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62話、また先鋒とか、義隆人使い荒いよ!






天文二十四年五月七日



周防に上洛を促す勅使が来られたようで、義隆(おやかたさま)から俺にも、上洛に加われとの事だ。



「御屋形様は、上洛の為、神門よりも兵を出し、我ら先遣とするとのご意向だ。」


「御屋形様は、神門よりはいかほどの兵をご所望でござますか?」


「神門及び周辺の領地より、500の兵を派兵しろとの事だ。」


「ここだけで500となれば、御屋形様の御領地から数万の大軍となりますな。上洛軍はどこをお通りになられるのですか?」


「まず、但馬の山名左衛門督様の御領地を通る。そして、丹波に入り上洛だ。」


「山陰を通るのですな。山名様と言えば、先々代、大内左京大夫様のお御堂が宗全入道の娘御であり、先の応仁の騒乱でも大内左京大夫様は山名方に付かれもうした。わだかまりなく通れることでしょうな。」


「あぁ、しかし問題は丹波だ。守護の細川様がおられるといえど、丹波の国人は独立意識が高いという。どう通れば良いか。」


まぁ、今考えても仕方ない。赤鬼相手にどう相手取るかは行ってから考えよう。



「では、我が正規兵、3000のうち500を率いる。上洛にあたり、じい、太郎左衛門尉、鹿之助と五助を初めとする馬廻を連れてゆく。鷹之助、弥左衛門、与六郎、次郎三郎は俺の代わりに領地と残る兵を頼む。」


「「ははっ!」」


「では、皆の衆、支度を致せ!明後日には、出立するぞ!!」


「「「「はっ!」」」」









天文二十四年五月十日夕刻



俺が率いる大内先遣隊500は、出雲を出、山名領伯耆まで差し掛かった。



伯耆に入ると、100騎程の騎馬に迎えられた。


「山名家臣、塩谷周防守にございまする。」


「大内家臣、陶兵衛少尉にございまする。」


「此度は、主より案内役を任されておりますゆえ、但馬の我が居城芦屋城にてゆるりとされよ。」


「忝ない。」




塩谷高清の100に連れられ、2日の時を有し、但馬芦屋城へと着く。


「兵衛少尉殿、但馬はどうにございますか?」


「さすが京に近く、豪勢なものにございますな。我が故郷周防や、出雲の田舎とは違いまする。」


「ご謙遜を。十人駆け藤三郎殿のお噂は、ここ但馬にも伝わっておりますよ。」


「日ノ本一の山賊衆、塩谷殿のお耳にも入っておるとは、お恥ずかしい限りにございます。」


厨二臭い渾名だが、意外と悪い気はしない。というかもう慣れた。


「日ノ本一とは、ありがたきお言葉にございますな。」




明日は、但馬守護、山名祐豊との面会があるようだ。しかし、とりあえず今夜は、日ノ本一の大山賊が出す酒と肴を楽しもう。



あぁ、もう五助は、羽目を外している。せめて、他家では自重しろよ、、、、。






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