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74話、黒井城の戦い①



お久しぶりです。

ーーーーー天文二十四年五月三十一日ーーーーー



波多野長秀は、初老の男を伴って俺の為に用意してくれた宿所へと訪れた。


「当家からは、客将芥川殿を主将とし、副将として波多野総左衛門宗高をつけまする。総左衛門は、智勇に優れる当家の筆頭家老にございます。兵を率いると丹波鬼と恐れられる将にござる。」


「波多野総左衛門にございまする。」


その立ち振る舞い鬼という異名は想像できない。分家の当主といったところだろうか?


「芥川殿は将としてはまだ未熟でしょう。総左衛門殿、お頼み申す。」


だって、孫十郎くん芥川城落とされちゃってるもん。そして三好長慶が畿内での拠点にしちゃってるもん。


「孫十郎様はこの総左衛門にお任せくだされ。」


「これは頼もしい。」


「あと、総左衛門殿、、、、。」









芥川孫十郎が(実質波多野宗高が)率いる5000の兵と合流し、丹波黒井城を目指す。


「失礼ですが、孫十郎殿の(いみな)は?」


「お恥ずかしながら、三好長慶から逃れ実休殿を頼ってからは潜伏するばかりでございまして元服も済ましておらぬのです。」


「孫十郎殿は、芥川長光殿の嫡子にて喜雲道悦(みよしゆきなが)公の御孫にございましたな。長慶を京より追い出せましたら、我が主を烏帽子親とすればよろしゅうござる。公方様を頼るよりは兵部卿を後ろ盾とするのがよろしい。そこから、幕臣の1人となるか、芥川城主となるか、はたまた別の道を選ぶかは孫十郎殿次第にござる。」


「そこまで世話して頂けるとは。この孫十郎感激にございます。」







「前方に黒井城にございます!敵将、内藤宗勝、兵数7000〜9000!!!」


「分かっておるわ!!!与六郎、文を書く故、矢文を放て。」


「ははっ!」






鰐加賀を父に持つ、与六郎は父に勝るとも劣らぬ強弓を放ち黒井城へと矢文を突き立てた。



まずは、(実質波多野宗高が率いる)兵5000と、松永孫六率いる兵4000が当たる。内藤宗勝は甥に俺たちを足止めさせあくまで自分たちは、黒井城を攻める構えは辞めないようだ。


俺の500と左衛門太夫と吉川元春の兵は、予備隊の位置に居座る。


さすがは丹波鬼。兵数で勝ると言えど押し気味である。





しかし、半刻ほど当たりあっていると膠着状態が続いていく。



「殿!黒井城より狼煙が!!!!」


「うむ、時は今なり!!半蔵!お前の部下に左衛門太夫殿と、治部少輔殿に伝令を送らせよ!!!」


「ははっ!!」


「皆の衆、出陣じゃ!!!」


「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」


同じ頃合に左衛門太夫の新宮党、吉川隊の両隊も走り出す。


その刹那、黒井城の城門より兵が湧き出す。



「狙うは、内藤宗勝の首のみ!!!内藤の首を取った者は公方様からの恩賞が思うがままよ!!!」


ここで松永孫六が俺たちに気づくが時は遅い。波多野兵に足止めをくらい、内藤への救援に迎えない。





「黒井城より赤鬼が2000を率いる!!赤井兵2000と我が方1500で内藤を挟撃するぞぉぉぉぉ!!!!」


「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」



挟撃を受ける形となった内藤兵は狼狽える。


「馬鹿者!!!前の敵に集中するのだ!!数ではこっちが勝る!!前の敵を殺すことだけを考えよ!!!」


あの声の持ち主が内藤宗勝か!!!!



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