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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
終章 大切なトラウマ

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82

 

 二人が教室を出て少し歩くと、曲がった角で朧とばったりと鉢合わせた。


「よう」


「おはようございます。あの動画見ました?」


「勿論。今から新に会いに行くところ」


「あぁ、……どうりで、……」


 朧は殺気だつノエルをちらりと見て、目を逸らす。


「やっぱり、あいつが一人で辿り着いたわけじゃないんですね。情報売ってるとこ見られたとか?

 なんて、あんた等に限ってそんなことないと思うけど」


「……」「……」


「……マジですか。何やってんですか?」


 朧は同時に目を逸らす二人に呆れる。百m先の自分に気付いたのに、新一人に盗聴を許したと?


「返す言葉もありません」


「……まぁ、俺には何の関係もない事ですから。新ならグランドで身体強化教えてますよ」


 そう言って朧は二人に背を向けた。


「サンキューな」


「感謝」


 手を振る朧に礼を言い、二人はグランド目指して歩を進めた。





 §





 新は大勢の戦闘員が魔力操作に苦戦する中、自分のスマホに目を落としていた。


(……消されたか)


 彼が早朝に上げた動画は、二時間もしない内にアカウントと一緒に削除されてしまった。

 昨日の会話を聞いていた彼は、どうせ国が圧力をかけたのだろう予想を付ける。


(……まぁ、あれだけ視聴されたんだ。困ってる人にも届くだろ)


 最後に新が見た動画の視聴回数は、八百万を越えた所だった。これだけ見られていれば、間違いなく保存されている。


 彼がスマホをポケットに仕舞う。と同時に、遠方から途轍もない魔力の圧を感じ、顔を上げた。


 魔力操作を覚え、感覚が強化された今だから分かる。


「……ふっ。(俺は彼を、何も正しく見れていなかったんだな。力も、……人間性も)」


 悠々と歩いてくる二人に向かって、新は堂々と一歩を踏み出した。





 §






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― 新着の感想 ―
[良い点] やらかしに気づいて鬱になーれ
[一言] 電話線が通ってるとは思えない南アフリカあたりの貧困層に届くわけないんだよなぁ。治安とか貧困での栄養失調とかで困ってる人は多いけど。
[一言] そうだな、困ってる悪人にも届いただろうし、 気づかなきゃ何もしなかった連中も力を得て 増長するのは目に見えているんだけどね。 しっかり何をやらかしたのか教えてあげて 欲しいとこですね。
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