是非紹介したい人材がいます
実は……日間ロウファンタジーランキングで33位に入りました\(◎o◎)/
ランキングの効果なのかPVも凄い事になっておりまして……ありがたい事にブクマやポイントも着実に増えて作者もワナワナしておりますww
出来る限り皆様の期待に答えたいと思っておりますので今後とも宜しくお願い致しますm(_ _)m
俺はなんとも言えない気分で、一攫千金の駐車スペースに高機動車を乗り入れた。俺が駐車し終わるのを見計らって、環奈が運転席に走り寄って来る。
「いらっしゃいませ滝沢さん! 随分大きな車ですね!!」
溌溂とした笑顔で出迎えてくれた環奈の態度を見て、横から莉子ちゃんのジト目が突き刺さる……
「ああ、本間さんコンバンハ……遅くなって済まない……」
「いえいえ、時間の事は聞いていましたし、お気遣いなく。さあ、父も食事の準備をして待ってますから、お連れの方も……ドウゾこちらへ……」
助手席から降りてきた莉子ちゃんを見た時、環奈が一瞬言葉に詰まったのは気の所為だ……気の所為……
「……はじめまして、滝沢の助手兼車両の保守で付いて来た助松莉子っす。暫く御世話になるっす」
莉子ちゃんが自己紹介の一部を強調した様に聞こえたのも気の所為だ……気の所為に決まってる。
「……こちらこそお世話になります。本間環奈です。今回、滝沢さんのパーティに誘っていただいてます。あの……助松さんもエクスプローラーなんですか?」
「一昨日講習を受けたばっかのルーキーっすけどね。さっき聞いたら本間さん同い年らしいので、良かったら莉子って呼んで欲しいっす」
「……じゃあ私の事も環奈って呼んで下さい莉子ちゃん」
和やかに自己紹介をする二人。ほらやっぱり気の所為じゃねぇか……
「あの……ところでお二人の関係って……」
「……あたしのおじいちゃんが昔から兄さんの実家で御世話になってるっす。まあ幼なじみというか兄妹っていうか、そんな感じっすよ」
環奈に説明しながら俺にジト目を飛ばすのはやめてくれ莉子ちゃん……
「自己紹介はそれくらいにして中にお邪魔しよう。本間さん、暫く世話になるよ……」
「あっ、ごめんなさいこんな所で……こちらへどうぞ」
俺と莉子ちゃんは環奈に伴われて一攫千金入った。
――――――――――
残念ながら一攫千金は一週間前と変わらず閑散としていたが……俺は一瞬店内を見回した後、カウンターの向こうに立っている親父さんに挨拶する。
「また御世話になります。親父さん」
「よく来てくれたね滝沢さん。美味い魚を仕入れたからさ、とりあえず座ってくれよ……お目当ての人達も待ってるみたいだしよ」
親父さんの言う様に、一週間前と変わらないのは閑古鳥だけでは無かった……
「こんばんは金子さん、中川さん。お食事ですか?」
これまた一週間前と同じ席に金子が京子を伴って座っていた。俺が白々しく挨拶すると……
「ええ、ここの魚は美味いですからね。なんでも御主人の伝手で貴重な地元の魚を仕入れ出来るそうで」
「チョリース滝沢さん。お久〜〜」
俺は、これまた白々しい金子の返答と京子の軽さに苦笑してしまう。まったく似合わない上司と部下だが、案外良いコンビなのかも知れない。一瞬考えた俺は無言のまま金子の前の席に座った。
「莉子ちゃんも座ってくれ。本間さん、出来れば君も頼む」
「じゃあ……お食事を出したらお邪魔しますね」
そう言ってカウンターの向こうに消えた環奈を横目に、金子は箸を置いてビール瓶とコップを俺に差し出した。俺は無言でコップ受け取り酌を受ける。
「……正直に言うと、素直にそこに座っていただけるとは思いませんでした」
金子の言い様に俺はどうしても苦笑を重ねてしまう。
「俺はこれでも役場の職員が本業ですから……ギルドが俺を呼び付けずに、金子さんをこっちに寄越してる意味くらいは分かります。ここで駄々を捏ねて金子さんを困らせるのも本意じゃありませんしね」
「本来、私の立場でこういう事を言ってはいけないんですが……ギルドにいる者達より滝沢さんとの方が仕事がしやすいというのは忸怩たる物があります」
「若輩の俺が言うのもなんですが……勤め人の悲哀は知ってるつもりです。ただ、席には付きましたが、お話を聞いてもお応え出来るかは分かりませんよ?」
「当然ですね……まぁとりあえずはお食事を先に済ませて下さい。本間さんにも聞いていただきたいですし」
「そうさせて貰います。正直、空きっ腹にビールはキツイんでね」
「ああ、これは失礼しました」
俺は、出会ってから仏頂面しか見た事が無かった金子が、僅かに表情を緩めたのを初めて見た気がした。
――――――――――
環奈の親父さんが出してくれた料理は、素朴だが海の幸に富んだ献立で、山育ちの俺と莉子ちゃんは大いに楽しませて貰った。
食事が終わり、環奈が全員に熱い湯呑を配ってから俺達の隣に座る。金子は湯呑を手にとってほうじ茶を一口嗜むと、おもむろに話を切り出した。
「お話をする前に一つ、この場でお話する内容は、神山や他の幹部連とは無関係な……私の裁量の範囲でする提案です。従って、滝沢さんには当然お断り頂いてもなんら問題ありません……」
「……伺いましょう」
正直な所、俺もギルド側から何らかのアプローチがあるのは予測していた。最悪、強制的にタワーへの立ち入りをストップする為に、エクスプローラー資格を停止される事まで考えていたが……金子さんの言動から見るに、そこまでの強権を振るうつもりは無いらしい。
「ご存知かと思いますが、私達ギルドの業務の一つに“エクスプローラー間の相互扶助をサポートする”というのがあります。端的に言うと、登録されているメンバー同士が求める“技能を有する人材の紹介”なんですが……今回の滝沢さんの塔内探検に……是非紹介したい人材がいます」
「なるほど……気ままな猫には鈴を付けておこうと?」
「…………気分を害されたのなら申し訳ありません」
少し言い過ぎたか……まあ、金子の言い分は予測の範囲内だ。船内での事を考えたらあり得る事だと思っていたし、無言で監視を付けられるよりは良心的かも知れない。
「まあ、その人材にもよりますが、基本的に俺の指示に従っていただけるのなら構いません、ただし……」
俺が了承の意を示すと、金子は無表情のままだったが京子は露骨に安心した表情を浮かべた。多分金子の立場を慮っての事だろうが……交渉の場に同席する人材には不向きじゃないか?
「俺が当初想定していたメンバーは、ここに居る二人だけです。端的に言えば、俺にその人達の安全は保証できませんよ?」
もし続きが気になるようでしたら………☆☆☆☆☆とか貰えたら嬉しいですm(_ _)m




