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【完結】源氏物語溺愛逆行絵巻―紫の上を失った光る君は、もう一度春へ戻る―  作者: 木風
第十三帖 朧月夜

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朧月夜①

挿絵(By みてみん)

ゆっくりと彼女の胸もとへ唇を寄せると、

まだ誰にも触れられたことのない場所が、そっと吸い寄せられるように熱を帯び、

紫の上は今までにないほどの甘い声を漏らした。


「……っ、あ……っ……」

「もう……こんなに俺の気持ちに応えて……」

「あ……っ……ん……」


その声だけで、光る君の下腹の熱は抑えられないほど強く疼く。

彼は紫の上の膝にそっと触れ、そのこわばりをほぐすように、ゆっくりと指を滑らせる。

誰にも触れられなかった場所へ近づいていくにつれ、

その身体の奥から伝わる鼓動が、握った指先にまで静かに打ち寄せてきた。


「……紫……」


囁きながら、光る君は、紫の上の深いところへ触れないまま、

ただその境界を確かめるように、布越しにそっと手のひらを重ねる。

熱く、狭く、甘く——

紫の上は耐えきれず、背を弓なりに反らせ、声を喉の奥からこぼした。


「……んっ……おに……いさまっ……」


涙を含んだ声で縋られた瞬間、光る君はもう欲望を抑えられなかった。

そのか細い声に胸を掴まれながら、彼は紫の上の単衣をそっと脱がせ、自らの衣も乱し、

二人の肌と肌のあいだに、一切の隔てがなくなるほど寄り添う。

彼女の温もりと自らの熱とが、静かに重なり合っていく。


熱を帯びた感触がわずかに触れただけで、紫の上がびくり、と小さな身体を震わせた。


「ゆっくり……時間をかけて行くから。

目を閉じないで、俺を見て……紫」


愛の震えに耐えるように、紫の上の腰を優しくも確かな力で抱きしめ、

光る君は、蕾が初めて花をひらくように——

ふたりのあいだにあった見えない境界を、少しずつ、少しずつ越えていく。


「っ……!」


紫の上はきゅっと息を呑むが、それすらすぐに、

胸の奥まで満たされていくような甘い感覚へと変わり、溢れた涙が頬を伝う。

その涙は光る君の肩に落ち、彼の胸を鋭く締めつけた。


「ごめん……愛しすぎて……もう少しだけ、耐えて……紫」


光る君は自分の激しい想いを抑え、紫の上の背中を労わるように撫でながら、

ほとんど動かずに、彼女の身体が自分を受け入れてくれるのを静かに待つ。


やがて。

紫の上が小さく頷き、肩に回した腕の力が、緊張からゆるやかにほどけていく。

最初の痛みは、甘く蕩けるような疼きへと姿を変え——

紫の上は羞恥と本能に負けて、わずかに腰を揺らした。


それはまるで、愛を求める合図のように。

光る君はゆっくりと、深い愛惜を込めて、けれど確かに動き始める。


二人の呼吸は激しく重なり、肌と汗が混ざり合い、

褥の中の静かな波は、やがて強い奔流へと変わっていく。


紫の上は最初こそ声を押し殺していた。

だが、光る君が耳元で、


「愛している」「俺の紫だよ」


と情熱的に囁くほど、甘く、掠れた、媚を含んだ声が、堰を切ったように漏れ始める。


「あっ……おにいさま……あぁっ……もう……」


光る君は紫の上の腰を抱き寄せ、互いの一番深いところで、

心と心がふかく結び合うのを確かめるように身を重ねる。

溢れる熱が絡み合い、二人の境界から、かすかな湿った気配が立ちのぼり、

紫の上は震える身体を預けたまま、ついに——


紫の上の身体の奥底で、張り詰めていた糸がふっと切れるように震えたのは、

ほんの数度目の深い律動の後だった。


身体の芯からやわらかな波が押し寄せ、

光る君をぎゅうっと抱きしめながら、もう声を殺しきれず、小さく喉を震わせる。

そのあまりに甘美な反応と、全身で伝えてくる奥深い悦びに、光る君もまた堪えきれず、

紫の上の最も深い場所で、同じ高みへと昇っていくのを感じるのだった。


二人は熱い汗と涙にまみれて、愛の極致に崩れ落ちる。


「……紫。あなたは俺の妻だ。もう、誰にも渡さない」

「……私も……ずっと……そばにいます……」


光る君は、壊れ物のように大切に抱きしめ、震える唇で愛の誓いを落とす。

紫の上は愛しい吐息と、掠れた声で応え、再び、尽きることのない渇望をもって唇を重ねた。


残り火が静かに消え、藤の香がほのかに漂う闇の中、

二人の初夜は、甘く、痛く、熱く——


永遠の刻印となって、二人の魂に刻まれたのです。

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よろしくお願いします( *・ㅅ・)*_ _))ペコ

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