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成り損ない勇者の異世界銃奏乱舞  作者: ディンキー
第一章
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第四話 パレードと大迷宮そしてこの世界の知識

連続投稿です。

 どうも、みなさん。成り損ない勇者のヨシヒサです。


 出発当日を迎え、マルチカム迷彩の服に着替えて装備を整えたり色々と調整や準備に奔走している最中にラシエルと出くわして、リース王女様とパーティーを組んだことを言ったらいきなりラシエルが暴走し始めてなだめるのに時間を使ったり、自分が使う武器の特性やそれに応じた装備の説明やチェックなどを王女様と行いまして、馬車に乗り込むことになったのだが。


王都を出るまでにパレード状態になるなんて聞いてませんよ! 恥ずかしいからやめてぇェェ!


 一時間もの間パレードで引きつった笑顔になりながらリース王女と共に市民の方々に手を振り、なんとか王都を守る五重の城壁の内、最後に当たる一番外側の城門を抜けた。手首と顔の筋肉の感覚がないのは内緒だ。


 ちなみに、この時のヨシヒサの姿を見た市民たちはヨシヒサのことを斑のの騎士と呼び、子供を中心に人気になっていたりする。


 そんなこんなで馬車に揺られながら銃の分解整備をしていると件の王女様は興味津々のご様子で目をキラキラさせて見てきていた。


 特にレシーバー部分はとても興味深いと思ったらしく、色々な角度から見てきた。


 今、俺は堂々と銃の分解整備をしているが俺が許可した場合を除いてこのことは内密にしてもらうように約束してもらっている。

 

 スキルのことも女神様関係は伏せて話すと王女様は本気で怒ってました。主に教会に対して。


 馬車が止まり、御者をしていた近衛騎士の人がドアを開けてくれたのでさっさと馬車を降りるとそこは『街』だ。西側では掘っ立て小屋が幾つも立ち並び、様々な種族の娼婦が客をとっている。


 正直、男としてはそっち方面に行ってみたかったが王女様は不穏な空気を感じたのか俺をジト目で見ながら腰の鞘から剣を抜きかけていたのを見て慌てて話を逸らす。


「と、取り敢えず前の連中について行き来ましょうか」


 すると王女様は「はぁ……」と溜息をついてなんとか剣を収めてくれた。


 馬車から降りたところから15分ほど歩いた場所にダンジョンへ続く入り口があり、苔やツタがビッシリと付いた門をくぐり階段を降りると大きな広場があり右奥には下へ続く階段が、広場には武器商人やポーション、食料や中には蘇生薬なるアイテムまである。ほかにも迷宮の地図を売る商人などが露天を開いていた。


「おお! これが迷宮……それらしいといえばそれらしいな」


 異世界に来て初めて見たダンジョンは遺跡、と言うのが一番しっくり来る作りだ。


「よし、全員居るな?ようこそ、ここがインフェルニエダンジョンだ。諸君らにはここの第1層から攻略してもらう。何度も言うがこれは実戦だ。護衛に近衛騎士が居るが決して慢心せずあらゆるものに注意し目を光らせ不用意に単独行動はしないこと。命の危険を感じたり身の丈に合わない難易度になったりするようなら直ちに引き返すこと。慢心は、命取りになる。実際にこの迷宮ではそういった慢心で年に50人から80人の冒険者が行方不明や死亡が発生している。この迷宮の最大攻略階層は15層となっているがこのダンジョンを諸君らが踏破することを期待している。では、諸君らの奮闘に期待する」


 騎士団長から諸注意が終わり、次に副団長から突入するパーティーの順番が発表された。


「それでは突入するパーティーの順番を発表する。最初はパーティー、アトラスだ。」


 その言葉を聞いて周りがざわつき始める。もちろん自分達が知らないパーティーの名前が呼ばれたのだから当然だろう。


 因みに順番は団長と事前に交渉して一番最初に捩じ込んでもらった。武器の特性上最後のほうだと人が入り乱れ誤射しかねないからだ。


 そして百合の花のリーダーことイケメン君と6~7人の女の子達の集まったパーティー、次に筋肉モリモリいかにも脳筋といった男と女の集まるシャイニングドラゴンと続いていく。


