脆性破壊
とうとう……
四半期ランキングにまで出没し始めました(笑)
日間1位、週間1位、月間8位、
そして四半期19位にお顔を出しております(@_@;)
プレッシャーを感じつつですが(*﹏*;)
出来る限りの物語を綴って行きますので……どうぞ今後とも宜しくお願いしますm(_ _)m
俺はPDが増幅した筋力を、遠心力で更に増幅し……全ての力を16ポンドの鉄球に込めて、オリハルコンゴーレムに投擲した。
ダクタイル鋳鉄で出来た16ポンド(≒7.26kg)の鉄球は、唸りを上げてオリハルコンゴーレムの頭部に命中。ちょうど二足歩行で動き出したタイミングで頭部に直撃した鉄球は、運動エネルギーを衝撃に変えてオリハルコンゴーレムを見事にひっくり返した。
オリハルコンゴーレムは、体の構造のせいかなかなか起き上がる事が出来ず、その間に三人のメンバーを回収した莉子ちゃん達は既に離脱を始め、ゴーレムと対峙していた青年も涼子のタンデムシートに乗ってゴーレムから離れはじめた。同時にイヤホンマイクから、
『離脱完了よ! やっちゃって滝沢君!』
という通信が響く。ギリギリのタイミングでハンマー投げが間に合ったから良かったものの……
『無茶をするな……俺の掩護が間に合わなかったらどうするつもりだよ……』
『あら? 指一本触れさせないんじゃ無かったの?』
俺はスーツケースから新たなアイテムを取り出しながら……イヤホンから聞こえたセリフに一瞬言葉を詰まらせてしまった。
『OK、降参だ。だが次のヤツはマジでヤバいからな?』
『了解!』
俺はさっきのハンマーより若干大きい陶器製の球体を、ワイヤで作ったネットにセットして安全装置のピンを引き抜いた。
『よし、PDもう一度喰らわすぞ』
『了解です。一回目の投擲データから回転運動を補正します』
俺は涼子と青年をドスドスと追いかけるオリハルコンゴーレム目掛け、
『おおおぉぉぉ!!』
さっきよりも更に早い回転運動で茶色の球体を振り回す。ゴーレムは未だバイクの二人に標的を定めている様でこちらへの警戒は薄い。それを回転しながら見ていた俺は、更に高速に達したお手制兵器を気合と共に投擲した。
『喰らえ!! モ○タロウ印のキビ……もといサ○メート焼夷弾!!』
俺が投擲した茶色い球体はハンマーより更に高速でオリハルコンゴーレムのどたまに直撃し……瞬間的に大量の閃光を放ちながらゴーレムの頭部を炎で覆い尽くした。
『いよっし!!!』
俺がハンドメイドした焼夷手榴弾は、見事にオリハルコンゴーレムの頭部で炸裂した。テルミット反応で燃え上がった炎は摂氏3000℃を超える熱量を産み出し、さらに反応が終了するまでは通常の方法では消火すら出来ない。
『どうだ? ちっとは堪えたか?』
その場で足を止め、頭部を赤く燃え上がらせてジタバタするゴーレム。反射的に頭部を拭おうとするも、ドロドロに溶解したアルミと酸化鉄が頭部を覆っているためどうにも出来ない。すると、
『やっぱりな……これで仕留められるなら他のエクスプローラーが苦労するわけねぇよな』
頭部を消火する事が出来ないと悟ったゴーレムは、バケツみたいな頭部を赤熱化させたまま、今度は俺の方に向かって走りだした。ようやく俺の存在が邪魔になったらしいな。
『滝沢君?!』
『兄さん!!』
『滝沢さん?!』
イヤホンから俺を案じる仲間の声が聞こえる。俺はスーツケースから更に次のアイテムを取り出しつつ、
『心配無用だ!』
とだけ返答し、今度は投擲用のハンマーを改造して太めのワイヤーを3M超に伸ばした物を頭上で振り回し始めた。
「オラ!! 来いよデカブツ!!」
俺の雑な挑発にまんまとのせられたゴーレムは、更に足を早めてこちらに近付いてくる。燃え上がっていた焼夷弾は既に反応が終わりに近付いているのか、既に炎は消えつつあるが……赤熱化は未だそのままだが、頭部の形には一切変化がない。
「ハハッ、なんて頑丈さだ。見たとこ変形すらしてないぞ?」
『いえ、見た目には分かりませんが計算通り歪みが出ています。さあ、最後の仕上げです』
『おお!』
