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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
2章

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12話

 



 ――五日後。



 仲良くソファーに寝っ転がり、X tubeを見る二人。


 プロ顔負けの豆ラップを聞いていると、サッ、とリモコンが盗られスイーツ紹介にチャンネルが変わった。


「な、お前勝手に変えんなよ!」


「『ケーキ 食べたい』」


「しゃーねーだろ、ここらの全部腐って食われちまってたんだから。あとチャンネル戻せ」


「シュルル『うるさい』」


「……いい度胸だな。お前今日飯抜きな」


「シュルル『ごめんなさい』」


「許す」


 今や彼女は日本語を完璧に覚え、ペンと画用紙で会話すら可能とする。


 控えめに言っても、モンスターの域を軽く超えていた。






 §






 テレビを付けっぱなしにしたまま寝る東条の横で、彼女はいつも通り本をペラペラと捲る。


 今読んでいるのは、人体構造の書かれた医学書だ。


 最早彼に教わることは何一つなくなってしまったのが現状。


 勉強は一人でこなし、二人ではもっぱらボードゲームをするのが日課となっている。

 あれは頭を使うから楽しいのだ。



「……シュルル」


 彼との生活は楽しい。


 モンスターや人間を殺して食うだけの日々より、この数日間の方がよっぽど充実している。


 様々な知識を得る機会をくれた事に、感謝もしている。


 気紛れだったが、ここに来て本当に良かった。



 ……ただ、不満なことがたった一つだけある。


 ――彼女は自分の身体を見つめ、もう一度医学書に写る人体に目を落とした。


 この身体では、人間の文化を全身で享受することが出来ない。


 目の前にあるのに、触れることも出来るのに、手が無い、脚が無いという理由で諦めざるを得ない事実。


 彼女にはそれが我慢ならなかった。




 ……だから、


 ――彼女は本をパタンと閉じ、背筋を伸ばす。


 ……無いなら、望み焦がれればいい。


 ……無いなら、創ってしまえばいい。


 ……無いなら、変えてしまえばいい。





 自分自身を。





 彼女の身体が発光し、原子レベルで分解、再構築が始まる。


 三mあった身体はみるみる小さくなり、百㎝程度に収まる。


 光が落ち着き、徐々に露わになるその姿。


 純白の長髪。


 雪の様に柔らかく、儚げな肢体。


 高貴な美しさを孕む、真紫の双眸。


 その上にちょこんと乗っかる、丸眉。



 ――彼女はぐっぱぐっぱと新しい身体を確かめ、成功に頬を緩める。


「……あ、あー。あめんぼあかいなあいうえお。うきもにこえびもおよいでる」


 今まで出来なかった発声練習も難なくクリアし、嬉しさにピョンピョンと飛び跳ねた。


理解と実行。そしてあめんぼ。


白髪に惹かれるのは男の性。

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― 新着の感想 ―
[一言] 100センチ…ドュフッ 白髪美幼…ゲフンゲフン白髪美少女イイネ!最高! あっロリコンじゃないですよ!本当ですよ!
[一言] 強く焦がればいい……か。 スキルの取得に近い? すごく楽しみだし、おもしろいです!!
[良い点] 白髪に紫眼に色白の肌で美少女とかヒロインとして最高なのはわかる [気になる点] 100㎝かぁ~ ロリコンさせちゃうのか… まぁいっか可愛いらしいし [一言] 頑張って下さい。
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