 発表も終わり、準備出来次第突入ということで現在は装備のコンディションの最終チェックをしている。


「よし、これで一通りチェックは終わりかな?王女様、準備はよろしいですか?」


 チェックを終えたので王女様に確認をしたのだが、返答がなかったので振り返ると筋肉モリモリマッチョな騎士団長が仁王立ちしている。


「ヨシヒサ殿、わかっているだろうが姫様のことを最優先にしてもらいたい。……姫様を貴様に預ける。頼んだぞ」


 言われなくても分かっていることだが、しっかり返答しておく。


「無論です。この命……いえ、魂にかけて王女様をお守りいたします」


 そう告げると団長は安心したのか少し表情が崩れ、デカイ手で握手を求めてきた。断る理由もないのでしっかりと握手し返す。


「パーティーアトラス、突入します!」


 宣言を行い、重厚な石の扉が開く。


 そこには等間隔で置かれた松明が照らす長い、長い階段があった。まるで地獄へ続いているかのように。


階段を降りて行くと通路に出た。天井も高く周りは松明で薄暗く、奥はSCAR-Hに装着している強力なフラッシュライトでも照らしきれないほど暗かった。


 そうこうしている内にベアウルフと呼ばれる体長2mぐらいの狼の群れに遭遇し戦闘になった。


 パパン! パン! パパパパン! 狭い通路で銃声が響き、10体以上いたベアウルフの群れは銃弾で体をグズグズにされ内蔵など色々をぶちまけた後、2分程度で光の粒子となって消えた。その跡には紫色に鈍く光る親指サイズの魔鉱石が転がっていた。


「ふう……案外あっけないもんだ」


 魔鉱石、本で読んだ限りでは魔物の体内に存在する核で魔素を凝縮したものらしい。


 これは生活のあらゆるところで使われ、冒険者ギルドで買い取りしているらしい。


 だが、SCAR-Hの7.62mm×51弾だとパワーがデカ過ぎていくらかの魔鉱石を粉々にしてしまった。


 これは要反省だな。


「あのー、王女様と近衛騎士の人も大丈夫ですか?」


 そう、俺は普段からイヤーパッドや耳栓なしで射撃練習をしているので平気なのですっかり忘れていたが、本来、銃声はとんでもなくうるさいものなのだ。


 そして彼女たちは今通路内で反響した銃声で一時的な難聴になっていた。


「は、はい……私は大丈夫です……ですが、それはすごい音がしますね……雷が落ちたのかと思いました……」


 軽く耳を手の平でポンポン叩く王女様と軽く目を回している近衛騎士の人(全員女性)というある意味死屍累々の惨状が広がっている。


 結局全員から銃声をなんとかして欲しいとの要望というか抗議を受けたのでスキルの武器庫から地球では一本400ドルぐらいするメーカー純正の超高級品のサプレッサーを装着して探索を続ける。


 探索は順調に進み、今は5層目の安全地帯で休憩中だ。


 部屋に入って10分ぐらいしてから女神様からメールが来た。


 たまにメールや電話で世界情勢、通貨や文化などをレクチャーしてもらっている。


 この世界の通貨は銅貨・大銅貨・銀貨・大銀貨・金貨・白金貨・黒金貨・黄金貨、白黒金貨に大別される。価値も銅貨から順に日本円に直すと大体10円・100円・1000円・1万円・10万円・100万円・1000万円・1億円・10億円となる。

 

 一般人は金貨か白金貨ぐらいまでで特に、白金貨は主に武勲や偉大な功績を上げた者に恩賞として払われる事が多い。


 黒金貨や黄金貨と白黒金貨は大商人や国家レベルで使用されるらしい。基本的には十進法を採用している。


 この世界の人間の平均月収はアステリア王国の都市部住む一般市民で大銀貨5枚、騎士や近衛兵は金貨2枚程度らしい。更にそこから税金などが差し引かれ手取りはそんなに多くないとのことだ。


 話が大分逸れたが女神様からのメールの内容は要約するとレベルが規定以上まで上がり、新しいスキルの使用が承認された、というものだった。


 なんともまぁ、ゲームっぽいシステムだな。


いかがだったでしょうか? 今回は少し長くなりましたがお楽しみいただけましたか? 地味に戦闘描写が難しいんですよねぇ……特に銃声とかが……。次話から更に新しいアイテム・スキルが登場して物語もヌルッと進むかもしれません。

評価や感想など、待ってまーす!


※1/18 通貨の説明を一部変更しました。

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