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成り損ない勇者の異世界銃奏乱舞  作者: ディンキー
第二章
12/38

第十一話 冒険者ギルド、加入試験とそれぞれの戦い方

PV数とユニーク数に興奮冷めやらぬまま連続投稿です!

第三部のPV数を見ていただけでも卒倒しそうになりました・・・1300超えってどういうことなの・・・。たくさんのブックマークや閲覧をしていただき、ありがとうございます!それでは本編をどうぞ!


「それでわぁ~ここで一人づつ試験を受けていただきまぁす。まず武器は基本的にこちらで用意した刃の潰した剣か殺傷能力の低い魔法にて行いっていただきます~。まぁ~ぶっちゃけ、殺さない程度なら大丈夫ってことですねぇ~。頑張って下さいねぇ~」


 ウサ耳のお姉さんはそう告げるとさっさと建物の方へ戻ってしまった。


 そして俺達の前には筋肉モリモリマッチョな何処かで見たことのある雰囲気の男性が3人箱から武器を出して準備している。


「おう、やっときたかボウズ共。俺達がお前らの試験を担当をする。俺はギリム、ランクはAで普段は新人の指導とかをしている。よろしく頼む」


 鉄の剣を箱から出していたおっさん……もといギリムさんはゴツゴツとした手で握手し、他の二人の試験担当のおっさんとも同じように自己紹介と握手をした。お二人の名前はベルムとオフヘンというらしい。


「さて、誰が最初に受ける?」

「では、私が行かせてもらいます。ヨシヒサ、見ててくださいね?」


 まず一番手はリースだ。まぁ、彼女なら余裕だろう。


 後、ここで微笑みながら手を振るな! 後ろからの視線が殺意を含み始めてるから!


「ではここは私が……」


 どうやらリースの相手は細マッチョのオフヘンさんで得物は戦斧のようだ。さて、どのような結果になるかな?


「参ります! 全てを凍てつかせ穿て! アイススピア!」


 いきなり大技を繰り出したリース、本人曰くこのサイズは上級魔法レベルとのこと。


 殺さない程度とはいったい……。


「なっ!? その歳でこんな大技を繰り出すとは……しかも複数個か。これは掘り出し物かもしれませんね」


 なんとリースは氷の槍を頭上に12本も同時に浮かべてそれを一斉射しているのである。しかも槍が刺さった地面は少しずつ凍り始めている。


 オフヘンさんも見た目と違ってかなり早く回避運動をしているが、それでもところどころで被弾しているようだ。だが、リースは魔法だけではない。彼女の本領は()でも発揮される。


「くっ……やるではありませんか! ですが魔法に頼りすぎてはいけません、これで終わりです!」


 オフヘンさんは再詠唱で隙ができたリースに速攻を仕掛ける。しかし、その攻撃がリースに届くことはなかった。


「甘いですね! ふっ!」


 リースは腰に挿してあった刃の潰した鉄の剣を一瞬で抜き、肩、腹部、膝を打った。


「ぐあがっ……!?」


 オフヘンさんは一気に10m以上吹き飛ばされ2回ほど地面でバウンドしてから動かなくなった。


「そ、そこまで!」


 審判のお兄さんが大急ぎで治癒魔法を使える人を連れてオフヘンさんへ駆け寄る。


 オフヘンさんは左足骨折、右肩の脱臼、肋骨4本を折るという重症で気絶している。


 ヒーラーの人が治癒魔法を使うと骨折などもすぐに治りオフヘンさんは担架に乗せられて医務室送りとなった。


「どうでしたかヨシヒサ? 私の実力の一端をお見せできたとは思うのですけれど」


 笑顔で若干刃の部分が歪んだ鉄の剣を鞘に納めるリースを見て、俺は決めた。この王女様とは絶対に喧嘩をしてはいけない。したら丸焼きか氷漬けか吹っ飛ばされるかのどちらかしかないからだ。


