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魔法の姫と世紀末世界のストレンジャー  作者: ウィル・テネブリス
Journey's End(たびのおわり)
366/580

4 ドーナツといえばサムズ・タウン!(1)

男の娘おほ声ASMRにがっつりムラムラしてしまった結果えっぐいエロに挑戦してみたやつとかはアルファポリスの方に置いてあります、未成年の方は(ここでこっそり見ろよとかいったら未成年に対して年齢制限違反を推奨する行為になるので)見るなよ!!!!!

 銃座で乾いた風を浴びていると外の様子が見えた。

 ブルヘッドからはもう遠く離れた北側。そこは戦前の様子が積もる場所だ。

 西にある干上がったクロラド川の向こうで、たくさんのホテルがかつての賑やかさを見せていた。

 リゾート地ですといわんばかりのカジノや遊園地といった数々の建物も、今では荒野の上で山を背にそびえるだけの廃墟だ。


『こんなところなのにホテルがいっぱいあるね、昔は賑わってたのかな?』

「いや、たぶん今も賑わってる」

『……今も?』

「街並みがきれいに残りすぎてる。お住いのテュマーがいるぞ」 

『あー……そっか、そうだよね。じゃあ無人兵器とかもいるのかな?』

「いるだろうな、あの規模だといたとしても少なさそうだけど。戦前の奴らはろくでもないものばっか残してやがるな」


 双眼鏡で覗いてみた。600m以上離れた先にえらく廃れた観光地が良く見える。

 が、しばらく確かめると川沿いを走る車を発見。

 灰色の格好をした連中も建物の屋上をねり歩いてる。あれは北部のスカベンジャーの格好だ。


「あ、スカベンジャーだ。てことはテュマー込みの廃墟か」

『今君が見ているのは壁の外で暮らしてる北部のスカベンジャーだね、そして向こうに見えるのはまさに戦前の遺物さ。テュマーもおまけについてるほうのね』

「ブルヘッドの『上』の連中ってことだな」

『北部も食料事情やらが安定してきて活発になってる証拠だろうね。世の中の変化を感じるよ』


 車の速度にそんな姿がかき消されると、代わりに足元からヌイスの声がした。

 ブルヘッド・シティの連中とは違う団体があそこに出稼ぎにきてるらしい。

 そのご苦労に幸運を祈ってやってから進行先を見た。


「こんな大自然のすぐそばでご立派な観光地作りまくるなんてな、昔の人達は何考えてたんだ。おかげでテュマーの巣窟一つ追加だ」

『よっぽど投資対象として輝かしくて開発資金が潤ってたか、後先考えてなかったか、暇だったかのどれかだろうねえ』

「それか今口にしたやつがセットでお得になってああなってるか、だな」

『昔は栄えてたと聞いたけどね、そばで南へ長く流れるクロラド川のおかげで豊かだったみたいだよ。気候変動で干上がる前は涼しさを求める人々で賑わってたとか』

「今の俺には無駄にデカい谷しか見えないところだ」

『私だってあれが全部川だったなんて信じられないよ。昔の人達はさぞ渇きに苦しんだろうねえ』


 トポックから離れてしばらく、『デイビッド・ダム・ロード』を走っていた。

 北へ向かう巨大な車の先には高くて深い山々が待ち構えてる。

 左を見れば廃れた観光地、右を見れば何もない荒野、目の前にはせいぜいこじんまりとした小さな町の廃墟ぐらいだ。


「デイビッド・ダムまではどれくらいでつくんだ?」


 俺は銃座の上でPDAを開いた。

 地図を見れば程なく進んだ先で交差点に差し掛かる。

 そこからの選択肢は二択で、北へ続く山中を通る道路を進むか、西へ続く橋を渡って少し遠回りをするかだ。


『もう少しかかるだろうね。地図は持ってるかい?』

「PDAで見てるところだ。どうも道が二つあるらしいな」

『残念ながらまっすぐ進むルートはなしだよ』


 ……ところが、北から侵入はできないらしい。

 クールな声に「なんで?」と足元を見ると。


『北東側に小さな都市があってね、それも君に好ましくなさそうな戦前の酔狂な奴らが作った中途半端な場所さ』

「俺にとって好ましくないってことはいわくつきの土地か」

『もっと嫌いにしてあげようか?』

「よし嫌いになってやる。何やりやがった」

『人間いっぱい、無人兵器いっぱい、大昔に核兵器が打ち込まれてひどい放射能汚染地域が今も元気に4マイル先まで続いてる。ずっと東側のコミュニティに大きな障壁となるほどのね』

「オーケー大嫌いだ、賢明な俺たちは西から攻めるべきだな」

『……も、盛りだくさんですね……』

『うん、正直私も昔の人間とやらにはいろいろ物申したいよ。どこに自国で核をぶっぱなす輩がいるのやら――まあ、戦前の混乱期にあってはやむを得ないものかもしれないけどね』

