が危ない騎士さんが来るようだ。

 私にできる事はーー薬剤調合だ!


 急いで薬を作ろうとするが、手が止まった。

 私、造血剤を作れないや……。


 いや!今から血が足りない騎士さんが来るから鑑定してから作ればいい!


 おばあちゃんが馬車の中を片付けて、負傷した騎士様の為に進行方向とは逆の座席に座って、その隣におじいちゃんに抱っこされた私も座った。


 おばあちゃんが騎士に言いつけて簡易布団を持って来させて、騎士様が座る予定の座席に広げたところで、負傷した騎士様が同僚に担がれるように馬車に入って来て、おばあちゃんが広げた座席に座ることが出来ずに横になった。


 負傷した騎士様は意識が朦朧としているらしく、おじいちゃんに呂律が回らない声で何か言うと静かに目を閉じてしまった。


 おじいちゃんの貴族の馬車は広いけど、体格の良い騎士様が上半身を横にさせると窮屈に見えてしまい、着替えて来たのだろうが片腕の無い姿が痛々しい。

 キッチリとは服を着ておらずに、服を肩からかけて前でボタンを止めているようだ。


 私が負傷した騎士様を凝視していると、おじいちゃんが話しかけてきた。


「この騎士はな、私達の為に戦ってくれたんだ。感謝するんだよ」


 私が衝撃を受けたと思ったおじいちゃんが私の体を撫でてくれた。


 それに、ハッとした私は負傷した騎士様を鑑定する。


状態異常 出血性ショック


 『出血性ショック』と出たが、もっと詳しく鑑定する。


 ●出血性ショック

 多量の出血により血液が体に足りなく、蒼白、冷や汗、脈が弱い、脱力の症状が有り、素早い輸血や造血が必要である。


 出血性ショックの対処法を鑑定!


 ●出血性ショック(対処法)

 最高級再生ポーションを飲むか、造血魔法薬が必要である。


 『造血魔法薬』の素材を鑑定!


 なんだか、鑑定結果を鑑定しているせいか、チヤの体に震えがきた。

 チヤは無理な鑑定を行っている自覚なく、上級鑑定を無意識に行っていた。

 まだ、チヤの経験値が足りない為に、チヤの魔力を使って上級鑑定を行っていた。


 ●造血魔法薬

 ガルガーの肝、吸血スライムの核、聖水(最上級)、再生多頭竜の肝、赤血草を魔法調合した物。


 チヤは忘れないように、アイテムボックスから紙と鉛筆を出して震える体でメモを取ってから鑑定を切ると、耳におじいちゃんとおばあちゃんの焦った声が聞こえてきた。


「チヤ!?チヤ!?どうした?寒いのか?いや、汗が出ているから暑いのか?どっちだ!?」


 おじいちゃんの声が聞こえる。

 あれ?私の視線が斜めだ。


「チヤちゃん!ジューレン!薄めの布団を持って来て!それと、ソフィアを呼んで!」


 おばあちゃんの声も聞こえる。

 あ、手からメモと鉛筆が落ちた。

 大切な物なのに。


 あれ?お母さんの焦った声が聞こえてきた。


「チヤ!?どうしたの!?どこか痛い?お母さんに教えて?」


「お、かあ、さん。かみと、えんぴつが、おちた」


 あれ?普通に話せない。


 お母さんが足元に屈んで、チヤが書いたメモと鉛筆を取ってくれた。


「ソフィア!チヤちゃんが今までこうなった事は!?」


「初めてよ!貧民街でもお腹が痛くなったり、熱が出るだけだったわ!」


「お腹の調子が悪いのか? そういえば昼食を食べたばかりだったな。ソフィア、腹下しの薬を侍従からもらって来てくれ」


「わかったわ!」


 私、お腹、痛く無いんだけどなぁ。


 と、上手く動かない身体で思った。

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