47話、不倶戴天
月山富田城包囲から2ヶ月が経つ。
敵の嫌がらせも日に日に弱くなっていくものの、まだ持ちこたえられてはいる。しかし、2ヶ月と言えばそろそろ兵糧が底を着いた頃ではないか?こんな状況下でも、持ちこたえるとは敵ながら城方はあっぱれだ。
もうそろそろ、忍衆に策を使わせるときか。
だが、まだ早いかな、、、
「孫殿、孫殿!」
今晩は、謀神さんが俺の本陣へと訪れている。元就は、吉見正頼も連れてやってきた。
「使者を出したが、孫殿、吉見殿、某で意見の交換をせねばと思ってな。」
吉見正頼は、ムスッとしている。どうしたんだ?よしみん。
「改めてお初にお目にかかる。吉見式部少輔にござる。」
「陶藤三郎が嫡子藤三郎隆’護’にござる。」
よしみんは苦々しい顔で俺の顔をみてくる。あ!そうだ。父が言っていた。応仁の乱の時、よしみんのご先祖さまが当時の大内家に謀反を起こし、それに策で挑んだ俺のご先祖さま・陶弘’護’公が謀反軍を撃退し、吉見氏はずっとそれに逆恨みしていると聞いた。
吉見は、名将弘護公を酒宴で騙し討ちした故信が置けぬ。近づくでないとも言ってたな、、、
「吉見殿の、ご活躍かねがね伺っております。」
「こちらこそ。」
「ご、ごほん。しかし、どうするかのぉ、、、尼子修理太夫は強情なようじゃが。」
「やはりこのまま城を囲み時を待つしかないのではないか?」
「私より策がございます。」
「孫殿の策にござるか?」
「ええ。(中略)にございます。」
「ほう!さすが孫殿じゃ!!!!!その策が成功すれば、直ぐにこの戦終わるやもしれぬな!!!」
「、、、、、」
陶隆房と吉見正頼は、所領の件で当代でも揉めているようです。




