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35.夏に向けての準備

今日は私の浴衣を新調しにショッピングをする日。

日差しが強く外は猛暑となっていた。

私と西園寺さんは一緒に駅前の噴水広場であいちゃんの到着を待っていた。

暑さ対策として水分と日傘をさしていた。


「今日は一段と暑い日ね…。もう汗が止まらないわ」

「本当に…。流石に暑いですね」

「九条さん少し遅くない?大丈夫かしら」

「そうですね。もうすぐ待ち合わせ時刻になりますけど。何かあったんでしょうか」

「連絡とってみたらどうかしら」

「わかりました」


西園寺さんの勧めであいちゃんの携帯に連絡することになった。

メッセージを送ってみても既読にならない。

何かあったのかと思い、電話をかけてみることにした。

電話のコール音はなっているが、電話に出てくれない。

何度か掛け直してみたものの本人からの折り返し電話も無かった。

時刻は予定より20分経過していた。


「ちょっと大丈夫なのかしら。何処かで倒れてたりしてない?」

「それはないと思いたいです。もう一度掛けてみます」

「ええ。そうしたほうがいいわ」


再度電話を掛けてみると今度はコール音二回で通信することが出来た。


「もしもし、あいちゃん?今どこ?」

「…ごめん。めぐちゃん。今改札出たところ。凄い人で遅くなってごめんね」

「大丈夫。ゆっくりでいいからね。待ってるね」

「うん。ごめんね」


彼女の無事を確認することが出来た。

西園寺さんもほっとした表情で苦笑いしていた。

電話を切手数分後彼女が待ち合わせ場所に到着した。


「遅くなってごめん。少し家を出るのが遅くなって。電話貰ってたの気が付かなくて」

「ううん。それより体調不良なのかと心配だったよ。何事もなくてよかった」

「うん。西園寺さんもごめんね」

「大丈夫よ。それじゃ、行きましょうか」

「そうですね」

「うん」


無事三人が合流した為目的地のデパートへ向かった。

待ち合わせ場所からすぐのところにあるデパートに入ると室内クーラーの涼しい風が気持ちよく感じた。

3階にある売り場に到着すると早速浴衣選びが始まった。


「どれが似合うかしら。色とか柄とか好きなのありそう?」

「そうですね。これなんかどうでしょうか?」

「いいわね。素敵な水色で蝶々の柄も素敵だわ」

「うん。私もめぐちゃんに似合うと思う」

「それじゃ、これにしようかな」

「すぐ決まったね。私も買っちゃおうかなぁ」

「九条さんも?私も見てたら欲しくなっちゃったわ」

「西園寺さんもなのね。ふふふ。一緒の考えだね」


二人は笑顔で浴衣を選んでいた。

私はすぐに会計を済ませ二人のいるところに戻ると、二人は仲良く展示してある浴衣を吟味していた。

とても仲良さそうな感じで私もなんだが嬉しくなっていた。


「これいいんじゃない?九条さんに似合いそうよ」

「ホント!?紫色、いいね。柄も綺麗」

「私はこのクリーム色の浴衣が気に入ったわ」

「素敵な色だね。西園寺さん似合うよ、この浴衣」


二人の会話に入っていくことが出来なかった私は二人の傍でじっと待っていた。

そんな私に気が付いたあいちゃんが私に浴衣の感想を求めてきた。


「いいと思う。似合うよ。綺麗だね」

「じゃぁ、これにしようかな」

「私のはどうかしら?鷹司さん」

「似合うと思います。二人とも綺麗ですよ」


二人は笑みを浮かべて私にお礼を言ってレジへ向かった。

私も二人についていった。

目的の買い物が思ったより早く終わってしまったためこの後どうすかという事になった。

私はカフェで休憩しない、と二人に提案すると二人はそれを快く了承してくれた。


4階のオープンカフェで各々飲み物を注文して席に座った。

まだお昼時じゃないからか、人の姿が疎らだった。


「この後どうしよっか」

「そうねぇ。どこか行きたいとことかある?」

「私は特に無いですが…。お二人は?」

「私も特にないなぁ~。西園寺さんは?」

「私は……そうね…水着見に行こうかしら」


そういえば私も避暑地で使う水着を新調していなかったを思い出した。

お母様にも毎年同じ水着ではなく新しいのを買いなさいと言われていたのだ。

西園寺さんも避暑地で必要なのかな。


「私も水着見に行きます。ご一緒してもいいですか?」

「ええ。勿論」

「じゃ、私も行く」

「決まりね。これ飲んだら行きましょう」


私たちは注文したドリンクを飲み干すと5階にある水着売り場へ向かった。

夏休みで水着売り場は人が沢山いた。

一旦各々で自分の水着を選んで試着室前に集合することになった。

私はいつものワンピースの水着を手に取って試着室前に向かった。


「西園寺さん。早いですね」


西園寺さんが私より早く試着室前で待っていたので声を掛けた。

すると彼女は黙ったまま私の腕を掴むと試着室へ強引に引き入れた。

ビックリした私はカーテンを閉める彼女の顔を凝視した。


「どうして…?」

「二人きりになりたくて」

「でも、ここ試着室…見つかったら大変ですよ」

「大丈夫。女同士だし。黙っていれば平気よ。鷹司さんはどんなの選んだの?」

「ええっと、これ、です」

「白のワンピね。可愛いじゃない。早速着てみましょうよ」

「えぇぇ!ここで、ですか?」

「ええ、勿論。ここ試着室だから」


ちょっと待ってくれたまえ!