「核の爆発力が「仕方ない」世界なんて終わってるな」


 また戦前の連中がやらかした証拠品らしい。おそらくテュマーと暴走無人兵器と放射能のトリプルだ。

 そうなると嫌でも橋を渡って迂回か。北の様子に目を使ってると。


『イチ様ぁ、交代っすよ~』


 足元がくいくい引かれた。ロアベアからだ。

 銃座を降りると見張りの交代に来てくれたメイドがいた、首ありの。


「もう交代か、頼んだ」

「なんか面白いもの見つかったっすか」

「平和だぞ」

「何もないってことっすねえ、あひひひっ♡」


 によによした顔が登っていくのを確かめてから、俺は助手席に向かった。

 その合間でニクもついてきたみたいだ。腰を落ち着かせるとちょこんと膝に座った。


「ん……♡」


 そしていきなり頬ずりしてきた。目を細めて顔をぐりぐりしてくる。

 撫でてやるとゆったり背中を預けてご満悦だ。振った尻尾がびしびし顔に当たる。


「んへー……♡」

『ニクちゃん、なんか今日はすごく甘えてるね。何かあったの?』

「ニク君は一体どうしてしまったんだい? でれでれじゃないか」

「まあいろいろ」

「ん、ご主人がもっと好きになっただけ」

『何があったの……?』


 愛犬はいつにもなく満足だ。ぺっとり頬同士がぶつかった。

 リラックスしたわん娘を膝に車の行く先を見守ってると、ずっと遠くにあった小さな町の形が近づいてきた。


「――おにショタか、そういうのもいいよね。嫌いじゃないよ私は」

「なんだって?」

『なんの話ですか……?』

「でもやっぱり私はシューちゃんがいい、彼こそが受けなんだ」

『なんの話ですか!?』


 なんだか感心した目を隣から向けられた気がするが、よしとしよう。

 そのまま特に何もなくと思ったところで。


【信号を受信しました……】


 視界にそんな文字が浮かんだ。いや、それより早くヌイスが車内の機器に目をつけていて。


「おや、無線がきてるね。シド・レンジャーズからだ」


 積まれてた車内無線機に手を伸ばしていた。

 少しあれこれいじると、こっちにヘッドセットを渡してくる。


「シド・レンジャーズから?」

「たぶん君あてだろうね、発信源は北部のベースだ」


 北部部隊の連中からか。

 俺たちに向けてるってことは何か御用らしい、耳にかけて話す準備を終えると。


『こちらキャンプ・キーロウ。聞こえるか、ストレンジャー』


 久々に感じる声が届いた――シド将軍だった。

 聞き間違えかと思ったが間違いない。あの人の声がはっきりと伝わってる。


「シド将軍? まさかあんたか?」

『私だよ、久しぶりだな。元気そうな声を聞けて何よりだ』

「待て、なんでキャンプ・キーロウに?」

『北部で面白いことがあったそうだな。まあその視察だ、ブルヘッドで暴れたらしいな?』


 驚いた、シド将軍が北まで来たのか。

 あの数々のコミュニティを抜けてブルヘッドの手前まで来たのかと思うと、よほど大事な用事があるんだろうか?


