エピローグ “タワーを取り巻くetc”……②
更新遅くなって申しわけありませんm(_ _)m
やっとこ今回で第一章の〆でございます!
と、言っても回収してない伏線だらけな上にエピローグでも伏線をばら撒いてしまい……(@_@;)
すいません……早めに第二章始めますので……
暫くお待ち下さいm(_ _)mm(_ _)m
「どうも二人からは色々聞いてたみたいだけど……そっちはね、やっぱり世の中のダンジョン事情の表側なのよ。で、当然……表があれば裏もあるのが世の中の道理ってもので……」
彼女は自身のライダースジャケットから携帯端末を取り出すと……
「昨日ね……1stフロアでのリーク情報に被せるつもりで、急ピッチで編集した九〜十階層の動画を○ーチューブにアップロードしたのよ。ほら、あっちには九階層の映像ないじゃない? ちょっと視聴数が凄い事になってたんだけど……ごめん莉子ちゃん、その端末で確認出来るメールアドレスあるかしら?」
「? あるっすよ………これっす」
「ありがとう。……えっと今送ったわ。それは私のチャンネルに送られてきた動画のリンクなんだけど……」
どうも涼子の“塔チューバー”チャンネルに何かしらの動画を送りつけてきたヤツがいるらしい。
「動画配信なんてやってるとね、変な売り込みとかリンクの誘いとか……コラボ企画の勧誘なんて日常茶飯事なのよ。で、普通は全部無視する事にしてるんだけど……」
「あ、繋がったっすよ」
莉子ちゃんが俺にも動画が見える様にタブレットをセットしてくれる。俺達三人はスタートした動画を暫く試聴していたが……
「なんだこれ??」
動画には……年代は分からないが、昔のC国の皇帝が着てそうな格好をした誰かが映っている。薄いベールの向こうに居るので顔は判然としないが……そのシルエットの男……爺さんか?? が、北京語だか広東語だか分からない言葉で何かをがなりたてている。
「私も何を言ってるか分からなかったから、音声を翻訳アプリにかけたのよ。そしたら……まぁ、なんというか……このジジィは隣の国のやんごとない血筋の人間を自称してるわけ。で、滝沢君が討伐したドラゴンは……自分たちの父祖の地から盗まれた神獣で……その身柄は自分たちの物だって主張してるのよ」
涼子の意訳を聞かされた俺達は、それぞれ顔を見合わせて啞然とした。“タワー”の中にいたあの“ティラノもどき”が自分たちの神様だと?? 普段から向こうの国の政府なんかは、とんでもない主張を振りかざして周辺国を失笑させているが……
「そいつはビックリだな? で、その逃げ出したペットを殺した俺達に難癖でもつけてきたのか?」
俺はネットにはそれほど詳しく無いが……SNSには“トンデモ”な人間がそれなりに居る事くらいは知ってる。今どきこんな主張で慌てるのはネット事情を知らないお年寄りくらいの物だ……いや……ウチのお年寄りなら激怒して、逆にサイバー攻撃くらいやりかねないな……
「まぁ、それに近いわね。端的言うとこのコスプレ爺さん(?)は自分たちの神獣たるドラゴンから得た“逆鱗”は我々一族にこそ帰属すべき至宝であるから即時返還せよ……と、まぁ宣っているわけ」
「………くっ……クククッ…… クハッ、そいつは一大事だ。俺達エラい事をしちまったみたいだな」
俺はとうとう笑いを堪えきれずに吹き出してしまった。なんと言うか……“存在は知っていたが見たことの無い物”に初めて遭遇した気分だ……別に嬉しくないが。ほら、莉子ちゃんや環奈も俺ほどでは無いが失笑している。
「……コレで終わりなら、私も笑って放っといたんだけどね」
そんな俺を見てまだ厳しい顔を崩さない涼子……と、丁度その時、俺は相変わらずガナっている爺さんらしき姿が終わり、別の画面に切り替わった。そこには……
「………どういうことだ?」
俺達を失笑の渦に叩き込んでくれた画面には……俺、莉子ちゃん、環奈、そして涼子の顔写真が写し出されていた。俺と莉子ちゃんは塔の一階層……おそらく攻略後すぐに転送された時の物みたいだが……涼子は何処かの街角……おそらくプライベートタイムの画像……環奈に至っては何故か証明写真?いや……これは……
「えっ……なんで? これ私の卒業アルバムの写真だ……」
さっきまでと裏腹に……俺の背筋に冷たい物が走る。環奈に至っては意味が把握出来ずにオロオロし始めた。
「つまり……コイツラは“逆鱗”を渡さないなら、『俺達の安全は保障出来ない』……そう言ってるのか?」
「そうね……まぁ婉曲な表現で、間違っても脅しと取られない様には喋ってるけど……言いたい事はそれね」
それを聞いた途端……環奈が急に席を立って……
「まさか……お父さん?!」
一目散に病室を出ていこうとする環奈だったが、涼子がその手を掴んで引き留める。
「落ち着いて頂戴……一応の対策は打ってあるから。……多分、遅かれ早かれこんな事になるかも知れないと思ってたしね」
