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45話
炎に呑まれ、見えなくなった敵に安堵する。
ずっと待っていたのだ、仕掛けてくるのを。
前々から練っていた魔力を、全てぶつけてやった。
タイミングも最高だった。
完全に仕留め――
ダアァンッッッ‼
「っ……」
赤肌が破砕音を聞いたと同時に、途轍もない速さで炎をぶち抜く何かが見えた。
驚く暇もない。
気付いた時には、側頭部を牛刀で串刺しにされ、吹き飛ばされていた。
赤肌はホブゴブリンの中でも特別頭が良く、実力も頭抜けていた。
今まで失敗したことが無く、数々の敵を抵抗も許さず謀殺してきた。
全てが自分の下であると確信し、そして、
慢心していた。
故に彼は知らなかった。
覚悟を決めた生物の、恐ろしさというものを。
炎の中で加速?じゃあ…。
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