俺はドスドスと近付くオリハルコンゴーレムを見据えながら頭上で改造ハンマーを振り回してタイミングをはかった。ジリジリと湖畔に向かって後退りしながらギリギリまでゴーレムを呼び込む。
『フェーズ3へのカウントダウンを開始します。………3……2……1……今です!』
俺は頭上で振り回していたハンマーを眼前に迫ってきたオリハルコンゴーレムの足元に投げつけ、同時にその場から全力で退避した。
オリハルコンゴーレムは俺に向かって全力で移動していた慣性を殺し切れず、更に足元に絡まったワイヤーのせいでまたしても盛大に転ぶ……しかもその先にあったのは、さっきヤツが上陸してきた湖の湖面だった。
― ドッ……ジュバッ シジュガババババ ―
オリハルコンゴーレムは頭から湖面に突っ込んだ。同時にヤツの頭部付近から盛大な水蒸気が爆発的に立ち上る。
『フェイズ3完了です。最終フェーズに移行してください』
イヤホンからPDの冷静な声が響く。
『おおお……ギリギリだったな』
俺は湖面で子供が焦った様にもがくオリハルコンゴーレムから少し離れ、スーツケースから取り出した最後のアイテム……俺の手に馴染み深い感触を伝える、家屋破壊用ハンマー“破壊王”を構えた。
『PD、感覚器官も限界までチューニングしろ』
『………了解しました。感覚器官の第一リミッターを解除。感度を最大値までチューニング完了』
PDのチューニング完了の声と共に、訓練で馴染み始めたあの感覚が俺の身体に拡がる……
ちょうどその時……眼前で藻掻いていたオリハルコンゴーレムが、足元のワイヤーを引き千切って片膝を湖岸の端に掛け、こちらに向かって立ち上がろうとしていた。
湖面からこちらへ向かって上陸しようとするオリハルコンゴーレムは、そもそも表情などない筈なのに黒く煤けた頭部から幾筋もの蒸気を吹き上げて……まるで怒り心頭の漫画キャラみたいな状態になっている。
本当は、今まで打ってきた布石が効を成したか否か? の緊迫した場面の筈なのに……不覚にも少し吹き出しそうになってしまった。俺はヤツが体勢を整えている間に、改めてヤツの頭部を増幅した視覚で観察した。
『くっ、失敗か……亀裂の一つでも入ってりゃぁ……』
『理論値的には十分“温度差による脆性破壊”を引き起こす条件が揃っていますが……もしも条件が不十分なら、迷わず撤退を進言します』
俺はPDの言葉に頷きつつ、もう一度ヤツの頭部をつぶさに観察しなおす……その時まで気にしていなかったが、ヤツの頭部にまるで定規で引かれた様な一筋の線が走っているのに注目する。あれは……俺は高機動車の脇に退避し、こちらを注視している一人の青年を横目に見て……思わずニヤリと笑ってしまった。
『見つけたぞ! やるな青年……この討伐のMVPは間違いなく君だ!』
俺は、立ち上がったばかりのオリハルコンゴーレムに全力で肉薄する。反応したオリハルコンゴーレムは腕を振り上げようとするが……遅い!! 感覚最大ブーストの俺にはまるでスローモーションだ。
おれはヤツが振り下ろした腕をギリギリで躱し、そのまま地面にめり込んだ拳を踏みつけて腕を駆け上がった。上腕から頭部に飛び上がった俺は、慣性そのまま右打者のフォームで……ヤツの頭部に付けられた一筋の傷目掛けて破壊王を振り抜いた。
「まったく……手間取らせやがって。硬いばっかでトロイ自走兵器とか、今どき流行んねぇんだよ!!」
今回出てきた物騒な兵器……サ○メート焼夷弾ですが……作中主人公が呟いていたとおり、その殆どの材料がモ○タロウで入手できます。大元は「テルミット反応」と言う電気や熱源を用意し難い場所で溶接作業をする時に使用する技術なんですが……主人公の利用法は間違いなく悪い例です。(-_-;)・・・(電車のレールを現場で溶接する動画等が分かりやすいですね。映画『アルカトラズからの脱出』でも脱獄に使うツールを獄中で制作するのに使われていました)
勿論、良識ある皆さんや良い子の皆は真似をしない様に(笑)このお話はあくまでもフィクションですので……悪しからずご了承下さいm(_ _)m
もし続きが気になるようでしたら……☆☆☆☆☆とか貰えたら嬉しいですm(_ _)m




