65話、試合!!!!
お久しぶりです。
恵心が俺を部屋に通すと壮年の僧侶と10代程の少年が待っていた。
「兵衛少尉殿、こちら興福寺宝蔵院院主胤栄殿です。」
「胤栄殿、陶兵衛少尉殿主従です。」
ん!!!宝蔵院の胤栄か!!!これは、大物じゃないか!!でも、胤栄に子供なんていたというのは聞いたことない。2代目の胤舜か?
「胤栄にございます。兵衛少尉殿のお噂奈良にまで聞こえておりますぞ。」
「槍の名手、宝蔵院胤栄殿にお会い出来るとは。何たる幸運にございましょうか。」
しかし、胤栄か。そんな人物が目の前にいるなんてやはり凄いな。
「兵衛少尉殿も胤栄殿も、槍の名手として有名なお2人。手合わせされてはいかがか?」
「恵心様、お言葉ですが私、勝てぬ勝負は致しませぬ故、胤栄殿との勝負は致しませぬ。」
「ふぉっふぉふぉ、拙僧、たかが僧侶にございますぞ。兵衛少尉殿は買いかぶりすぎにございます。」
「いえいえ私などでは、胤栄殿には敵いませぬ。当家家中の者共がお相手いたしましょう。」
「ならば、殿!!この鹿之助にお任せくだされ!!!」
「胤栄殿、よろしいか?」
「そちらの若武者にございますな。この胤栄手合わせいたそう。」
「胤栄様、真槍で構いませぬか?」
「こら鹿之助!何言ってんだ!!!」
「ほう、真槍とな。よろしゅうござるよ。拙僧は愛槍を使わせていただくぞ。」
この、おっさんもおっさんだ。本当に僧侶なのかよ!
東福寺の庭を貸してもらい、鹿之助と胤栄が見合う。
胤栄が持つやりは、鹿之助が持つものと違い、十字架のようになっている。
「山中鹿之助幸護!!いざ参る!!!!!」
鹿之助が、ものすごい勢いで胤栄に突進する。
「もらった!!!」
胤栄の眉間に目掛け鹿之助の剛槍が放たれる。
その刹那、胤栄が十文字槍で鹿之助の槍を絡め取り鹿之助の二の槍を防ぐ。
鹿之助は、胤栄の槍により身動きが取れないでいる。
「勝負あったな。」
「ぐっ、参りました。」
「鹿之助殿も素晴らしいお点前で。」
うん、胤栄が俺の元に着いてくれたら、俺が敵にやられる可能性がグンと減るな。
「兵衛少尉の臣下となっていただきたい腕前だ。」
「拙僧は、一介の僧。兵衛少尉殿のお役には立てませぬよ。」
「ですよね〜。」
「う〜む。よし、この才蔵を兵衛少尉殿に着かせましょう。まだまだ未熟者ですが良き武者になりましょうぞ。ほれ才蔵、挨拶をせい。」
「可児才蔵吉長にございます。」
!!!この少年は、あの笹の才蔵か!!!
「兵衛少尉殿がよろしければこの才蔵を立派な武者として頂きたい。宝蔵院で一生を過ごすとなるとちと勿体のうございますからな。」
「よき武者になりそうな少年にございますな。当家にて養育させていただきます。」
胃腸炎を患ってしまい投稿が全然出来ませんでした。




