出来る事、出来ない事
「ルイーゼ様、おはようございます」
ミッシェルが部屋に入ってきた、しかし今日の私は調子が悪かった。
目が覚めたら酷い頭痛がするし体が凄く重い。
「お、おはよう……」
「あ、調子が悪いみたいですね。 今日はこのまま寝て過ごしましょう。 お食事は体に良い野菜スープをお持ちしますね」
「ありがとう……、迷惑かけちゃうわね……」
「とんでもない! ルイーゼ様は今まで頑張ってきたんですから今は休養期間なんですよ。 ですから思う存分休んでください」
ミッシェルにそう言われてちょっとだけ心が軽くなった様な気がする。
それでも体は重く1日ベッドの住人になった。
翌日は嘘みたいに気分が良い。
「ルイーゼ様、言われた通りに日記帳を買ってきました」
「ありがとう」
ミッシェルから日記帳を受け取り今日の気分を書いていく。
別に1ページまるごと書くわけでは無いし1行だけでも書けばいい。
「今日は良い天気ね」
「そうですね、外に散歩でも行きますか?」
「……まだそんな気分ではないわ」
外に出る恐怖がある、今は家族や心を許せる人達がいるからいいけど、他人の視線とかが怖い。
「無理はなさらなくて良いんですよ」
「それでも、このままだと何も出来なくなってしまう様な気がして……」
「良いと思いますよ」
「え?」
「出来ない事は出来なくて良いじゃないですか。 それよりも今出来る事を探せばよろしいのではないか、と思いますよ」
「今出来る事……」
「あっ、すいません! 一人前に意見を言ってしまって……」
「良いのよ、貴女の言う事も一理あるから」
自分でも不思議に思うがミッシェルの意見は自然と受け入れる事が出来る。
以前は他人の意見を聞く余裕なんて無くてなんでも自分で決めていた。
(もしかしたら変わってきているのかしら?)




