43話、尼子敬久の決意

本陣へと戻ると、義隆が俺たちを出迎えに来ていた。

「皆の衆大儀であったぞ。隆豊は、あの平内兵衛を討ち取ったとは誠にあっぱれじゃ。首実検じゃ。左衛門太夫、頼むぞ。」

「ははっ。」

左衛門太夫が、首桶に入った、平内兵衛の首を取り出す。

「確かに、米原平内兵衛の首にござる。」

「うむ。左衛門太夫も、尼子一門である故含むところもあるであろうのに、この活躍。誠に素晴らしいな。」

「ありがたきお言葉にございます。」

「尼子を下せば、出雲はそなたに任せたい。」

「兵部卿様、勿体なきお言葉にございますが、某は尼子では、一兵卒のようなものでございました。領地を頂くのは柄にもございませぬ。出雲は他のお方に。」

「そうか、、、であれば、直臣が少ない藤三郎の与力になるのはどうか？」

え？また脳筋仲間になんの？

「藤三郎殿の与力。不満ございませぬ。藤三郎殿お願いいたす！」

「あ、はははは。」

「して、ここからじゃが、尾張守1500に、左衛門少尉に1500を預ける故、大西城と、牛尾城を足止めせよ。そして、弾正忠は修理進(内藤隆世：伯父②)とともに2000で、熊野城、鹿白城よりの援軍を抑えよ。伯耆守(杉重矩)は1000で高瀬城に篭れ。あとの、将兵5000は、月山富田城を攻める。」

「「「「「「ははっ！！！！！」」」」」」

「半蔵。」

’お呼びでしょうか？’

「お前たち忍衆にやって欲しいことがある。」

’尼子修理太夫の暗殺にございましょうか？’

「いやいやそんなそなたたちの命に関わることでは無い。(中略)を頼みたい。」

’お安い御用でござる。’

「頼んだぞ。」