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17話 13

 現代日本にいた頃はどうしても体験できなかったんで即興で対応するしかなかったんだが、人は爆発に巻き込まれるとまず鼓膜が弾けて肺が爆発する。

 そんで皮膚が溶ける。

 で、息は出来ない何も聞こえない状態ですさまじいヘクトパスカルに俺の身体は宙に巻き上げられて、勢いよく叩きつけられた。


「あーっ、どこまで飛ばされたんだ、俺は」


 焼けただれた皮膚と折れた手足を引きずりながら周りを見渡す。

 幸いそんなに遠くまでは飛ばされていない。

っていうか俺以外立ったままじゃねえか。


「……てる……ぃきてる?……」


 セーレが口をパクパクさせてて何してんのかと思ったら、「生きてる?」って俺に聞いていた。

 鼓膜が破けてるから聞こえなかったぜ。


「いや、何で生きてんのよ」

「なんだその言い方。いいだろ、生きてて。だって俺だぞ。ってかお前らこそ、何でダメージ通ってねえんだよ。肺とか潰れてない?」

「戦士として訓練した人間は、魔力障壁が使えるからね。っとそんなことより」


 リイの視線の先に俺も目をやると、フィール・グッド・インクが悠然と帰っていくところだった。

 俺たちに反撃される可能性なんて微塵も考えてませんみたいな顔して(顔は見えてないが)、ゆったりとファクトリーから遠ざかっていく。

 事実何もできなかった。



―ファクトリー、ビルディング―


ビートル人が例えば転生前の記憶だけで銃を作れるようなチートを持っていたとして、それでもやつらは現代日本じゃ一般ピーポーの少年少女として暮らしてたわけで、そんなガキが銃を精巧に作れるはずがない。

 だからこの世界のチート技術は現代のものより劣化してて当然だ。

 

「だが、あのダーウィンが来たを4Kで見るようなクジラの滑らかさは何だ」

「だーうぃんがきた?ふぉーけー??」

「いちいち反応してあげるのやっさしいねえ、セーレ」


 かつてビルディングだった瓦礫のうえを俺たちはベースキャンプとした。

 ここをキャンプ地とした。

 幸いビルディングにいたのはアルジェ市民たちを裏切ってビートル人側について重役の地位を得た輩だけだったので、崩れて下敷きになったけどまあいっかて雰囲気が漂っていた。

 どういうことかっていうと、ヒャクイチをリンチにした後重役たちも制裁を受けた。で、重役たちはビルディングに幽閉されていた。

 上から見下ろすやつなんてこのファクトリーには不要ってことで一度は閉鎖したビルディングに、やつらは収容されていたのだ。

 

「えーっと、あのクジラはね、カクラにあいつらが攻めてきたときからいたよね。多分、私より戦場で闘ってくれてたみんなのが詳しいと思う」

「サーティーンズ」

「十中八九あれはラクだ」


 ラク?サーティーンズ?

 こんどはこっちがわけわからん。


「ラクか‥‥‥」

「……あいつならたしかに」


 戸惑う俺をよそに、お姫様2人が露骨に不快感をあらわにしてる。

 ラク?多分、日本語だな。ってことは。


「ラクってビートル人がいるのか。で、そのサーティーンズってのは何だ?」

「ああそっか、ユキノの兄貴は知らないんですね。ビートル人には召喚された時期ごとにグループ分けがされてるんです。サーティーンズってのは3回目に召喚された13人のビートル人のことです」

「13だからサーティーンズってか、相変わらず単純だな。そんなに強いのか?」

「カクラを崩壊に追い込んだのがその13人なの」

「言い換えると、世界征服を達成した13人ってことよ、わかった?ユキノ」


 ロンド王国の手先としてカクラの「魔王」ケンリウを倒したのが1回目に召喚されたビートル人で、その後ロンド王国を征服したのが2回目のビートル人。


「つまり、カクラにとってサーティーンズが直接的な敵になるわけか」


 さてと。俺たちは立ち上がる。

 休憩はこれくらいにして行動しないと盛り上がりに欠ける。

 

「だいたいわかった。とりあえずはあのクジラをぶっ潰す方法を考えないことには俺たちに勝ち目はないってことか」

「結論はそういうことね。ただ‥‥‥」

「思いついてたら私らも敗けっぱなしじゃないんだけど」


 中世ヨーロッパ風の異世界で空飛ぶ兵器は脅威でしかないだろう。あたかもWW1で恐怖の大王だった飛行船みたいに。

 ファクトリーを歩く。

 あのフィール・グッド・インクが攻撃したのはビルディングだけだった。

 まるで裏切り者がそこにいることをわかってたみたいに。

 たぶん、わかってたんだろうな。


「今回のは脅しの意味合いが強い」

「そうっすね。あれは警告です。おそらくこちらが降伏の姿勢を見せなければ、次は…」

「本気で私たちを皆殺しにするってことね」


 おそらくこのファクトリーを更地にしてもあいつらのチートをもってすれば再建なんてすぐできるんだろう。

 だがさすがに人間までは複製できないだろうから、そんな簡単な真似はできないってところか。

 そこが俺たちの付け入る隙。

 俺たちはファクトリーの奥へと歩いていく。

 奥っていうのは、すなわち街はずれってことだ。ファクトリーはアルジェの街並みを下敷きにしてるから、かつて街の中心だったところにビルディングやら工場がある。で、そっから少し外れた郊外、でかい家が並んでるようなところにやってきた。


「社長~、生きてますか~」

「ユキノ~あんたこそよく生きてたねえ、ちっとは男らしくなったかい?」


 かつての俺の同僚にして、現ファクトリー社長アレクサンドリナさんだ。ジブリのばあさんみたいな体格のいかにも元気な人だ。


「おや、あんたたち。そろいもそろってどうしたんだい。賃上げの要求でもしに来たのかい?」

「このタイミングでしに来るほどごくつぶしじゃねえよ」

「そりゃよかった。それで、どうしたんだい?」

「従業員名簿を見せてほしいんだ。エンジニアを探してる」

いかがでしたか。


すこしでも

・おもしろかった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、思ったまま眠ってください。

ブックマークや評価、感想も欲しいけど、かくいう俺もおもろかったからって何もしないし。

なんならこの欄は流し読みするだけだし。

みなさん明日も早いだろうしいちいち感想書いてもらうのもな‥‥‥あなたが明日も読みに来てくれればそれで、ええんや‥‥‥。


いや、やっぱください。感想欲しいっす。

あなたのポイントが励みになるんです。そういえば前作も嬉しかった。俺も書きます、だからあなたも書いて。

是非お願いします…!

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