ちょっとトバすぞ
とうとう…とうとう……
日間ローファンタジーランキング……
一位になりました!!!
応援してもらって一位になるとか……人生でなかなか無いです
……感動ですm(_ _)m
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全ての皆様に……圧倒的感謝ですm(_ _)m
「私は公知君等がソフトセイバーズにとってどんな存在かは知らんが……“小佐野慶太”という男がどんな人間かは多少知っている。彼は……端的に言えば自分の部下がどんな事になろうとも眉一つ動かさずに損切り出来る男だ。そんな男が“捜索人数最大完全費用担保”を依頼するなど……どう考えても何か裏があるとしか思えん」
鷹山にしては珍しく、警戒感をあらわにした忠告……彼を良く知っている神山からすれば、それだけでも警戒レベルを引き上げるに足る出来事だ。
「……最大限の警戒を持って事に当たります」
「老婆心だったかな……さあ、行きたまえ」
鷹山は、それ以上何も言わず私を送りだした。ギルドの廊下をヒールの踵を響かせて塔内探検者管理課に急ぐ……
「一体何が起こって……いや……何か起こるのはこれからか??」
――――――――――
休息を終えた俺達は、車上に戻って一路九階層を目指していた。途中少なくない数のモンスターが環奈のスキルに探知されたが、尽くスルーを決め込む。
背後から追走する涼子にはマップの最短ルートから外れるたびに通信で進路変更を伝えたので逸れる事は無かったが……バイクでは難しいルートを避けたり、逆に車で渡るには狭すぎるルートを迂回したりしたせいで、予定のタイムスケジュールからはかなり遅延していた。
「兄さん、このペースだと八階層の出口付近に野営するのが精一杯かもっす」
助手席でナビゲーターをしてくれていた莉子ちゃんが、タブレット端末を見ながらマップの再検索をしている。マップには環奈がポイントしたモンスターの位置とそれを避けた進路、予想到達時間が表示されている。現在位置は八階層の出口まで約5kmのポイントまで到達していたが、既に周囲には日没(タワー内に昼夜があるのは不可解だが)が迫っていた。
「そうだな……夜間の移動はリスクが高いが……」
俺がPDの車載端末ディスプレイを横目に、今日の野営について考えをまとめようとした時、突然ディスプレイに赤いテキストが表示される。
【緊急連絡事項があります】
俺は反射的に隣とルームミラーに視線を走らせたが、二人の見ているディスプレイには表示されていないらしく無反応だった。俺は運転しながら、突然現れたテキストをタップすると……
『運転中失礼します。これからの通信はタキザワにのみアナウンスされますのでご了承下さい。返答はディスプレイ上に表示された選択肢へのタップでお願いします』
というPDのアナウンスがイヤホンに流れた。俺は素知らぬ顔でディスプレイに表示されたイエスのタブをタッチする。
『私の端末が八階層ゲートへ接続可能なエリアに到達しました。現在、八階層ゲートの使用履歴とゲートの周囲感知レーダーのデータから、ゲート付近に数組のパーティらしき集団が居留中の模様です』
俺は状況を確認した事を伝える為にもう一度イエスのタブをタッチする。ゲート付近はその階層のボスが討伐されれば、一定の範囲が安全帯に変化する。
従って、アタック中のエクスプローラーが野営するのはそれほど珍しい事では無いが……ここはほぼ最前線と言っていい八階層の出口だ。それほど沢山のパーティが無関係で野営してるとは考え難い。状況が不自然だからこそPDも警告していると考えれば……
『鼎さん聞いてくれ。これから八階層出口のゲート直前まで行軍速度を上げる。ただしゲート付近から捕捉されない位置で一度停車するから追随してほしい」
俺は通信をオープンチャンネルに戻して鼎に通信する。まぁ、同じ車内の二人には肉声で聞こえているだろうが……
『……追随、及び直前での停車を了解』
イヤホンマイクからの返答を聞いた俺は車内の二人に、
「二人とも聞いた通りだ。ちょっとトバすぞ」
「ちょっと!? どうしたんすか兄さん?」
「わあぁぁっ!?! ちょっと待って下さい!!」
社内の二人は、俺の宣言に慌ててシートベルトを確認し、アシストグリップにしがみついた。
「訳は後で話す。いくぞ」
俺はハンドルを握り直し、路面と進路の許すギリギリまでアクセルを踏み込んだ……
――――――――――
「みんな大丈夫か?」
「なんとかな……」
俺の短い確認に慎太郎が答える。
昼間の敗走中、俺達はタイヤがパンクしていたレイドパーティの一つを逃がす為、オリハルコンゴーレムに嫌がらせのような攻撃を仕掛けつつ、出口とは違う方向へ逃走した。
相手は幾ら鈍足とはいえ、全高5メートルを超える巨人だ。加えてこちらにはゴーレムを直接起動させた俺がいる。そのせいでオリハルコンゴーレムは、多少引き離しても暫くすると確実に迫ってきた。
当初、ある程度引き離したらオリハルコンゴーレムを迂回して八階層へのゲートへ離脱するつもりだったが……
「まさか俺達のトラックまでパンクするとはな……」
俺はタワーアタックで顔馴染みになったオッサンの“不運は行列を成してやって来るもんさ”というセリフを思い出していた。
「それでもランフラットタイヤのおかげで少しは引き離せたよ。今はヤツから少しでも離れるしか手は無いけど……なに、暫く持ち堪えていれば救援もくるさ」
そう言ったのは、普段はトラックのメインドライバーを勤めているメンバー桜井千歳だ。
小柄な見た目とは裏腹に、幼少からカートやモトクロスなどで鍛えたドラテクは、レーサーとして将来を嘱望されていたが……不運な事故で両親を失うと、それまで猫撫声ですり寄ってきた親族は、ハイエナの如き本性を現して両親の残した財産を毟り取って消えていったそうだ。
全ての親族が財産と共に消えた時、彼女に残ったのは鍛え上げたドラテクと幼い弟妹達のみだったが……今では頼もしいドライバー兼エクスプローラーだ。
「まぁ、俺達は清太郎の無茶には慣れてるからな……これくらいピンチにも入らねぇさ」
そう言ってトラックから持ち出した背嚢を下ろしたのは金髪マッチョの大男、野原隆太だ。こんな見た目だが所持スキルは“ライトニング”……つまりパーティ的には後衛にあたる。
「俺ばっか無茶やってるみたいに言うんじゃねえよ。停学の回数はお前の方が多かったろうが」
俺はヤツの叱咤に軽口を返して無理やり笑った。
俺達はトラックを失った後、ゴーレムの追跡を躱しつつ少しでも潜伏可能な地形を探し、今は出口から遠く離れた森林地帯と草原の境に隠れていた。ここならば草原からゴーレムが来ればすぐに森林側に逃げ込めるし、逆に森林からゴーレムが来れば林立する大木が奴の侵攻を阻んでくれる。
草原の向こう側には大きな湖もあるから、最悪は飛び込んで逃げるという選択肢も取れる。これで、ほんの暫くだがひと息つく事は出来そうだ……その時、気が抜けていたのだろうか……俺はつい……いま口にすべきではない言葉をこぼしてしまった。
「救援……来ると思うか?」
もし続きが気になるようでしたら………是非☆☆☆☆☆とか貰えたら嬉しいですm(_ _)m




