48話、藤三郎には、策略がございます。
どのような策略なのでしょうか?
尼子包囲からもう6ヶ月が経つ。この6ヶ月、見るからに敵兵が弱り、飲水も兵糧も底が着き、城に潜入させた小猿たちからの知らせでは、軍馬を食べ、亡骸の人肉を貪り食うまさに地獄絵図であったとの事だ。
しかし、尼子の中の光明と言えるだろうか?忠臣、宇山飛騨守が私財を投げ、海より兵糧を運び入れ、投降しようとする兵を何とか自分の配下にすることでつなぎ止めているようだ。
「御屋形様!飛騨守の荷駄を我が水軍で海の藻屑としてしまいましょうぞ!!」
弘中隆包が、義隆に提案する。
諸将が、それに賛同するが、俺はやめていただきたい。なんとも辞めて頂きたい。
「藤三郎、何か言いたいことがあるようじゃが?」
「ははっ、年少者ながら、意見を出させていただきまする。この藤三郎には、策略がございます。」
「どんな策だ?藤三郎殿。」
御一門の門田隆盛が、俺に問いかける。
「皆様のお考えと一緒で、私も飛騨守の荷駄をどうにしとうございます。」
「であるから、荷駄を沈めるべきでは無いのか?」
義隆が不思議な顔をして俺を覗き込む。
「私の策では、尼子は貴重な兵糧だけでなく、替えの効かぬ将兵まで失うこととなりましょう。」
「ほう!どのように将兵まで失わせる?」
「離間の計にございます。既に私が放った間者により、尼子修理太夫嫡子、尼子三郎四郎家臣大塚与左衛門に、いくらか金子を握らせ三郎四郎に讒言をさせておりまする。与左衛門は、欲深き男。少しの海老で鯛を釣るようなものでござる。今、尼子家中は、崩壊しているようなものにございます。名君・修理太夫といど、嫡子の讒言により、忠義の臣を疑いましょう。」
「その忠臣というのは、、、、」
「もちろん、宇山飛騨守殿にござる。」
「この少輔次郎も藤三郎殿の策に賛同いたす!」
うん、だって元々お前が考え出した策略だもん。なんかパクったみたいでごめんね^^;
「式部少輔(吉見正頼)は、藤三郎の策についてどう思うのじゃ?」
「こちら側が失う兵も、限り無く減らし敵に多大な害を与える藤三郎殿の策は、誠に素晴らしきものにござる。藤三郎殿の計略を採用すべきかと。」
え!?よしみん、、、、お前ってやつぁ、、、、、、
「よし!決まりじゃ!!皆の衆、藤三郎の口車に乗ってみようでは無いか!!!!」
「「「「「はっははははは!!!」」」」」
なんか、俺笑い者にされてね?
藤三郎さんまるで自分のが考え出したオリジナルの策略のように考えていた離間の計。実際に第二次月山富田城の戦いで毛利元就が考えた策の丸パクリです。
しかし、よしみん先祖からの恨みあれど、藤三郎さんの策略に賛同しましたね。これは、よしみんの性格を表したいと思いまして。よしみんは、清廉潔白な人柄なのです!!Loveよしみん
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