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成り損ない勇者の異世界銃奏乱舞  作者: ディンキー
第一章
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第三話 訓練とパーティー編成と驚きの参加者

今回も少し短いかもしれません。新たなヒロインも登場しちゃいます。

 引っ越しから更に数日後、勇者達は各適性分野へグループ分けされ、戦闘技術の訓練が始まった。


 俺は適正の関係で勇者としての正規訓練を受けることはできないので、自主訓練としてフル装備(大体40kg~50㎏)で練兵場のグランドや城壁の上にある通路でランニングしたり筋トレや600m位ある魔術師用の射爆場で射撃練習したりと元の世界より楽しんでいると思う。


 そんな生活がだいたい2ヶ月ほど続いたが、一人だけ別行動をするやつがいると、人間誰しも面白く無いと感じる。そこで起きるのがいじめだ。


 結果、出来損ないというのが全体に知れ渡るのにはそう時間がかかることはなかった。


 いじめの内容としては集団無視、陰口、事故を装った暴行などなど小学生程度の内容ばかりで相手にはしていない。


 更に1ヶ月後、近衛騎士団の騎士団長、ダンディだが筋肉モリモリマッチョなおっさんが俺達に実戦を経験させるべく王都から馬車で3時間程行ったところにある大迷宮のインフェルニエダンジョン攻略を行うということが強制連行……もとい参加させられた集会で発表された。


 大半の男衆は10代らしく血気盛んで、本やアニメ、ゲームでしか見たことがないようなことを自分たちができると大盛り上がりでいる。


 脳筋とはまさにこの事。女性陣は一部の気弱そうな子を除いて比較的落ち着いている。男女でこのテンションの落差はなんなんのだろうか。

 

 その日のうちにパーティー編成が行われ、俺もお情けで参加させてもらうことができるみたいだが、無論誰もパーティーに誘ってくれるわけもなく、ホールの端っこでコッソリ愛銃のSCAR‐Hの分解整備をしている。


 ラシエルは俺を勧誘しようとして近づいては来たのだが、他のパーティーメンバーに拉致された模様。


 当然といえば当然だが。


 何しろラシエルはこの80人(俺を除く)の中でトップ5に入る魔法技能と剣士の技能を持つ魔剣士ゆえに半ば最終兵器扱いされている。無論、俺は他の奴からは城の兵士以下の扱いを受けてるわけだが。


 地球でも基本ぼっちだったので寂しくはない。断じて寂しくなんてない!


 場も落ち着き始めたのでそそくさとホールから脱出して無駄に広く長い廊下を歩いていると前方から薄紫色のドレスを着た輝くような金髪セミロングの女性・・・初日に手をふろうとしてくれた人である王国第二王女のリース・フォン・アステリア様がやって来たので廊下の右端に寄り、軽く跪き頭を下げて、王女が通りすぎるのを待った。だが、一向に通りすぎる気配はない。


 いかん、なぜだかトラブルのにおいがする。


「顔を上げてくださいヨシヒサ様。城の中では別に会釈だけで構いません」


 えっ……いや、仮にも相手は王女様だしこれが普通じゃないのか? だが相手は王族、機嫌を損ねるとマズいので謝罪しておこう。


「分かりました。今後注意します」


 顔を上げるとリース王女の顔がかなり近いところにありあと半歩踏み出せばキスできそうなぐらいには近かった。


 抑えろ俺の理性! ここで暴走したら死ぬぞ!


「明日は迷宮を攻略するそうですね。そこで一つお願いがあります。私も明日、迷宮に行きますので貴方のパーティーに入れてもらうことは可能でしょうか?」


 このお姫様いきなりとんでもないことを言い出したぞ……普通は王女様が危険なダンジョンに行きはしないだろう。

 

 ほらメイドさんや護衛の近衛のお姉さんもオロオロしているし。


「王女殿下、お言葉ですがそのお願いは承諾しかねます。まず、私はパーティーに参加しておりませんし、成り損ないです。それに、ダンジョンはベテランの冒険者ですら命を落としかねない場所でもあります。私や護衛の騎士団の方だけでは総ての事態に対処出来るとは限りません。どうかご再考を」


 これで考えなおしてくれたら一番なんだが・・・ほらメイドさんも近衛の人も頷いてるしさ。


「私は既に決めました。貴方がリーダーを務めるパーティーに入らせていただきます。無論、傍観者ではなくちゃんとした戦闘要員として、です。私はこれでも王国で1、2を争う魔法剣士なので十分お役に立ちますよ? それに、私が入ればちゃんとしたパーティーになります。改めて言いましょう、この私、第二王女リースが命じます。私と共にパーティーを結成し、ダンジョン攻略に参加させなさい」


 権力行使とかきたねぇ!と思いつつやっぱり人間権力には勝てなかったよ……。


「……了承しました。ですがしっかりとした防具等を装備していただき、支援として中衛に行っていただきます。それでよろしいですね?」


 恐らく護衛に精鋭の近衛騎士の人達が当たるだろうし王女様も魔法が使えるようなのでこの配置で特に問題はないだろう。


「ええ、それでですが、パーティーの名前は何にしますか?」


 えっパーティーに名前付けるの? 小説や漫画じゃあるまいし。


「他の勇者様のパーティーの名前は『百合の花』というものや、『シャイニングドラゴン』というらしいのですが」


みんな俺と同じくらいセンスが壊滅的なんだなぁ……正直自信はないが今頭に浮かんだやつを言おう。


「パーティーの名前は『アトラス』にしようと思います」


 ギリシャ神話の神様から名前を借りた。ホントは『アルテミス』と悩んだんだけどね?


 

 そしてこれが後にアーネスト大陸最強と呼ばれたパーティーの誕生の瞬間だった。


サクサクと投稿していきます。そして物語も少し動くかも?

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