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55話、戦国の雄








天文23年6月2日、兵糧が尽き井戸も干された月山富田城は、5000の兵はおろか、尼子一門である重臣たちすら残っておらず、尼子晴久、義久とその家族と負傷兵数百程度が籠っている状態となっている。




ーーーーー大内義隆本陣ーーーーー


今日は、諸将が集められ評定となっている。


「御屋形様!念願の尼子滅亡まであともう一歩にござりまするな!」


「あぁ!!尾張守の申す通りよ!!!宿敵尼子、どうしてくれようか!!」


吉川元春とともに南出雲を平定した父は、第1次月山富田城の戦いからずっとギクシャクしてたはずの義隆と息ぴったりだ。さすが元愛人関係だぜ。




「御屋形様、お言葉ですが、、、」


「どうしたのじゃ?藤三郎、申してみよ。」


「ははっ、尼子修理太夫殿ならびに三郎四郎殿が降伏なされたら首を切らない方がよろしいかと。」


「ん?なぜじゃ?尼子は宿敵。野に離せばまた儂らに害をなそう?」


「まず第一に、尼子父子を死罪になさると尼子旧臣たちから、御屋形様に不満が出るにございましょう。第二に、尼子は成り上がり者と言えど、元々は出雲を納めていた京極家の支流。さらに、修理太夫殿の治世は優れ出雲の民に慕われていた様子。尼子を斬るとなると少なからず出雲の民より反発が出ましょう。」


「十人駆けした婿殿とは、思えぬ意見じゃなぁ。」


岳父が感心したように言うが、俺は元々雅で、画才のある知的な文官になりたかったんだーーーー!!!!!!


「うむ、藤三郎の申すこと一理あるか。しかし、尼子が素直に我らに頭を下げることはなかろう。勧告の使者を誰とするか、、、」


義隆の声でみんなの視線が俺に集まってるんですけど、、、、、




「であれば、謀略に優れ今回の尼子攻めでも、韋駄天の活躍をなされた藤三郎殿でどうにござろうか?」


いや、バーサーカー隆豊そこで空気を読むな。


「うむ!左衛門少尉の申すとおりじゃ!!陶は、大内の支流。家格としても申し分ない。しかし、藤三郎は、尾張守に似て美男じゃからなぁ〜。修理太夫食われぬか心配じゃわ。」


尼子晴久が、そっちだったというのは聞いたことないが、この時代おかしなことでは無いからあるかもしれない。


てか、あんたの方が危ないんだけどね。ついこの前も毛利の三男君囲ってたんでしょ?





「承知致しました。必ずや尼子を屈服させに参りましょう。」



藤三郎(15)いっきま〜す!!






ーーーーー天文二十三年六月七日・月山富田城ーーーーー




「顔を上げよ。尼子修理太夫である。」


「ははっ、大内使者として参りました、陶尾張守が嫡子、陶藤三郎にございまする。」


「ほう、十人駆け藤三郎か。面白い、死ぬ前に1度その方を目に収めて見たかった。」


尼子晴久は、しみじみとした口調で話している。この世が乱世でなければ間違えなく、正しい(まつりごと)をした名君として、崇められていたことだろう。



「して、藤三郎。なんの用じゃ?」


「修理太夫様に投降を進めにまいりました。」


「大内に降れと申すか。それはできぬ。この富田城を攻め、儂とここにおる我が子達の首を取るが良い。」


声を張り上げているでもないのに、威厳があるのは戦国大名としての意地であろうか?俺も背筋を伸ばして話さねば。


「修理太夫様、人払いを願えますか?」


「相分かった。皆の衆、下がれ。」


「「「ははっ」」」


「甚太郎と五助、お前たちもだ。」


「「ははっ」」


晴久の家族たちと俺の伴たちが下がっていく。





「今、修理太夫様が血を絶やされると、尼子嫡流はいなくなり、大内を滅ぼす者が尼子嫡流ではなくなりますがよろしいので?」


「なにを申しておる。そなたもしや下克上を狙っておるのか?」


「まさか。藤三郎の目が黒いうちはさせませぬよ。数十年後、いや数百年後となりましょうか?その時兵部卿様のご子孫は?修理太夫様のご子孫は?」


晴久の目がキョトンとなり、空いた口が広がらない。間抜けな顔してやがる。








「ふっふふふふふ、はっはははははははは!!十騎駆け藤三郎は、考えも飛んでおるわ!!!承知いたした。兵部卿殿にお伝えせよ、尼子は大内に屈すると。」


「ご英断にござる。」


「藤三郎。」


「なんにございましょう?」


「必ずや我が子孫が、大内を討ち滅ぼしてやるぞ!!!!」


「我が子孫がおる限りそんなことはさせませぬ。」



こうして、主家を廃して、尼子経久の代から成り上がった戦国の雄尼子家は、戦国の世から幕を降ろした。




1度書いたデータが消えてしまって投稿遅れてしまいました、、、、




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[一言] 〉勧告の死者 →死を前提にしている!?
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