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なんでも吸い込む! ブラックホール!! (´・ω・`)ノ●~~~~(゜ロ゜;ノ)ノ あらゆる敵を「しゅおんっ」と吸い込んで無双する!!!  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 SSSランク冒険者編

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7 第一波

 ──異変は、突然だった。


 ごごごごごごごごごぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおんっ!


 大音響とともに、周囲が激しく揺れた。

 会議室の壁が、床が、天井が、断続的に震えている。


「なんだ……!?」


 地震じゃない。

 まさか、これって──。


「空間震動、だな。上空七百メートルくらいの地点で、とんでもない勢いで魔力が増大しているのを感じる」


 クルーガーが椅子を蹴って立ち上がった。

 さすがに魔力感知能力が高いようだ。


 ──っていうか、空間震動って。


「いきなり来るとはのう」

「私たちは魔獣災害に備えればいいんだな、バーンズさん?」


 ヴルムさんとブリジットがバーンズさんを見た。


「ああ、この場の冒険者たちはすぐに外へ。魔獣が現れたときには迎撃を頼む。その他の行動については、私の方から指示する」

「おっけー」

「了解しました」


 レイアとアンもうなずく。


「では、あたしは市民の避難誘導のために、天馬騎士団の詰め所へ」


 と、シャーリーが部屋を走り去っていった。


 俺たちも会議室を飛び出し、ギルド支部の外に出る。


「なんだ、あれ……!」


 上空に赤い渦巻のようなものが浮かんでいた。


 あれが──空間震動現象!?


 そこから広がる稲妻が周囲の建物に触れると、石壁が紙のようにひしゃげ、砕け、吹き飛んでいく。


「きゃあぁぁぁぁっ……」

「う、うわぁっ、助けて……」

「痛い……痛いよぉぉぉぉ……」


 人々の悲鳴があちこちからこだましていた。

 降り注ぐ瓦礫が、人々を傷つけていく。


「くそっ……!」


 俺はすぐに飛び出した。


「【ブラックホール】、吸引対象に瓦礫を追加!」


────────────────────

 術者の設定変更意志を確認しました。

 スキルの吸引対象を『術者が敵と認定した者』『術者や術者が仲間と認識した者に対する攻撃』及び『有効射程内の瓦礫』に変更します。

────────────────────


 空中にメッセージが表示されるとともに、


 しゅおんっ……!


 半径500メートル内の瓦礫が一瞬で吸いこまれる。


 だけど、瓦礫が降り注いでいるのは広範囲だ。

 他の場所にも行かないと──。


 周囲を見回すと、ブルムさんが剣で、レイアが拳で、ブリジットが矢で、それぞれ瓦礫を砕きまくっていた。


 さすがにSSSランク冒険者だけあって、すごい破壊スピードだ。

 瓦礫群が市民に降り注ぐ前に、空中ですべて壊してしまう。


 怪我をした人たちは、アンが広範囲治癒魔法で片っ端から治療していた。


 そしてクルーガーは、


「うなれ、竜巻──『トルネードブレイカー』!」


 巨大な竜巻をいくつも作り出し、瓦礫群をまとめて吹き飛ばしていく。


 よし、俺は彼らの救助が及ばない範囲に走って、残りの瓦礫群を吸いこんでいこう。


 しゅおんっ、しゅおんっ、またまた、しゅおんっ……!


 走り回りながら、範囲内の瓦礫を残さず吸い取っていく俺。

 さながら俺自身が掃除道具であるかのように。

 と──、


「ま、まずい、倒れるぞ!」


 誰かが叫んだ。


「えっ……!」


 振り返ると、全高100メートル以上はあろうかという巨大な尖塔が揺れていた。


 王都の象徴ともいえる、『飛竜の塔』だ。

 あんなのが倒れたら、どれほどの死傷者が出るか──。


「ちいっ! 『トルネードブレイカー』!」


 クルーガーが風魔法でそれを破壊しようとする。


 が、対象が大きすぎて、すぐには完全破壊できない。

 さらに二発、三発と風魔法を連打するが、せいぜいが半壊程度。


 塔は大きく揺れ、やがて市民が密集している場所に向かって、崩れながら倒れる──。


「【ブラックホール】!」


 俺は叫んだ。


 叫びながら、走った。


 間に合え──。

 だけど、塔までの距離が遠い。


 このままじゃ、届かない──。


「『スピードギア』!」


 後方から呪文が聞こえた。

 同時に、両足にすさまじい力がみなぎる。


「走ってください、マグナさん~!」


 これは──僧侶アンの強化呪文(バフスペル)か!


「ありがたい──」


 俺は数倍にアップした脚力で駆け抜けた。


「瓦礫だけじゃなく、あの塔全体を吸いこめ。いいな?」


 走りながら【ブラックホール】の設定を微調整。

 崩れゆく塔を射程圏に捉えた瞬間、


 しゅおんっ……!


 尖塔全体を瓦礫もろとも吸いこんだのだった。

10000pt達成してました! 嬉しいです。読んでくださった方、ブクマ評価入れてくださった方、本当にありがとうございますm(_ _)m

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