表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
第1巻 第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/1049

11話

 


 慎重に下の枝に降りながら、手を伸ばし、ギリギリ射程に収める。


 この際だからと、モンスターを使って自分の能力の実験をすることにした。


 頭上に漆黒を飛ばすと、怒り狂っている鼻折れは大した確認もせずに噛みつく。


 ......彼から一定以上離れられない漆黒は、狼をぶら下げた状態で浮遊した。


(ん?……)


 噛みつかれた瞬間、自分の、いや漆黒の中に、何かが『溜まった』のが分かった。


 正体不明の感触は、今もなお継続して続いている。


 能力の手掛かりに思考を傾けようとした、直後


「がッ!?」


 背後からの衝撃と共に空中に投げ出された。


 「ぐぅっ!ゲホッげほっ――ッ」


 地面に叩きつけられそうになった彼は咄嗟にフライパンを手放し、タイミングよく前に転がり落下の衝撃を流す。


 肺を打たれた反動でまともに息が吸えず咳込むが、相手が悠長に待ってくれるはずもない。


「「ガルァッ」」


 待機していた二匹が同時に走り出す。


 牙が狙うのは隙だらけの敵、落とした武器を取ろうとしているようだが、こちらの牙が届く方が早い。




 彼は今まで動かなかった二匹が走り出すのを見て、落とした盾を拾おうとするが、遠い。


 早すぎる展開に舌打ちをし、拾うのを諦め、左腕を後ろにやり左右同時に飛びかかってくる狼の右に狙いを定める。


「ジィッ‼」


 下顎を刃でぶち抜き、同時に、犠牲に差し出した左腕に逆側の狼が牙を突き立てた。


「ッテぇなクソがァッ‼」


 串刺しになった狼が足掻くのを見て、牙が突き立ったままの左腕を強引に振り両手で牛刀を逆手に持つ。


 痛みを気合でねじ伏せ、万力をもって引き下ろした。


「ッらァッ‼」


 腹の下まで裂けた一匹を後に、左腕で暴れる狼の目を突き刺す。


「ギャウンッ」と悲鳴を上げ後方に飛び、彼を睨みつけた。


「はぁっはあっはあっはあっ――」


 左腕の感覚を確かめながら、残る三匹を視界に入れる。


 正直腕は痛みで力が入らない。ちらりと背後のトイレを確認するが、遠すぎる。


 逃げの選択肢は、無い。


 盾も木の近くだ。


 彼の額を汗が伝った。


見えない力に落とされた主人公。

逃げはなし、盾もなし。

さあ、どうする?


面白いと感じたら、評価とブックマークをお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「能力の手掛かりに思考を傾けようとした、直後能力の手掛かりに思考を傾けようとした、直後「がッ!?」背後からの衝撃と共に空中に投げ出された。ッ!?」 どのような状態で魔物と戦っているのか、位置…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