表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
終章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/1049

黒夜の一幕

 


 時は遡り十二月二十四日、クリスマスイヴ。


 世界が変わった、あの日。




 モンスターの出現も一旦収まった真夜中。

 池袋駅東口は、不気味な静けさに覆われていた。


 聖なる日を祝福するクリスマスツリーは根元からへし折られ、光の象徴たる星は見るも無残に踏み潰され輝きを失っている。


 辺り一面に車が横転し、倒壊した建物の断片が各所に傷を残す。


 そしてまだ掃除屋がいないこの日は、冷風に乗って何処からともなく血の臭いが漂い、充満していた。



 閑寂な宵闇に光を落とす満月。


 一縷の希望も許さない汚濁した球体。


 幻想的なコントラストを映す情景は、一つの終末の完成形だ。


 何者も邪魔となり得るその空間に、




 しかし次の瞬間、それら二つが霞むほどの『白』が生まれ落ちた。




 純白の鱗は、寒月の下、月光を受け淡く煌めく。


 手も足もない三m弱の細長い体は、余計な物の一切を削ぎ落した流麗さを感じさせる。


「……シュルル」


 舌をチロチロと出し入れした後、アメジストの様な瞳が一つの建物を見つめた。


「……シュルルル」


 数秒、目を逸らした白蛇は、ゆっくりと夜の中へ消えて行った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] おお、8月、ひいては新章の(新巻)の始まりにふさわしい…って、8月まであと1日あるやないかーい! wktkしながらまっとるぜーい!
2020/07/31 05:45 本当にあった怖い名無し
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