涼子がそう言って環奈を宥めると……またしても開け放っていたドアから、わざわざノックする音がした。
「そろそろ入っても構わんかね?」
「ええ……そろそろ呼ぼうと思ってた所よ。みんなに紹介するわ。この人は“内閣不審建造物調査室”佐渡ヶ島支部統括の京田康介氏よ」
そこに居たのは『“中間管理職”という言葉を擬人化した』と表現したくなるようなスダレ頭のオッサンだった。オッサンは見舞いの品らしいフルーツ盛り合わせを持ってノソノソと病室に入って来て……
「今、紹介にあずかった京田です……おっと、そのままで、皆さんの素性は既に把握しとりますんでね。色々とお話しせねばならん事はありますが……先に安心して頂きましょう。既に本間環奈さんと鼎涼子女史の家族やスタッフには“内調”から護衛が張り付い取ります。あと……助松莉子さんの家族には、防衛庁を通して護衛を打診しましたが……そちらは松○駐屯地が担当してくれるそうです。ちなみに……滝沢秋人氏の周辺も護衛を手配したんですがね……ストップがかかりました。どうも、我々のもっと上から人が送られる事になったとか……」
突然やってきた京田氏の話によると、既にパーティー全員の家族には護衛が張り付いているらしい……その京田氏は俺の顔を見て小さくため息を付いて、
「ふぅ……さっきの私の言い方にはちょっと語弊がありましたね。滝沢さん……貴方一体何者なんです?」
――――――――――
【パリ=シャルル・ド・ゴール国際空港】
ー現地時間 Tue 23:55ー
パリ市街から北へ20km少々……フランス最大の空港であるC.D.Gに私が到着したのは既に日が変わる寸前だった。この規模の空港は当然の如く不夜城ではあるが、流石に人の往来は昼間よりもずっと少ない。当然と言えば当然だが……私は周辺の閑散とした様子に一人ため息を付いた。
「はぁ……今日は随分と空いてるのね……いつもこうならいいのに」
パリは、世界中から観光客が押し寄せる花の都なのだ。その玄関口の昼間の姿を知っている者からすれば、やや意外とも取れる人の少なさだ。
「そんな事になっては困ってしまいますね、マドモアゼル・クラリス?」
ドゴールのターミナル1で縦横無尽に走るエスカレーターチューブを眺めていた私に……随分前から後ろにいた男がやっと声を掛ける気になった様だ。
「私がここでチューブを眺めていたのが7分18秒……あなた達“告知天使の福音”ってそんなにティミッドな人間しかいないわけ?」
私の後ろには如何にも“パリの男”といった風情のモード服に身を包んだ男が居た。隣には間違いなく護衛のアフリカ系フランス人が夜中にも関わらず薄いサングラスを掛けて立っている。私は、彼とは初対面だが既に彼の持ち点は半分を切っていた。
「これは失礼……私如き下々の生まれには、オルレアン家の方に声を掛けるには相応の覚悟が必要なもので……」
慇懃……さらに点数は半分。
「……いいわ、仕事の話をしましょう。約束通り私はこの後の便でTokyoに飛びます。現地でのエージェントは?」
「手配済みです。荷物もこちらに……」
同時に……隣の護衛が、手錠で固定されていたアタッシェケースを、待合いテーブルの上に置いて手首から外した。特注の細長いケースはちゃちなテーブルをギシギシと軋ませたが、辛うじて支える事に成功する。そして……無駄口を叩かない護衛……彼の点数は変動なし。
「しかし……今回の件は本当なのでしょうか? たとえ東の果ての未開地の……更に離島に発生した“タワー”だったとしても、まさか黄色……」
「それ以上は続けない方が身の為よ」
この“能無し”が目を伏せて小ばかにしようとした人種は……私の祖母と同じ人種だと知っているのだろうか? 男が私の忠告に反応しようと目線を上げた時……その目の前には長いケースから取り出された“神剣”がピタリと据えられていた。
「…………ッ」
「確かにオリジナルだわ……では、これから日本に滞在している間は、このクラリス・ド・オルレアンが“神剣”を預かります。さあ、これ以上お互いに不毛な時間を使う必要はないでしょう? 搭乗口まで案内してくれるかしら? 勿論黙ってね?」
「ウィ、マダム……」
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蛇足ですが……どうも後書きは作者の他の作品を宣伝してもいいみたいなので、お目汚しですが乗せておきます! お時間あれば是非……m(_ _)m
トランスファー “空間とか異次元とかってそんなに簡単なんですか?”
https://book1.adouzi.eu.org/n6961eu/
マシニングオラクル “AIが神を『学習』した世界”
https://book1.adouzi.eu.org/n5138fv/




