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23話「婚約、結婚、新婚」最終話


リル様と婚約するときお父様には「アリーゼは嫁にやらん」と言われ、ひと悶着(もんちゃく)ありまして、リル様は何度も公爵家に通い父を説き伏せてくれました。


公爵家から帰ってきたリル様が黒いオーラをまとっていたのですが……気のせいですよね?


リル様の十度目の説得で、お父様はようやく私がリル様と婚約することを承諾してくださいました。


リル様はお父様に「アリーゼをお嫁にくれるなら、国に豊穣(ほうじょう)の加護を与え、配下に国境の警備をさせる」と言って私との婚約を認めさせたそうです。


お父様は最後までごねていたそうですが、お母様と国王陛下に説得され、私とリル様の婚約を承諾してくださいました。


バイス公爵家は父の親戚が継ぐことになりました。


父の承諾を得られたので私はリル様と二年の婚約期間を得て、六月に結婚式を挙げました。私は十八歳になっていました。


お父様は私とリル様の結婚に思うところがあったのか、結婚式で大粒の涙を流していました。


お父様が涙を流されるところを私は初めて見ました。お父様には申し訳ないのですが、お父様に愛されているのが分かって、少し嬉しかったです。


父は「アリーゼを猫男なんかの嫁にやらん!」と言って二次会で暴れていたそうです。それは父の黒歴史として長くバイス公爵家で語られることになりました。





新婚旅行はドラゴンの暮らす山、人魚の住むという入り江、幻と言われるエルフの里、ドワーフの村に行きました。


見るもの聞くもの全て珍しくて、新婚旅行の間ずっとドキドキしていました。リル様と一緒だと退屈する隙がありません。





新婚旅行から帰ったあと教会の近くに家を買いました。


「里帰りしたければいつでも言って、アリーゼを背中に乗せて公爵家まで飛んで行ってあげるよ」


リル様が実家に帰りたいときは、空を飛んで送ってくださると約束して下さったので、お父様とお母様と離れて暮らしていても寂しくはありません。


エミリーもメイドとして、新居で働いてくれています。


私もリル様も教師の仕事も続けています、休日になると子供たちが遊びに来てとてもにぎやかです。


リル様は「たまには二人きりで過ごしたいな」とぼやいておりますが、昼間はお父様やお母様や教会の子供たちとの時間に充てさせていただいております。


だって夜は毎日リル様と二人きりで、い、いちゃいちゃして過ごしている訳ですから。


エミリーに「奥様に赤ちゃんが出来たらこの家がもっとにぎやかになりますね」と言われ、私が赤面したのはまた別の話です。





「リル様のしっぽもふもふ、おなかは太陽の匂い、のどをゴロゴロと鳴らす音も心地良い」


金曜日の夜は猫型のリル様のもふもふを思う存分堪能していいことになっています。


「前から聞きたかったんだけど、アリーゼって猫型のボクといるときの方がテンション高いよね」


猫型のリル様がしっぽに頬ずりしている私をジト目で見ています、そんなしぐさも愛らしいです。


「そんなことはありませんよ」


「ふーん、でもちょっと妬けるから今日は猫型で寝るの止めるね」


「えっ?」


リル様との婚姻したとき、猫型のリル様とは添い寝、人型のリル様と過ごすときは……その夫婦の営みを行うと決めていました。


「明日は土曜日だから、朝まで……いいよね?」


私が返事をする前に、リル様に押し倒されてしまいました。








翌日


「リル様……!」


私はのどが枯れていました、それに腰が痛いです。


「ごめんね、治療魔法をかけるから許して」


私が怒る度に猫耳としっぽを生やして悲しげに眉を下げ謝ってくるリル様、猫耳としっぽ触り放題を条件に許してしまう私、こんなやり取りが結婚してからずっと続いていています。


仕方ないのです、もふもふの感触には誰も勝てないのですから。





――終わり――








最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!


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