75話、黒井城の戦い②
「馬廻衆!!着いてまいれ!!!敵将、内藤宗勝を討ち取る!!!俺の両脇を固めよ!!!!更に兵50騎!!内藤宗勝を囲めぇい!!!!」
「「「「「ははっ!!!」」」」」
内藤家の兵が俺たちの前に立ちはだかる。
「皆の衆!!受け止めよ!!!周防の小童など返り討ちにしてしまえぃ!!!!!」
「「「「「おぉぉぉ!!!!!!!」」」」」
馬廻衆筆頭・湯浅五助が、内藤宗勝に槍をつけた。
「殿!!!後方にお下がりくだされ!!!!」
内藤家臣が、五助の槍を受け身代わりとなる。
「すまぬ。七右衛門。」
「くっ、内藤宗勝!!!逃がしてなるものか!!!!」
「この高田七右衛門が、備前守(宗勝)様の元へは1歩も通さぬ!!!!皆の衆!!!!備前守様をお守りせよ!!!」
内藤宗勝の前方を守る家臣は大和以来の譜代の家臣だろうか。周りの内藤兵とはひと味違う。
内藤家臣、いや松永長頼子飼いの家臣団は、50騎に囲まれようとその後ろを簡単には抜けさせてくれないようだ。
「高田七右衛門殿と申されたか!!敵ながらその忠義、誠に素晴らしゅうござる!!!そなたの首、この湯浅五助が貰いうける!!!!」
「主の馬がまだ見える、、、。まだ討ち取られてなるものか!!!皆の衆ここが踏ん張りどころじゃ!!何としても甚助(宗勝)様の盾となるのじゃ!!!!」
「「「「「応!!!!!!!」」」」」
「敵の覚悟を見たか!!!兵揃いだ!!ここで数でまさろうと気を抜くな!!!!1人の敵を3人で討ちとれぇい!!!」
「「「「「ははっ!!!!」」」」」
内藤家の忠臣達が、みるみると討ち取られていく中で、湯浅五助と高田七右衛門は、一騎打ちを繰り広げる。五助の槍裁きでは返って、足手まといになることは皆承知なのだ。
五助が、高田七右衛門を組み伏せた!!!!
「高田七右衛門殿、ご覚悟!!!!!」
「くっ、無念!!主をお逃がし、その方のような武者に討ち取られるのならば悔いは無い。切れ!!!」
「御免!!!」
五助が、脇差で高田七右衛門の首を落とす。
「内藤宗勝が忠臣、高田七右衛門、この湯浅五助が討ち取ったり。」
「皆の衆、敵味方に、内藤宗勝が敗走したことを伝えよ!!!!」
「小猿。」
’ははっ。’
「敵味方とはず、内藤宗勝が敗走したことを触れよ。」
’御意に。’
「あと、半蔵をここに。」
’頭ですか?’
「あぁ。お前たち忍び衆にやってもらいたいことがある。」
’承知。’
小猿を初め、俺の兵の中に散らばっていた忍びたちが、内藤宗勝が敗走したことを広めると内藤兵が八木城方面へと敗走して行った。
「勝ち鬨をあげよ!!!!」
「「「「「応!!!!!!」」」」」
これにて無事、黒井城への救援は成功した。
「半蔵か。」
「ここに。」
「忍び衆に任せたい任が2つある。(中略)」
「承知致しました。1つはもう目処が着いておりまする。」
「さすがは忍び衆よ。もうひとつは困難になると思うが頼むぞ。」
「ははっ。」
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