71話、3万騎着陣
花粉症で息ができません。
ーーーーー天文二十四年五月二十五日ーーーーー
「殿、杉様・内藤様率いる3万が山城に入ったとの事。」
「よし。100騎で出向く。公方様は、御所にお残りください。」
「いや、余のために大内介が、兵を興したのじゃ。その兵を指揮する杉と内藤を余が出迎えずして誰が出迎える?」
いや、あんたに好きかって動かれたらこっちが迷惑なの。
「さすがは、公方様。杉も内藤も喜びましょう。」
「藤三郎、久しいな。」
この男は、俺の母方の叔父で内藤のじいちゃんの孫、内藤隆世だ。じいちゃんは名目上ご隠居だから、内藤家の若き当主として、大忙しのようだ。
「叔父上が、杉殿と共に兵を率いられると聞いて今か今かと待っておりました。」
「公家相手を相手取るとは、尼子攻めの兵衛少尉殿を思い出すな。」
杉(父)、俺ただ献金しただけだからね。
「さらに、余を朽木より京へと登らせてくれた。このまま朽木で朽ち果てると思っておったが、さすがは兵衛少尉よ。」
「藤三郎、この御仁は?」
「公方様にございます。」
「第十三代将軍足利義輝じゃ。」
「く、公方様御自ら、出迎えてくださるとは!! 」
「杉と、内藤には期待しておる。憎き三好を叩くゆえ、頼んだぞ。」
「「ははっ!!」」
「公方様、さらに出雲より小笠原殿、尼子左衛門太夫殿、安芸より吉見殿、毛利殿、そして但馬より山名様が後続で計2万率いられまする。」
「それは大義じゃ。藤孝、惟政、山名らを随時御所に通せ。」
「「ははっ。」」
杉(父)と叔父、義輝と共に御所へ入る。
「御屋形様より、杉殿、儂、藤三郎で1万ずつ率いよとの事だ。しかし、出雲衆の1人小笠原殿に預け、左衛門太夫殿の500と共にお前の直下兵500で1000の遊軍とし、三好を叩けとのことだ。」
「承知致しました。」
「しかし、遊軍と言えど相手は、三好。深くまで入るなよ。」
「分かっております。」
「姉上に藤三郎を死なせるなと言われておるのだ。」
「母上にですか。」
「それに、奥方殿の腹に子を宿しておるのだろう。叔父は甥の身が心配じゃ。」
こんなに言われるなら十騎で突撃なんてしなければ良かった。
しかし、三好をどう叩けばいいのかね。あいつら一族の結束高そうだし、離間の計使えるかな?




