45話、塩谷口攻防戦
ーーーーー月山富田城・塩谷口・陶隆護本陣ーーーーー
「藤三郎殿、またお会いしましたな。」
「久しぶりですな。」
はい。今中国三大謀将の1人、謀神毛利少輔次郎元就さんとお話しております。
「藤三郎殿は初陣ながら、韋駄天の働きとか。」
「少輔次郎殿の謀略には及びませぬ。」
「そう申されますな。藤三郎殿の父御は、某の恩人にて、我が次男元春の義兄殿。その尾張守殿の嫡子であられる、藤三郎殿は某の孫のようなもの。この塩谷口での攻防では、必ずやこの少輔次郎が藤三郎殿をお守りいたそう。」
あ、ははは、なんか勝手に謀神の孫にナッチャッタ^^;
「では遠慮なく、じじ殿と呼ばせていただく。」
「!!はっははは!!!藤三郎殿は面白い御仁じゃ。では、孫殿某は、永らく居候しておると吉見殿にどやされますゆえ、戻らせていただく。」
父のおかげ(?)で毛利元就からの陶家への印象は中々いいらしい(?)しかもなかなかフレンドリーなおっさんだったな。
「敵襲!!!敵襲!!!!!塩谷口より敵兵800!!!!!吉見様、毛利様の陣にも、同程度の敵兵が攻め込んでいる模様!!!!」
わかってるよ!!敵兵800が攻めてきたんだろ!!!そりゃあ攻めてくるだろ!!!!!
「者共!迎え撃てぇい!」
ここは俺でも先陣を切って走る。もちろん俺の左脇は、尼子敬久がガッチリガードしてくれている。
槍で、向かってくる尼子の兵たちを滅多刺しにしていく。
あ〜やっぱり先陣なんか切るべきじゃなかったわ、、、、俺パピーじゃないもん。隆房じゃないもん。隆護だもん。
でもうちの軍師甚太郎くん(12)に本陣占領されちゃってるし、あいつに軍略で及ばないし仕方ないよね^_−☆
もちろん、俺だって甚太郎くん(12)のご指示通りに動いてるよね。甚太郎くん様々じゃん!!
「者共!手柄が欲しくば敵と切り結べい!!」
「「「「「応!!!!!!」」」」」
「!名のある将とお見受けする!!!お相手を!!!!」
こんな時に馬乗の武者と、出会いたくないよ、、、
「藤三郎殿は、儂がお守り致す!!!そこの将!儂が相手じゃ!!!」
「む!左衛門太夫殿か!!!!」
「ん?その甲冑、多胡左衛門尉殿じゃな!相手に不足なし!!!!!いざ尋常に!!!!!」
敬久がめっさニヤッってして掛けて行く。
さすが、元尼子随一の将だ。敵将の槍の練度を凌駕する槍裁きだ。
しかし、敵将の槍筋も美しく防戦一方ながらも敬久の槍を防いでいる。
「あっ!!!!」
敵将の馬が足をくじき、敵将は落馬する。
「やめじゃ。藤三郎殿、左衛門尉殿は、文武両道の失い難き男。武士の情けにごさる。首にするのはやめにさせて頂けぬか?」
敬久が俺の顔を見て懇願してくる。
てか、多胡左衛門尉ってだれや?尼子家臣なんて、ほぼほぼ某鹿之助くらいしか知らなかったんだけど^^;
「左衛門太夫殿は、私の郎党にあらず。知古の戦友にございましょう。左衛門太夫殿の、お好きなようになされ。」
「忝ない。左衛門尉殿。また馬を取り替えて、参られよ。」
「左衛門太夫殿、、、、すまぬ!!」
多胡左衛門尉は、足を引き摺る馬に跨り、戦場を後にした。
はい。多胡左衛門尉辰敬は尼子敬久の与力武将として活躍していました。尼子経久の代から尼子家に使え、武芸にも、芸能、芸術にも優れたスーパー人間でした。そりゃあ敬久さんも首にしたくないですよね!!!知らんけど!!!!!
感想、評価、いいね、ブクマお待ちしております!!!
無知なところもありますのでご助言、ご指摘してただけると!!!
誤字報告も本当に助かります!!!!!