「正確には道中でいろいろ盛りだくさん」

『もちろん聞いたさ。道中の小さな町から君の話は続いている、まったく信じがたい話だ』

「呆れてるようで何より。ボスは元気か?」

『ジニーは元気だ、彼女のおかげで西は平和なものだ。スピネルとか言うドワーフにも助かっているよ、彼の技術には驚くものだ」

「そうか。俺だってどこぞの少佐殿が社長殿だった件で十分驚いてたけどな」

『デュオ少佐が世話になったようだな、ありがとうストレンジャー上等兵』

「どういたしまして。どうだ、北部の様子は」


 シド将軍の声はいつにもなく柔らかい。

 心に余裕がある話し方だ、それだけ南は安定して、それもボスも相変わらずな証でもある。

 俺は肩の短剣と「元気にやってるんだな」と安心して。


『――それがよ、聞いてくれよストレンジャー! うちにとうとうニシズミ社のウォーカーが来ちまったんだ!』


 ……タロン上等兵の興奮ボイスが混ざってしまった。


『おい、将軍に無礼なやつがいるが北部部隊のマナーはどうなってやがる』

『ったく、お前はもう少しわきまえろタロン。よお聞こえてるかストレンジャー、少しお祝いの言葉が遅れたが昇格おめでとう』

「あんたらもいたのか、ルキウス軍曹、イェーガー軍曹」

『そうじゃなきゃここまで連れてこれねえからな。聞いたぞ、擲弾兵になったそうだな』

『あいつらもすっかり南で元気だぜ、スティングと良く交流してくれてるんだぞ』


 シエラ部隊の二人の声もした。二人の軍曹が近くにいるらしい。


『擲弾兵の上等兵か、俺たちでいやどれくらいの階級なんだろうな? まあ俺からもおめでとうだ、お礼はトヴィンキーでいいぜ?』

『祝いの言葉を茶化すのはやめなさい、カーペンター。それと私からもおめでとうよ、そのまま頑張れば私たちなんてすぐ追い越せるんじゃない?』

「カーペンター伍長、ノーチス伍長、久しぶり。ご覧の通りお騒がせしてきたぞ」

『ウォーカーで大暴れしたやつがいるって聞いてまさかと思ったが案の定テメーかよ。まあこれでブルヘッドとかかわりが持てたから俺たちに良い働きになったぜ?』

『シド・レンジャーズが介入するきっかけができたから北部での活動がしやすくなったのよ、あなたのおかげでね。礼を言うわストレンジャー』


 伍長たちもだ。精鋭部隊に守られながら連れてこられたのか。

 しかしどんな状況なんだろう、今。シド将軍の周りは屈強なレンジャーでごった返してそうだ。


『おいお前たち、話したい気持ちは分かるがシド将軍の会話に割り込むな。なんだと思ってるんだ』

『はっはっは、いいんだよマガフ。私は気にしていないぞ、円満なコミュニケーションが取れてるのは我々が健やかな証拠さ』

『お前の活躍で北部部隊の地位も上がったものだぞ暴れん坊め。こうしてブルヘッドと円満な関係を結びつつあるからな』

『デュオ社長の開拓にも手を貸す契約になったわ。これから忙しくなりそうね』


 キャンプ・キーロウのお偉いさんからダネル少尉、アクイロ准尉までみんないるようだ。

 騒がしい無線だな、とヌイスと顔を見合わせた。


『ストレンジャー上等兵。君がブルヘッドでラーベ社と対峙した結果、奴らの悪行の数々が明るみに出た。その中にはシド・レンジャーズに対して明確な悪意を向けたものも確認された、これで企業ありきの世界に堂々と介入できる口実ができたのだから感謝しているぞ』

「あいつらのやらかしを表舞台に引きずり出してくれたのはもちろんアイツだよな?」

『その通り、デュオ少佐がうまくやってくれたぞ』

「60000チップの件もか?」

『あいつめ、会議中に君の賞金首を突き付けて啖呵を切ったそうだ。もう君の首は自由だぞ、安心してくれ』

「マジでやってくれたか、流石デュオ」

『ついでにニシズミ社から支援の申し出が回ってきてな、北部部隊に彼らの製品が供与されることになった』

「ニシズミ社から?」

『お礼、だそうだ。まったく君は何をやったのやら』


 シド将軍は笑っていた。

 お騒がせしてしまったのは確かだが、こうしてシド将軍が喜ぶ結果になったそうだな。


『それがよ、すげーんだ。ウォーカーが二機だぜ?』


 するとまたタロン上等兵が混ざった、背後からは茶化す声が聞こえる。


「鉄鬼か?」

『いやギュウキだ、でも荒地じゃ戦車よりも使いやすいぜありゃ。それに威圧感もある。カフカ乗った時のこと覚えてっか? あれとあんま変わんねえ乗り心地よ、マジ最高』

「楽しんでるようで何より。そのままウォーカー乗りにでもなったらどうだ?」

『いいねえ、シド・レンジャーズ初のパイロットってか? てことでどうです将軍? これを機にウォーカー部隊とか作りません?』


 ニシズミ社の奴らはよっぽどご機嫌らしい、タロン上等兵だって子供みたいにはしゃいでる。

 「まったく」と困ったような将軍の声が少し続くと。


『ストレンジャー上等兵、君の哨戒任務はまだまだ続くだろうが気を緩ませないように。君が離れてもウェイストランドの平和は我々やその同志たちが守るとここに誓おう、ありがとう』


