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51.嫉妬

ようやく怪我をした足も完治し、学校へ投稿することができるようになった。

久しぶりの学校で少し緊張していたが、友達が温かく迎えてくれたのでホッとした。


授業もあいちゃんが私のためにノートを作成してくれたおかげで勉強も遅れずに済んだ。


午後の授業も終わりさやちゃんの部活が終わるまで教室で待つことになっていた。

私とあいちゃんが教室から出ないのを藤原さんたちが疑問に思って理由を訊ねてきた。


「隣のクラスの西園寺さんの部活動が終わるのを待っているんです。一緒に家に帰るので」

「そうなんだ。仲良しなんだね」

「はい。お友達です。ご近所さんですし」

「へ~。そうなんだね。それじゃ、私は帰るね~。また明日」

「はい。また明日」


藤原さんが教室から出ると本城さんと安西さん、それと小鳥遊さん達がそのあとについていくように出て行った。

教室にいるのは私とあいちゃんだけになった。


教室で二人きりになるのも久しぶりだなと思った。

あいちゃんは相変わらず私にべったりくっついて離れないでいた。


暫く沈黙が続いていたがあいちゃんが私に話があると言いだした。


「私って結構嫌な女なんだよ、めぐちゃん」

「え…?どういう意味」

「めぐちゃんが学校休んでた時、私沙也加が部活あっても一人で帰ってたんだ。沙也加を待ってても意味ないし…」

「そうだったんだ…」

「うん。まぁ、沙也加も私の気持ち分かってるから何も言わないけどね。本当に私って嫌な子だなって思っちゃう」


あいちゃんとさやちゃんは私の事に対する思いがある。

あいちゃんは私と付き合ってほしいと告白され、私はそれを了承した相手だ。

一方さやちゃんは、小学4年の時のクラスメイトだったが、高校で再開するまで一度も会話をしたことがなかった。

だけど私とお友達になりたいと申し出があって、私はそれを了承した相手。


さやちゃんも私に告白をしてくれたのだが、私はその告白をお断りした。


私は二人に仲良く友達関係を築いてほしいと願っているが、本人たちはそうは思っていないようだった。

私は俯いていたあいちゃんの頭をそっと撫でた。


「あいちゃんは悪くない、と思う。さやちゃんも分かってるはず。あいちゃんは私にだけ優しいし、甘えんぼだし、ちょっとえっちだもんね」

「有難うね。優しいと甘えんぼまではいいけど、えっちってのはどうなのかな」

「私はあいちゃんの色々な内面が見られて楽しいよ」

「でも我儘だし、独占欲強い…」

「そういうあいちゃんが好きって人が居ると思う」

「…それってめぐちゃんってこと?」

「うん、そうなる、かな」

「ふふふ。嬉しい。ずっと私ばっか好意を押し付けてたと思ってたけど、今はめぐちゃんも私に好意を持って接してくれてるって分かるよ」

「ははは。私って分かりにくいよね。あんまりそういうの話したことないし、私から他人に求めることもしてこなかったから。苦手になっちゃってるんだ、多分」

「めぐちゃんは誰にでも優しいよ。皆めぐちゃんの事好きになっちゃうかもって思うと心が苦しくなっちゃうんだ。私ってダメだね」

「大丈夫だよ。あいちゃんだけだから」

「沙也加は?何かあったんでしょ?」


あいちゃんの声色が突然低い声に変わった。

さやちゃんの事どこまで知っているのか。


もしかしたらさやちゃんがあいちゃんにしゃべった?


背筋がス~っと冷気が通ったかのような肌寒さを感じた。


「さやちゃんの事はちゃんとお断りしたよ。あいちゃんがいるからって」

「でも、沙也加と何かしたんじゃない?私に隠し事してるんでしょ?」


す、鋭い…。

さやちゃんに足を触らせてあげたと言ったら怒るだろうな…。

私ってなんであの時了承しちゃったんだろう。

お見舞いに来てくれたのが嬉しくてつい心を許してしまったから?

それとも、私はさやちゃんのことが…。


頭の中で色んな事が思い起こされていくのが分かった。


「さやちゃんがね、お見舞いに来てくれた日にね…私の足を触りたいってお願いされて……」

「…それで?どうしたの?」

「それでね、いいよって……」

「めぐちゃんの足を触ったんだ…沙也加」

「う、うん。でも、ちょっとだけだよ。さらっと、ね」

「でも触ったんだ…めぐちゃんの綺麗な足を…」

「ごめんね。私もどうかしてた。さやちゃんにお願いされて気を許してしまったかもしれない」

「…それ以外は何もない?」

「ないよ。それだけ」

「まぁ、足だけなら我慢できるかも…。でも許せない気持ちもある」

「ごめんね。ちゃんとガードすべきだった。反省します…」

「そうだね。めぐちゃんガード弱すぎ。もっと自分を大事にして欲しい。もし私がめぐちゃん以外の人に身体触ったらどう思う?」


あいちゃんの質問に私は何も思わなかった。

あいちゃんがいいって言ってるわけだし、それなら私がどうこう言うべきではないんじゃないかと思ってしまった。


「…嫌、かな」

「でしょ。だからダメだよ。友達同士のハグまではいいけど…。あ、同性に限る、けど。あ、あと沙也加に足触ったって聞いてたから。もしめぐちゃんが今日白状しなかったらもっと怒ってたかも。めぐちゃんは正直だから好き。だから許すんだよ、私」


同性の友達同士のハグはいいんだ…。

あいちゃんの許容範囲を把握するのが難しいな。

やっぱり事前にさやちゃんから聞いてたんだ…。

正直に言っておいて正解…だった、かも?

隠し事ってやっぱりやらないほうがいい、そう思った。


「私も足触っていい?」

「え…?ここで?」

「もうすぐ沙也加きちゃうから、私の部屋とか?」

「あぁ~、う、うん。分かった。いいよ」

「やったっ。めぐちゃん好き~!」

「私もあいちゃん好き」


私とあいちゃんはお互いぎゅっと力を入れてハグをした。

あいちゃんのシャンプーのいい香りが鼻をくすぐった。

そのあとお互い軽くキスを交わしさやちゃんが教室に来るまで次のデートの計画や、あいちゃんの家にいつ行くかの話をした。


楽しく話をしているとさやちゃんが教室に戻ってきた。

待っている私たちに花壇で育てたお花を一輪ずつ渡してくれた。

いつも待っていてくれているお礼とのことだった。

綺麗に咲いているお花を手に持ち、私たちは教室を後にした。

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