9話、いけ好かない野郎。
昨日は風邪で更新が出来ませんでした。
決してサボってた訳ではありません。
「御屋形様より大事なお話があると思う」
「大事な話とは?」
「それは今言っても勿体ないであろう?」
いや今言えよ。
「身構えておくべき話でしょうか?」
「まぁあそうじゃな。」
ーーーーー常栄寺・天文15年葉月16日ーーーーー
「御屋形様、お久しゅうございます。」
「五郎に隆房。良くぞ参った。」
「はは。」
義隆の腕には幼子が抱きかかえられている。
「五郎は初めてか。この子はわしの子、亀童丸じゃ。」
うん。ここは気を利かせよう。
「亀童丸様。お初にお目にかかります。陶家嫡子、陶五郎にござります。」
「はっはっはっ!五郎あっぱれじゃ!亀童丸にこんな聡明な宿老がおれば大内も安泰よ!」
「して、隆房、五郎。」
「「ははっ」」
「五郎に縁談を持ってきておる。」
「え?」
大事な話ってこのことかよ。
「もしや、遠江守殿との縁談でございましょうか?」
なんであんたは勘づいてんの?
「その通りじゃ。隆房。2人とも受けてはくれぬか?」
「しかし、御屋形様。遠江守殿は肥後国主相良家の御一門。我が家は、大内家の枝の枝。更に某は陶当主と言えど、父興房の次男にございます。遠江守殿とは家格が合いませぬ。」
「隆房。お主らが武任の暗殺を企てたのは耳に入っておる。ここは遺恨を残すことなく、縁談を受けて、武の陶、文の相良が手を結ぶことが周防のためになるのでは無いか?」
「し、しかし…!」
また、父は苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「御屋形様。」
「どうしたのじゃ?五郎。」
「それがし、相良の姫を存じませぬ。まずは相良の姫と会わせてはくれませぬか?」
「うむ。それもそうじゃな。まずはそれからじゃ。」
「ありがとうございまする。」
「五郎に話がある。尾張守下がれ。」
またまた、父は苦虫を噛み潰したような顔になっている。
「ははっ」
「五郎、気を使わせてすまぬな。」
「いえいえ。」
「陶は、もちろん、大内の宿老じゃ。そなたらに信を置かねばならぬ。しかし、隆房は先の戦に大敗してから、文官である武任らとの折り合いが悪いようじゃ。」
「でありますな。しかし某も、遠江守殿は素直に申しますと、どこか信頼できない印象にございます。」
「であるか、、、、」
「しかし、陶は大内宗家の宿老にございます。この五郎、大内の武として御屋形様と亀童丸様に忠誠を誓いまする。」
「そなたほどの才児が、着いてくれれば亀童丸の代になろうと大内は安泰じゃな。」
「相良姫、入ってまいれ。」
「かしこまりました。」
ススッーーーーー
「相良遠江守武任の一人娘、舞にございます。」
その声の持ち主は10歳くらいの女の子であった。
まだ鼻ずまりが酷いです。




