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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
第3章 出発

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28話

 

 ――「はぁ、はぁ、はぁ」


 紫苑はビルに指を食い込ませ、垂直の壁に張り付いていた。その顔に、大量の冷や汗を浮かべながら。


(死ぬ、ところやった……)


 彼が刀を抜いた直後だった。目と鼻の先に、黒い何かが現れたのは。

 その瞬間、途轍もない恐怖を感じ全力で十数回ジャンプしたのだ。


 もう少し退避が遅ければ、自分は黒焦げになっていた。


 彼女は少し焦げた袖を見て、汗を拭う。


「すぅぅ……ふぅ、っ」


 そして深呼吸をした後、手を離した。



 ――Birther(物体創造系) 『stray girl』――



 それが、彼女が手にしたcellの名である。


 能力は至ってシンプル。半径十m以内への短距離転移。有名且つ、万能な能力であった。


 ――給水塔を蹴り、再びジャンプする。


 全国を見れば、転移系の覚醒者は結構いるっぽい。

 守秘義務があるからと詳しくは教えてくれへんかったけど、彼等は能力をつこて物資の運搬などをしとるらしい。

 自分のように戦闘職に就いとる者は稀なのだそうや。


 ――逃げ延びた蜂を通りすがりに切り裂き、ジャンプ。


 しかしそれも頷ける。


 転移系のcellは、距離が遠くなればなる程座標の設定にタイムラグが生じる。中距離や遠距離転移で戦うなら、並外れた集中力と近接戦闘能力が必要になってしまうのや。


「……」


 マンションの上に立つ紫苑は、一回遠くを見つめ、そして二人を見た。


 その際彼女は、チラ、と此方を睨むノエルと目が合う。


「(やっぱ気付かれてるんや)……凄いな」


 紫苑は軽い笑みを浮かべ、マンションを飛び降りた。


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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱノエルの感知能力高いな。マサはcellの防御力が高いから危機意識が下がってて感知能力低いとか有りそうですね。
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