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日常のち冒険~俺は世界を超えて幼馴染を救う~  作者: ヌマサン
第3章 聖美救出編
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第37.5話 ラウラとミロシュ

どうも、ヌマサンです!

皆様、一週間お疲れさまでした。

今日の話は短いので、気軽に見て頂ければなと思います。

この話は前半はミロシュ視点、後半はラウラ視点で進んでいきます。

それでは第37.5話「ラウラとミロシュ」の方をお楽しみくださいませ。

「姉さん、危ない!」


 気づけば僕の体は勝手に動いていた。


 そう、大事な家族である姉の元へと。


 僕は迫りくる死の刃から姉を守ろうとした。


 別に守ろうと思って守ったのではない。ホントに無意識のうちに体が動いていた。


 僕の魔法は風属性の魔法。空気を固めて足場にすることが出来る。


 これのおかげで王都からローカラトの町まで帰ってくることが出来た。


 でも、そのせいで皆を巻き込んでしまった。


 僕がおとなしく始末されていれば、こんなにもギルドが荒らされることは無かっただろう。


 でも、それでも、僕は依頼を果たしたかった。いや、それよりも姉さんに会いたかった。


 姉は人の話を全然最最後まで聞こうとしない。そんな姉だが、この世に一人しかいない大切な姉だ。


 僕は向こうの壁まで届くくらいの力で姉を突き飛ばした。


 その直後、鋭い痛みが腹部を駆け抜けた。


 その次に僕が見たのは()()()


 僕はこの時理解した。あれは()()()と。


 僕が最後に見たのは壁際で青ざめた姉の姿。


 ……姉さんを守れて良かった。


 でも、もう一緒にはいられない。


 僕は先に行って待ってるから。


 ――それじゃあ、バイバイ。姉さん。


 ――――――――――


 私は凶刃を見て『死』の一文字が浮かんだ。


 ああ、私はここで死ぬんだ。そう思って(まぶた)を閉じる。


 そう思った瞬間。体が浮かび上がった。そして、衝撃で目を開けると、そこには上と下、別々になって地面を転がる()の姿が見えた。


 私の思考は混乱した。何が起こったのか、理解が追い付かない。いや、理解することを脳が拒んでいるのか。


 私はあの暗殺者が去ってから、泣いた。泣くことしか出来なかった。私の治癒魔法では弟を治すことは出来なかった。


 この世にお人よしの弟はもう居ないんだ。


 その事実だけが私の胸を締め上げる。


 私はこの悲しみと共に生きていく。


 それが弟に繋いでもらった命の使い方。


 ミロシュ。先に行って待っていて頂戴。

第37.5話「ラウラとミロシュ」の方はお楽しみいただけたでしょうか?

次回の更新は明後日、7/12(日)の20時になります。

お時間がある時に読みに来てくれると嬉しいです。

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