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攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─  作者: てんたくろー
第三部後日談編

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1857/1892

俺達の文化祭はこれからだ!!※エピソードとしてはここで一区切りです

 そこからバスに乗ってつつがなく東クォーツ高校に到着、いつもの通りに教室まで辿り着く。

 昨日は文化祭一日目でかつ、演劇本番直前ということもあって緊張した空気が流れていたものの。今日はすべてやりきったということで、すっかり弛緩した、だらけた空気が漂っているね。

 

「文化祭の打ち上げ、そろそろ考えよっか〜」

「そだね〜、また焼肉とか行きたいよね〜」

「それな〜」

 

 などと、関口くんがいつもつるんでいるリア充陽キャグループのみなさんも机に突っ伏しつつ、半分寝てるみたいな脱力加減でもうすでに終わったあとのことを話しているほどだ。

 彼ら以外にも教室に来ているクラスメイトも大半、同じような感じで疲れとも怠けともつかないオーラでゆるゆるしている。


 なんてこったこれが後の祭り……なまじ演劇にみんな、事前準備まで含めて全力だったもんだからことが終わってしまえば軽く燃え尽きちゃってる。

 まあ、もう今日なんて完全にやることフリーだから良いんだけどね別に。かく言う俺だって解放感みなぎるというか、特に何も予定ないからどーすっべかなーって呑気に考えながらの登校だったもの。

 たまにはこういう日もあっていいよね。

 

「おはよー公平くん。昨日はおつかれさま!」

「来たな山形、おはようさん」

「あ、おはよう梨沙さん、関口くんも。昨日は二人こそお疲れ様ー」

 

 自分の机に荷物を置いて、席についてほんのり気怠さを覚えていると不意に声がかけられた。

 昨日、それこそ誰よりも頑張ってたはずの二人……梨沙さんと関口くんが、だのにいつもと変わらず元気な様子で挨拶してきてくれたのだ。


 当然、それに応じつつもちょっぴり首を傾げる。俺や裏方のみんなでこれなんだし、実際に本番の大舞台でみごとに仕事をやり遂げたお二人さんが、どうしたことか元気とはこれいかに?

 尋ねてみると梨沙さんは面白げに笑い、関口くんは苦笑いして答えてくれた。

 

「あはは! だよねー、さっきも女子グループで話ししてたけど、みんな全然元気なくて。でも私はそんなに気持ち的にそういうのはないかも。関口くんは?」

「俺もないかな。いつも話してるみんなはもう、終わったあとの打ち上げの話までしてるけど……なんだかんだまだあと一日、文化祭はあるからね。もうやることがないからこそ、解放感でいろんなところを見て回りたい気にはなってるのかも」

「ほへー。関口くん元気だねえ」

「お前も大概、ゆるゆるしてるなあ」

 

 垂れ山形くんと化しつつある俺ちゃんと、そこにつんつんつついてくる梨沙さんを見て笑う関口くん。

 元気だわ、この二人。梨沙さんは割とフラットというか、普段からギャルギャルしてるけど内面は相当大人びてるからこその落ち着きなんだってのは分かるけど。

 関口くんの場合は、それこそ演劇が終わったからこその元気さのようだ。テンション高めだもんね、なんか。

 

 そうして話しているとそのうちにチャイムが鳴った、一応こんな日でもホームルーム自体はあって、さやかちゃん先生がやって来てあれこれ連絡事項を話し始める。

 なんならこの時でも半数以上の生徒達はあんまりやる気がなさそうでダルダルしている。俺もちょっぴりダルダルだ、みんなを見てたらなんか俺も力抜いてもいいかなーってなったの。

 

「みなさん、すっかり燃え尽きモードですねえ……かく言う先生も昨日の今日ですし、なんなら文化祭でそんなにやることもないですし、ちょっぴり脱力してますよ。体育の中山先生に苦笑いされたり、英語の磯田先生に叱られたりしちゃいました〜」

「えぇ……?」

「そ、そう……」

 

 いつもの数割増しでふにゃふにゃな笑顔を浮かべてそう言うさやかちゃん先生に、クラスのあちこちから若干の戸惑いとかドン引きの声が漏れる。

 そうだね、修羅場だったね本人は気づいてなさそうだけど。さやかちゃん先生が好きらしい体育の中山先生と、そんな中山先生が好きでさやかちゃん先生に嫉妬しているそうな磯田先生と。

 まさかの文化祭にて起きている三角関係に聞いてる俺ちゃんも震えが止まらないぜ。

 

 たぶん、さやかちゃん先生視点だとなんでもない光景だったんだろうけど中山先生と磯田先生的にはどういう空気だったんだろうね、そのやり取り。

 ゴシップ好きな年頃のクラスメイト達ゆえ、今の話を聞いてちょっぴり寝ぼけ眼も目が開けたみたいだ。興味津々な様子になるけどそれは華麗にスルーして、さやかちゃん先生はやはり注意事項をいくらか説明してホームルームを終えた。

 

 ここからは自由行動だ。好きに文化祭のあちこち行って良いし、催し物もいろいろあるからね。

 体育館では合唱コンクールとかもやるそうだし、そっちに顔を出してみてもいいかも。結構好きなんだよね、ああいう合唱。

 

「合唱かあ、俺も暇だし行ってみるかなー。えーっとみんなはどうするんだ?」

「私は公平くんと一緒かな。合唱は気になってたし」

「じゃあ山形くんと梨沙、松田と私は合唱だね。えーっと真知子は片岡くんと?」

「んー、うん! 模擬店全店全品チャレンジ、二周目!」

「と、その付き添いかな。14時になったらみんなと合流してショッピングモールに行くのも忘れていないよ」

 

 ホームルーム終了後、いつものメンツで集まって今日の予定をやり取りする。俺や松田くん、梨沙さん、木下さんは四人で行動することになりそうだけど、遠野さんは片岡くんとともに粉モン祭り開催するみたいだ。二周目!?

 そして14時になったら合流してショッピングモールへ、と。そこでもアレコレ食べるんだろうなあ、この人……

 

 どうあれ、文化祭二日目は始まったばかりだ。

 のんびりと気楽に、気軽に。俺達はこうしてこの日一日を、楽しく過ごしていくのであった。

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― 新着の感想 ―
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