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【累計700万PV突破!】タワーオブチューン “人類で唯一人ダンジョンを攻略した男” ☆第10回ネット小説大賞『コミックシナリオ賞』を受賞!!  作者: 鰺屋華袋
第一章 塔の破壊、承り〼

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上は納得しないでしょう


 淡々と見通しを語る俺に、ギルド職員の二人は、一瞬苦虫を噛み潰した様な顔を見せた。多分……利権関係者の事が頭をよぎったんだろうなぁ。


「今、私がお伝え出来る事はこれで全てです。この情報をどう扱うかは、お二人に一任しますので……()()()にお願いしますよ。まぁ出来れば、私が情報の出処ってのは伏せて欲しい所なんですが……」


 俺はP(プラネット)D(ディレクター)の存在と俺の能力の詳細を除いて、ほぼ全ての情報を二人に伝えた。今回伝えた情報は元々タイミングをはかってリーク予定だったし、そもそも俺が一人で地球にある108の塔全てを攻略するとか無理だからな。さっさと情報公開してギルドや国主導で“タワー”攻略の為の戦略を考えてもらおう。だが……多分、今の段階だと……そこで神山さんが沈黙を破った。


「……お話は分かりました。但し、申し訳ありませんが……現段階で滝沢さんのお話を全て受け入れるのは不可能です。こう言ってはなんですが、滝沢さんが入塔前に能力……とりあえずスキルとしますが、そのスキルを持っていた事だけを情報の根拠とするには……私共より()は納得しないでしょう」


 まぁ、そうなるよな。それについては勿論こっちにも考えがある。


「でしょうね。こんな話、初めて“タワー”に来たルーキーがしたところで信憑性ゼロだ」


「正直に言えば……そうです」


 神山さんは言いにくそうに答える。


「まあ、さっきも言いましたが情報の扱いはお任せします。ただ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」 


「………? それはいったい??」


 またしてもギルドの二人は顔を見合わせる。


「一応……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「「…………はあ???」」


 さっきからこの二人仲がいいな。


―――――――――


「………金子君。あなたは件のT氏が語った内容をどう思いますか?」


 滝沢氏がギルドから辞去した後、佐渡ヶ島タワーを管理するギルドの幹部が集まり緊急会議が開かれた。当然、議題は滝沢氏がもたらした情報についてだ。今は現状の説明が終わり、当事者の一人である私に意見が求められた所である。


「ハッキリ言えば、T氏の情報には状況証拠以外なんら裏付けがありません……ただ、偶然ですが私はルーキーである氏がC級エクスプローラーを捕縛する現場を直接目撃しています。忌憚のない意見を言えば、私は氏が()()()()()とはとても思えませんでした」


 私の発言を聞いた会議室に低いどよめきが拡がる。ここに居るのはギルドマスターを筆頭に、タワーの管理に携わる各部門の責任者、さらに外部から出向してきている政府関係者。そして、偶然補給作業でタワーアタックを中断していた、佐渡ヶ島タワーをメインに活動する、二組のA級パーティのリーダーが出席していた。


 この面子を見れば分かるが神山さんは滝沢氏の個人情報以外は秘匿するつもりはないらしい。


「へぇ……現役時代、エクスプローラーランクAマイナス級まで登りつめた金子さんがそこまで言うなんて。情報の内容はともかくそのルーキーは気になるね」


 発言したのは、巨大クラン“東京ソフトセイバーズ”所属のA級パーティ“セイバーズ(デルタ)”リーダーの公知清太郎だった。弱冠19歳ながら日本最大クランのNo.4チームのリーダーであり、個人ランクでも既にA級に達している俊英だ。


 公知の発言は、半ば独り言に近い物だったが、次に発言した“内閣不審建造物調査室”から出向してきている京田康介は、更に具体的な意見を提示してきた。

 

「調査室としては……T氏の証言は正直眉唾な印象が拭えん。10年前に一斉に現れた“不審建造物”が、突然新たに現れたという証言もだが、あまつさえ攻略後に完全に消滅したというのもだ。仮に証言を正しいとしても絶対に追跡調査が必要と考える。特にタワーが存在したという跡地と彼の獲得したというスキルは必須だ」


 この発言にギルドマスターの神山がキッパリと異を唱えた。


「氏の発言の真意・真贋は別として現時点で氏は、ギルドの定める憲章と規約を遵守して行動しており、その定めるところから探検者協会(ギルド)には彼の情報を公開する根拠がありません。提供された情報もその取り扱いをギルドに一任しており、ある意味では協力的ですらあります。しかも仮に氏が“世界初のタワー攻略者”であり、情報が真実であった場合、今後の我々の活動において、氏の協力は必須となるでしょう。もし性急な行動で氏と我々の関係が()()()()場合……調査室は責任を負えるので?」


「ぐっ……では探検者協会(ギルド)はこの件についてどうする予定なんだ? まさかこのまま野放しにしておくとでも?」


 このやりとりでも分かるが、ギルドと調査室の関係は必ずしも良好とは言い難い。これはタワーが現れた当初、政府関係者がタワーの情報を独占していたにも関わらず、国連とアメリカ主導で“探検者協会(ギルド)”が創設され、タワー関連の利権が外圧によって移譲された事がその遠因だ。


「それを話し合う為にこの場を設けているのです。それで、他に意見はありませんか?」


 この神山の言葉を受けて、各部門の責任者も活発に発言し出す。


「まずは件のエクスプローラーの行動をもう一度調査して、確認出来るだけでも裏付けを取るべきでは?」


「だが、言ってしまえばそのエクスプローラーはルーキーで、今回の探検(アタック)が初めてなんだろう? 望外の成果を持って帰ったとはいえそれも2ndフロアでの事だ。しかもアタックは実質半日にも満たないのだろう? 行動確認をしてもそれ程成果があるとも思えんよ」


「ほう……では、君はそれこそ半日程度のアタックでアーマーバッファローを狩る事が可能だと言うのかね? 念の為に言うが、塔内動植物調査部が認定したアーマーバッファローのモンスター等級はBマイナス、群れ(クラスター)ともなればその脅威度はAマイナスまで跳ね上がるのだぞ? そもそもフロア毎のタワー内脅威度はあくまでも目安の一つであり、実際には大きくフロア脅威度を超えるモンスターの出現は、稀ではあっても皆無ではない事くらい知ってるだろう?」


「ならば、そのエクスプローラーの処遇をどうすればいいと言うのかね? 当然、私には思いもつかない献策を披露してもらえるのだろうね?」


「そもそもエクスプローラーの行動査察と等級付与は君の部署の管轄ではないか! しかも今回の騒ぎの一端は、君の部署が認定したC級エクスプローラーが起こした犯罪行為が原因じゃないか!!」


「それこそ我々には関係ない話だろう! お前らこそ……」

 

 ― バンッ ―


 今にも会議が紛糾するというその瞬間、神山が書類を机に叩きつけた。全員の視線が集まった事を見て取ったギルドマスターは、


「皆さん……少し休憩しましょう」


 と言って会議を一端中断させた。


もし続きが気になるようでしたら……是非☆☆☆☆☆貰えたら嬉しいですm(_ _)m

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