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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
2章 合流

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244/1049

20話

 


 §



 天井に空いた大きな穴から差し込む光が、中央に佇むトレントを優しく照らす。


 その根元には成長と共に取り込まれた、大破したジェットコースターが打ち捨てられている。


 外界と隔絶された東京ドームの中の空気は、静謐さを保ちながらも、禍々しい程の圧を孕んでいた。


「……」


 トレントの根元に座るのは、一匹の白猿。


 極限まで引き締められた細身の体高は四mを越え、異様に長い手が何かの肉片を掴み口に運ぶ。


 白い斑模様の毛皮で覆われた全身には、呪術的な文字や画が刻まれており、落ちくぼんだ瞳の奥には、血の様に赤い光が揺らめいていた。


 白猿はざりざりと地面に地図を描く。


 皇居近くに一つ石を置き、明海大学に三つ石を置く。


 それ等とは別に、山手線内に散りばめられた無数の小石。


 大学とは最も離れた位置にある小石の三か所に、大学の石を分散させた。


 白猿は空の大学に指を立て、その凶悪な顔面を歪ませる。


「……ハジ、メル」


 老人の様な、舌足らずな赤子の様な、歪の声に乗せられて、立てた指に魔力が灯る。






 ――今この瞬間をもって、

 必死に戦い続けた人間も、

 永遠に感じる絶望を耐え切った人間も、

 ようやく見えた希望に手を伸ばしたその全てが、





 再び地獄へと叩き落とされた。






 §



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― 新着の感想 ―
[一言] 皇居が藜。大学がまさにノエルに加藤か彦根。 怪しい石は出来る限り破壊したけど、まだ残ってて、位置の入れ替えをしたのかな?だとしたら確かに絶望物だが、新達はどうでもいいが、風代達はどうにかなら…
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