Save80 めっちゃ弱そうなんだけど
敵地に突っ込んだミカエルは、敵が隠れている家屋から敵を出そうと頑張ってみた。
まず魔力を使っての通信をしてみたが、プレイヤーにそんなことができるはずもないので断念。
ならば眩しくしてやろうとセルフで後光が差すようにしてみた。するとどうだろう。一人だけだが外に出てきたではないか。ここでミカエルは調子に乗った。本当は防御に使うべき翼を、全て広げてしまった。さらに後光の光量も増やしてみた!
結果。MPが無くなりそうになった。自然回復はするが、それはかなり時間をとってしまう。
結論。失敗した。調子に乗りすぎた。
考察。これからどうすれば良い。
観察。逃げられない。プライド的に。
結論。どうにか乗り切る!
と、言うことでミカエルさんもっと頑張る。
「我は主に使える僕の1人、熾天使ミカエルである。皆のものに、宣戦布告しに来た」
ミカエルさんは普段使わない口調まで使いだした! そろそろMPが切れそうで冷や汗掻きまくりのミカエルさん。
「これは挨拶代わりだ」
ミカエルさんさらに頑張って魔法まで使おうとしちゃう。本当にMPヤバいのに。
「──【炎滅】」
ミカエルさん【炎滅】使って家屋が壊れたのを確認したら空気の壁を突き破って去っていく!
「な、なんだ、あれ。しかも最後の方意味不明だし」
残された【ゴットギャラクシー】のプレイヤー達は、ぽかんと口を開け、今あった出来事を上手く呑み込めずにいた。
あの場所から離れたミカエルは、そこから少し離れた空を滑空していた。そう、滑空だ。
「MP、が、切れた……」
どうやら完全に使い切った様子。もう飛ぶ力も残っていない。
「どこかに隠れて回復するか」
ミカエルはそう呟くと真下の家屋に突っ込んだ。……ブレーキをかけられなかったらしい。
安全そうなところに避難した俺達は、まず計画を立てた。簡単なものだけど。
「俺がぶらぶら移動して見つけ次第倒す。ミライはカオリと一緒に行動。カオリはミライに相手を近づけさせない事。相手が魔法を使うのならミライに任せろ。サクラはアンラとだ。こっちも大体同じように。ブルーとレッドは……相手に生産職が居たら参戦してくれ。それまではここで待機か俺と一緒に来るか」
チーム分けをして、俺達は家屋から出た。ブルーとレッドは隠れているらしい。
俺の装備は、オリハルコンの片手剣を二振り、純白翼のコート、天翔ける天の靴くらいが特筆するものだろう。
靴はその名の通り、空を飛べる。何故効果が被るのにこの装備にしたかと言うと、空を飛べるだけでなくMP消費で空中ジャンプ──二段ジャンプ──ができるからだ。
回数は無制限、MPが続く限り持続する。
と、装備の説明はここらへんで。武器は変わるかもしれないからその時はしっかり言うよ。
「さてっと。──【探査】【昇華】」
近くにあった家屋の屋根に乗り、魔法を使いこのフィールドにいる全プレイヤーの位置を特定する。
すると、一ヶ所に集まっているところを見つけた。恐らくそこがカムイ達のいるところだろう。
俺がこのまま行ってもいいが、それだと面白みに欠ける。
ならばどうするか? 簡単だ。分散するまで待てばいい。
ミライとカオリペアは、俺とは真逆の方に進んでいる。サクラとアンラペアはあまり動いていないように思う。
それから数分後、やっとカムイ達が動き出した。全体で約30人。それが5人程に分かれて行動している。さて、やっと動けるのか。
俺は屋根から飛び降りて、分かれたうちの一つのグループに接近していった。
俺が最初に遭遇したチームは、そこまで強そうじゃなかった。職は剣豪と騎士と細剣士。それと魔術師に癒術師か? まぁ、オーソドックスなチーム編成だ。
なんで職がわかるか? それは名前の隣にアイコンがあって、そのアイコンでどんな職業なのかがわかる。今は二つしか表示されていない。
この表示は設定の方から表示、非表示を選べる。俺の場合は通常非表示に設定している。
接触まであと数十メートル。俺は【探査】のお陰でマップに映っているが、相手は【探査】も【気配探知】も持っていないらしく、接近する俺に気付く様子もない。
接触まであと、5メートル。ここでようやく俺がマップに表示されたらしい。相手は臨戦態勢を取っている。まぁ、気付かれたのはわざとなんだけどな。
俺が【気配遮断】を使うと、それ以上の【気配探知】がないとマップに表示されないから。それじゃつまらないでしょ?
魔法に【透明化】というのがあるけど、これは一定時間姿を消せる。勿論目視できない。その代わり空間属性魔法だからものすごい量のMPを消費する。
こんなことを考えているうちに対面したようだ。装備は見るからに駆け出しって感じで、全然強そうに見えない。一応、剣や盾はそれなりのものそうだからお金を全てそれにつぎ込んでるのかもしれない。
対して俺はさっき言ったように背中に交差させるように剣を背負っているだけでコートと靴しか装備していない。これを見て相手ならばどう思うか? きっとこう思うはずだ。
──『何アイツ。めっちゃ弱そうなんだけど』
と。だがそれは間違いだ。
何故なら、俺が着ている装備は★10。当然初期装備よりも断然防御力が高いのだ。さらに俺にはHP自動回復がある。さぁ、この事実を相手に伝えたらどんな顔をするのだろう。
ま、しないけど。自分から手の内を教えるのは馬鹿のすることだ。俺は終始無言で対決する。




