表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/106

79話、半蔵の旅路①


今回は、服部半蔵視点です。



ーーーーー天文二十四年六月某日・近江国坂田郡ーーーーー





やっと、殿からのご指令を一つ済ませること出来た。



陶家の当主は尾張守様であり、兵衛少尉様のお立場は嫡男であるが、我が主は兵衛少尉様のみ。


お武家で我ら草の者をあんなにも気にかけてくださる方はおらん。さらに我が息子、弥太郎の槍働きを認めてくださるとは、より一層、兵衛少尉の御為に忠を尽くさねばな。





ここでは、怪しまれぬよう配下の手練6人と共に修験装束に身を包み、近江国を歩く。







「旅のお坊様。」


ん?やけに年寄りだ。村の長老か?


「なんにござろうか?」


「山に妖怪が出るんだが、妖怪を払いことが出来るだか?」


「拙僧、比叡山にて天台宗を学び、各地の霊山から霊山に渡り歩いております。払えるかは分かりませぬが、試すだけ試しましょう。」


「ありがてえ、ありがてえ。」


「酒と、塩を用意していただきたい。」


「塩と酒だな。」


「ええ。して、妖怪とはどのような妖怪なのでしょうか?山と言うからには天狗の類にござろうか?」


「酒を盗み、家畜を貪り、むすめっこを攫うだ。」


酒呑童子の類だろうか?面白い、伊賀の忍術で鬼など生け捕りにしてくれるわ。


「妖怪の姿を見たものは?」


「おら、この目にむすめっこを担いで大鎗を持ったどでかい化け猿だべ。」


猿、、、。猿など伊賀で熊を相手にした儂の相手では無い。




「引き受けましょうぞ。最法、金剛杵を。最光、最認、それぞれ酒と塩を持て。」


「「「ははっ。」」」


「ほんなら、お坊様、おらに着いてきてくれぇい。」


「承知いたした。」



長老に連れられ、山を歩くとなるほど。大きな山がある。


「最辺、縄を。」


「ははっ。」


「では、これより結界をはりまする。皆々様は、山に入らぬように。」


「「「わかっただ。」」」


「地、海、空、金、仏、法、念、破っ!!!!!」





よし。ここまで来れば、村人たちも来ぬであろう。


「では、最法、念仏を唱えよ。」


「何が最法にございますか。頭、ふざけるのも大概にしてくだされ。」


「ふっ、言うようになったな。では、猿狩りと行こうか。」

頑張れ!半蔵!やっちゃえ半蔵!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