「おお、よくやったなリース。だけどもう少し手加減してやれよ?でないと死人が出る」


 そう言いながら俺はリースの頭をなでなでしてるのだが、後ろにいるアリシアが頬を膨らませて不満そうな顔をしていた。


「アリシア、次はお前だが相手を5分で無力化できたらなでてやる」


 リースですら10分はかかったのだからその半分の5分は無理だろうな。


「約束ですよ? ヨシヒサさん。見ててくださいね!」

「ベルムだ。女の子だからといって容赦はせんぞ」

「ええ、それは承知しています。それでは・・・いきましょうか♪」


 槍を主に使い身体強化などが得意なアリシアとハルバートが得物のベルムさん。二人の刃が交差する……!


 結果だけを見ればアリシアの圧勝だった。それはもうすごかった。


 最初は突き合い程度だったがすぐに打ち合いへ変わり最後はアリシアがベルムさんを空中に打ち上げ、止めとばかりにハイジャンプを決めベルムさんに空中で追撃を加え地面に落とした。


 アリシアは完全に無傷の完封勝利で試合時間、2分12秒だ。


「ヨシヒサさん! ヨシヒサさん! どうでしたか!?私、ちゃんと約束守りましたよ……?」


 主人に捨てられそうな子犬(古代竜だが)のような涙目+上目遣いの攻撃を喰らい、煩悩が暴走しかけるが約束は約束なので頭をしっかりなでてあげよう。


「よしよし。よくやったなアリシア。」


 気持ちよさそうに目を細めるアリシア。抱きしめたい衝動に駆られるが、後ろの王女様に挽肉にされかねないので我慢するとしよう。まだ死にたくない。


「ふう……さて、次は俺だな。ギリムさん、よろしくお願いします」  


 俺は事前に自前の武器をタブレットで召喚している。普段使用するSCAR‐HやHK45だと鎧や筋肉を撃ちぬいて殺しかねないので今回は別の武器を使用する。


 それにスキルとしてはあるものの、剣や槍術の類いも殆ど出来ないしね……ナイフは得意なんだが。魔法は出来ないことはないけど使ったら街が物理的に消滅してしまう。威力がでかすぎるのも考えものだ。


 今回使用するの非殺傷ということでショットガン、その中でも軍や警察によく採用されているポンプアクションのモスバーグM500だ。


 一部のパーツをM4系のストックとフォアエンドなどをピストルグリップに換装し、強力なフラッライトを装備させた警察特殊部隊の暴徒鎮圧仕様だ。


 そこに今回は12ゲージの00(ダブルオーバック)ゴム弾を使用する。ヘビー級ボクシング選手の右ストレートぐらいの威力はあるかもしれない。


「……お前はさっきの二人とは少し違うようだな?まあいい。かかってこい」


 M500のチューブにシェルを全て装弾し終わり、かかってこい言われたが飛びかかるように行くのではなく、ゆっくりとゴム弾の最高威力を出せる距離まで接近する。



 俺、ギリムはランクA冒険者としてギルドに在籍している。そして友人であり、パーティーを一緒に組んでいるべリム、オフヘンの二人と一緒にいつも受付を担当して居るねーちゃんに新しく登録希望の奴の加入試験の担当をして欲しいと頼まれた。

 

 何も心配する必要はない。いつものように軽く戦い冒険者としての資質はあるのか、冒険者になっても死なないのかを見極めるだけの簡単な仕事のはずだった。


 だが、とんでもなく可愛い女の子二人を引き連れた一見そこら辺にも居るような貴族の子供か少し変わった柄の服を着ている黒髪・黒い瞳の少年とお付のメイド? 二人が今回の受験者だった。


 そしてこのメイド? 二人はそれはもうとんでもなく強かった。あのベルムとオフヘンがほとんど手も足も出せず気絶させられたからだ。


 金髪セミロングのメイド? は上級魔法をバンバン撃ち込み、茶色がかったショートボブカットの方はあのベルムが力負けし打ち上げられた上に更に追撃されて沈んだ。


 こいつは一体何者なんだ? こんなに武術に秀でたメイドを二人も従えている時点で何処かの大貴族の息子なのだろうか。


 とにかく、注意して全力で相手をするつもりだ。もしあいつが倒れても合格の判子は押してやるつもりだ。



 ギルムさんはやはり先の二人の戦いっぷりを警戒してかなかなか攻撃してこない。やはりここは自分から突っ込まなければいけないのだろう。


 ヒャッハー! 棒立ち人間は(かも)撃ちだぁ!