 どっしりとしたいい声でお礼を言われてしまった。

 少し寂しそうなものもあるけれども、なんとなくシド将軍の笑顔が思い浮かぶ。


「俺の方こそありがとう、シド将軍。あんたらシド・レンジャーズには死ぬほど世話になったよ」

『お互い助け合えて光栄さ。そうだ、ジニーに「言ったら殺す」と言われた内容があるが興味はないか?』

「二人で共犯になりたい気分だ」

『なら私も殺されようか。彼女は君がいなくなって寂しいと言っていたよ、イージスもな』

「……そうか」

『……ふふっ、おばあちゃんも寂しかったんですね』


 ボス、寂しかったんだな。

 もう第二の故郷であるニルソンは山に隠れて見えないけども、その向こうであの人は今日も生きてるんだ。

 俺もうまく生きよう。俺が強く生きれば、少しでもあの人の寂しさを削げるはずだ。


「今日も適当に強くやってます、って伝えといてくれ」

『分かった。よく伝えておこう』

『あの、わたしからもお願いします。元の姿に戻ったら、あっちの世界でもプレッパーズとして強くやっていきますって』

「ん、ぼくからも。おばあちゃんの名に恥じないようにがんばる」


 俺たち三人はそれぞれ言いたいことを伝えた。

 シド将軍は「ふっ」とくすぐったさそうに笑った気がした。


『彼女もだが、私もお前のような律儀な男が好きだ。どうか自分を大切に、そしてあわよくば困った者に気さくに手を貸すストレンジャーとして生きてくれ。健闘を祈る』

「ああ、もちろんだ」

『それから、ホームガードの将軍から君に伝言があるんだが』

「ホームガードから?」

『もし余裕があるなら『ファクトリー』に寄って欲しい。彼の母親が君にお礼を言いたいそうだ』

「そういえば前にベーカー将軍の母さんがいるって聞いたな」

『そうだ。彼女に君の活躍が届いてるようでな、自慢の息子が世話になったと感激しているぞ』

「オーケー、あなたの自慢の息子さんにお世話になりましたって言っとくか」

『それがいい。では引き続き任務に取り掛かってくれ、以上』

「了解、将軍。引き続き哨戒任務を続けます」


 無線はそこで終わった。今まで耳にした『ファクトリー』に行ってみることにした。

 俺たちの背中ではシド・レンジャーズがこのウェイストランドを守ってる、もう心配しないで進めって知らせなんだろうな。

 寂しいさ。でも、こうして背中を押されたなら行くしかない。


「君にもいっぱい戦友ができたみたいだね。賑やかなものだよ」


 ヘッドセットを戻すと、ヌイスが隣で静かに笑ってた。


「羨ましいだろ?」

「ああ、羨ましいさ。やっぱり君はもう立派な『イチ』君なんだろうね」

「アバタールが支えてくれたからな。これからはイチとして頑張るさ」


 俺はラジオをちょっとだけいじった。

 エルドリーチの放送に合わさった。軽いノリの曲が流れ始める。


『イチ様ぁ、右見てくださいっす、右』

「どうした、変なものでも見たか」

『あたらずともなんとやらっす~』


 わん娘と旅路を眺めてると、今度は頭上からロアベアの声がした。

 あいつのことだからくだらないものでもいたんだろうかと思えば。


「……ん? なんだあれ?」


 ぼんやりと顔を右に向けたところ、東の様子が目に入る。

 荒れ果てた土地があるはずだったが、今そこにあるのは違うものだ。

 金色の穂だった。草の緑とも違う綺麗でふんわりしたそれが、小高い丘の上でどこまでもどこまでも広く続いている。


『……あれ、小麦じゃないかな?』

「おいおい……私は何を見せられてるんだい、なんで小麦畑があんなに広がってるんだ」

「小麦? じゃあなんだ、あれ全部そうなのか?」

『すごい面積っすよあれ、フランメリアの作物なんすかねやっぱり』


 ミコとヌイスも気づいたようで、しかも正体まで届いていた。

 小麦だ。言われてみればニルソンやブラックガンズで見たのとそっくりだ。

 しかし規模が違う。廃墟混じりの大地に文字通り『小麦畑』が覆い尽くすというとてつもない光景で。


「イっちゃん! 小麦がこんなにもいっぱいですわ!」


 食事に敏いリム様が後ろからぽてぽてやってきた、感動してる。


「あれやっぱりフランメリアのやつか?」

「ええ、違いありません! 農業都市で栽培されてる品種なのです!」

「誰かさんが向こうの土地引っ張って来ちゃったとか言わない?」

「いいえ、そうではないようですわね。だって廃墟の上に畑ができてますから!」


 最初目にして心配したのが『よそ様の畑奪いました』という案件だが、リム様も得意げな顔からしてそうでもないらしい。

 言われてみれば戦前の遺物の上に重なってるんだ。何かと引き換えになった形跡はない。


『……ってことは、誰かが植えたのかな?』


 そんな小麦畑を誰が作ったのか、とミコは疑問に思ってるらしい。

 しかし正体はすぐ分かった。その景色に人とトラクターの姿が確かにある。

 間違いなくその大規模な畑を管理する誰かがいるという証拠だ。


「ああ、ちょうどそれが判明しそうなものが見えてきてるよ。見てごらん」


 延々なる小麦畑の金色を見ていれば、今度はヌイスが促してきた。

 視線を戻せばそこは小さな町、それも廃墟じゃなく活気のある様子があって。


【ドーナツといえばサムズ・タウン!】


 最近書かれたような看板が、作り物の巨大なドーナツの飾りに力負けしながら主張していたのだ。

 通りを挟むように作られた建物や屋台が、道行く人の関心を引こうと待ち構えていた。


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