ここで着替えるってことは裸見られるってことですよね!?

すごく恥ずかしいんですけど。

西園寺さん、熱さで頭やられちゃった感じですか??


同様している私にお構いなく彼女は上着を脱ぎ始めた。

白い肌があらわになり、ブラジャーを取って持っていたビキニの水着を試着し始めた。

意外にも彼女の胸が大きくて目に入ってしまった。

着やせするタイプなのだろうか。


「恥ずかしいですよ…」

「同じ女同士じゃない。平気よ。さぁ、鷹司さんも着替えて」


スカートを脱ぎながらそう言って私に着替えを促す彼女。

こうなってしまったのなら仕方がない。

私は腹を括った。


ワンピースを脱いで簡単に折りたたんで籠に入れるとブラジャーを取った。

あらわになったおっぱいを腕で隠しながら試着する水着を着始めた。


「綺麗な胸の形ね。羨ましいわ」

「ちょっと…あまり見ないでください」

「御免なさい。綺麗だったからつい」


彼女はすでに着替え終わっていて姿見を見ながら腰をくねくねしたりしていた。

私も着替え終わり胸の位置を直してお尻の食い込みを直した。


「私の水着、どうかしら?似合う?」


水着の感想を私に求める西園寺さん。

私はちらっとその姿をみて似合いますと答えた。


「ありがとう。鷹司さんもいいじゃない。その水着」

「ありがとう。じゃ、これにします」


そう彼女に伝え、彼女を背にして急いで水着を脱いでブラジャーをつけてワンピースを着た。

試着した水着を手に彼女が着替え終わるまでじっと待っていると、彼女が私の肩をちょんちょんしてきた。


「どうしたんです?」

「もう着替え終わったから、こっち見て」

「あ、はい」


言われた通り振り返ると洋服姿の彼女がいた。

私はふぅ~っと溜息をはいた。


「面白かったわね。ドキドキしちゃったわ。鷹司さんもドキドキした?」

「ええ…凄く。早く出ましょう」

「ちょっと待って。二人で一緒に出たら大事になりそうじゃない?最初に私が出てから合図したら鷹司さんが出てきて」

「わかりました」


彼女はそう言ってカーテンを少し開けて外の様子を見た後に試着室から出ていった。

暫く彼女からの合図を待っていると外からあいちゃんの声が聞こえてきた。

西園寺さんと何か会話している様子だった。


「西園寺さん。どこに行ってたの?探しちゃったじゃない」

「御免なさい。九条さん。先に試着してたの」

「えー!私も試着してくる」

「行ってらっしゃい」


隣の試着室からカーテンの閉まる音が聞こえると西園寺さんの声で合図が来た。

私は恐る恐るカーテンを開けて外に出た。


「九条さんに見つからなくてよかったわ。ふふふ。彼女には悪いことしちゃったわね」

「……ほんとですよ。後で謝罪しないと」

「そうね。あなた達って仲いいですものね」

「お友達ですから」

「お友達、ねぇ~」


西園寺さんが目を細めながらそう言った。

どうも疑いの目で私を見ているのがわかる。

いずれは言わなくてはいけないことかもしれないけれど、今はまだ伏せたほうがいいと直感でそう思った。


あいちゃんは選んだ水着を着ると私たちに感想を求めてきた。

ピンクのビキニがとても可愛くて少しセクシーな水着。

私が絶対に着ることがない水着をあいちゃんが着ている。

とても似合っていると思う、そう答えた。


目的の物も手に入れることが出来た私たちは再び4階にあるオープンカフェに向かった。

もうお昼の時間だからと昼食を食べに行く事になった。


なんだか今日はとても疲れる半日だ。

西園寺さんの悪戯とあいちゃんの朝の遅刻と。

そしてこの暑い気温が疲労を加速しているに違いないと思った。


昼食を済ませて時間潰しに他の売り場を一通り見て歩いていると3時過ぎになった。

西園寺さんが用事があるとのことだったので今日はこれでお開きすることになった。

あいちゃんを駅前まで送ると私と西園寺さんは一緒に自宅へと向かって歩き出した。


帰り道の会話は先程の水着を試着したことの感想を西園寺さんが一方的に話すのを、私は黙って聞くというなんとも地獄のような時間を耐える羽目になってしまった。


彼女の考えていることが分からない私。

あの告白から何も進展しない状態でこの後どうなっていくのだろう。

彼女の行動に不安と恐怖を感じてしまうのだった。


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