「ギリムさん! お覚悟!」

「かかってこい小僧!」


 お、ボウズから小僧にランクアップしてる。いや、今はそんなことは関係ないな。既に最初の一発は薬室の中に装填されている。くらえ!


 SCAR‐HやHK45とは違い、太く響くような銃声を発するM500。ただ、射撃時の反動が大きく下手な体勢だと肩を痛めそうだ……。


「ぐううううう!?」


 三発のゴム弾の直撃を受けたギリムさんは耐えているが痛みと衝撃で足がプルプルしている。あんな筋肉鎧相手でもゴム弾は有効だと証明された!


「決着と参りましょう!」

「舐めるな小僧! ふんっ!」


 地面を蹴りムダに高い異世界人補正でジャンプしてギリムさんの背中を取った!と思った瞬間、ギリムさんの得物であるグラディウスが目の前に飛んできた。


 つまり、槍代わりに投げてきたのだ。


「おわっ!? 危ねえ!」


 いきなり飛んできたグラディウスをコンバットブーツで蹴り飛ばしかなりアクロバットになったが、回避運動のつもりで2mほど空中へ飛び体を捻ってギリムさんの背中に全弾を叩き込んだ。


「ぐっ……なかなか……やる……な」


 そう言うとギリムさんは満足そうな顔でぶっ倒れた。


「……! そ、そこまで!」


 審判のお兄さんが前の二人と同じようにギリムさんに治癒魔法を掛け、担架に乗せていった。


「いやぁ~すごいですねぇ~。あなたの戦い方は初めて見ましたけど」


 ウサ耳のお姉さんがどこからともなく出てきて俺達に受付で記入した内容が刻印された銀地に赤い線が一本入ったクレジットカードサイズのカードを渡してくれた。


「それでわぁ、ランクAの冒険者を倒した貴方がたは本日を持ってランクBの冒険者になりまぁす。ランクAへの昇格は難しいので頑張って下さいねぇ~」


 因みにこのランクは全ギルド共通で通常はFから始まりE、D、C、B、A、S、SS、SSSとなって行く。SSSはほとんど英雄と呼ばれる行為を複数回してやっと認められるらしい。ランクを上げるには今回のような試験方法以外に魔獣の討伐などがある。もっとも、今回は異例中の異例らしい。


 ギルドカードも全ギルド共通で全て一枚で良いらしい。情報の読み取りは受付にある大きなサファイアみたいな解析石というそのまんまな魔法の石を使うそうだ。


 とまぁ、今回は試験官をフルボッコにしてしまうというトラブルはあったもののなんとか無事にギルドカードを発行してもらい、目的は完了した。後は少し買い食いや市場を見て宿に戻り、風呂とベットに飛び込むだけだな。かなり濃厚な一日だったといえる。


 この時のヨシヒサ一行の戦いっぷりを見ていたギルド職員や観客の冒険者達はヨシヒサたちを斑の魔導師と呼び、尊敬と畏怖の念を抱いていたという。

ヨシヒサ君やお嬢様方のチートな戦いっぷりはどうでしたか?相変わらずリースちゃんは本当に王女様なのか作者も怪しく思ってきました。


 そしてこのまま累計PV数が1万行きそうでドキドキしています。そしてたくさんの評価などをいただき、私もこれを糧にもっと頑張ってこうと思います。これからもよろしくお願いします! 


※2/13 一部変更しました

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