表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/168

8 初めての邂逅

【書籍化のお知らせ】

本作が双葉社・モンスター文庫様から書籍化されることになりました。8月30日発売予定。イラスト担当は、ちた先生です。

これも応援してくださった読者の方々のおかげです。本当にありがとうございました。


書籍化の詳細は別途報告させていただきます~!

「こうして話すのは初めてだな、マグナ・クラウド」


 ルネと名乗った魔族が言った。

 ん、こいつは俺のことを知っているのか?


「以前に九尾の里に派遣されたときに、お前の戦いぶりを見せてもらった」


 と、ルネ。

 ニヤリと獰猛な笑みを浮かべる。


「【ブラックホール】。あらゆるものを吸引し、問答無用で打ち倒す──圧倒的なスキルだよな。最強ってのは、お前のために──お前が振るう力のためにあるような言葉だ。俺はそう思ったんだ」

「えっ?」

「魔界のパレードで魔王様や最高幹部である魔軍長を見たときも、ここまでの気持ちにはならなかった。お前は──すごい奴だよ、マグナ」


 キラキラと憧れのまなざしで俺を見るルネ。


 なんだ、なんだ?

 魔族のくせに、俺のファン……?


 妙な奴だった。


「そうそう、僕との訓練中も君の話ばかりしていたからね、ルネくんは」


 楽しげに笑ったのは、飄々とした雰囲気の中年兵士──ラグディアだ。


「君に──マグナくんの強さに、憧れているんだよ」

「……ふん」


 ルネは小さく鼻を鳴らした。


 その頬が、わずかに赤い。

 勝ち気な態度は崩していないが、実は照れているんだろうか。


「どう、よかったらルネくんと手合せしてみたら?」


 と、ラグディア。


 敵のくせに、妙にフレンドリーな奴だ。

 前回は戦場で会ったからか、もうちょっとピリピリしていたけれど。


「手合せか……面白いじゃねーか!」


 ルネが嬉しそうに叫ぶ。


「俺はラグディアとの訓練で圧倒的に強くなった。今なら、お前のスキルに対抗できるかもしれない」


 剣を抜くルネ。


 身の丈を超える、鉄板のように幅広の大剣だった。

 それを片手で軽々と振り回し、構える。


 なんだか、妙な流れになってるぞ。


 いや、そもそも──。

 俺はラグディアに視線を移した。


「ルネのことはよく分からないけど、お前は帝国の兵士だろ。俺とは敵同士じゃないのか」

「んー……まあ、そうだけどさ。いきなりこんな空間に迷いこんだし、とりあえずは情報収集っていうか」


 ラグディアは相変わらず飄々としている。


「たとえば、君をいきなり殺して、ここから永遠に出られなくなる──なんてオチはごめんだからね」

「あなたたちは、なぜここに現れたのです」


 フレアが話題を変えてたずねた。


 斬りつけるような瞳で、ルネとラグディアを見据えている。

 俺に対しての柔和な笑顔から一転、凛々しくも厳しい表情だった。


 美人なだけに迫力がすごい。


「さあ? 僕にもよく分からないんだよ」


 ラグディアが肩をすくめた。


「俺はこいつと戦闘訓練をしていた。その途中で突然あたりが光に包まれたかと思ったら、ここにいた、ってわけだ」


 と、ルネ。


「てっきりお前が俺たちを呼んだのかと思ったが」

「いや、俺のスキルにそんな能力はない──よな?」


 ちらっとフレアを見る。


 もしかして、俺が知らないだけで【ブラックホール】にはそんなスキル効果が秘められていたりするんだろうか?

 空間移動そして召喚。


 フレアはあいまいな笑みを浮かべ、首を左右に振った。


「理由は分からないが、とにかくせっかく会ったんだ。一手ご指南願いたいな」


 ルネが大剣を構え直す。


 いや、ちょっと待て。

 俺はここでは限定的なスキルしか使えないんだが……。


「──なるほど」


 フレアは何事かを思案した様子で、俺に近づいてきた。


「ん?」

「少し付き合ってあげてはいかがでしょう、王よ」


 と、俺に耳打ちするフレア。


「えっ?」

「レッスンツーです。スキルへの語りかけと精密操作。それをより実戦に近いシチュエーションで、ね」


 にっこり笑ったフレアの狐耳が、ぴょこん、と可愛く揺れた。

【お知らせ】

『愛弟子に裏切られて死んだおっさん勇者、史上最強の魔王として生き返る』コミカライズ決定しました! そして書籍版2巻が発売中です!

3巻以降が出せるかどうかは売り上げ次第になりますので、ぜひよろしくお願いします~! なんとか続刊を出したい……出したい……(´Д⊂ヽ

下のリンクから公式サイトに飛べますので、よろしければごらんくださいませ。

今回もカンザリン先生の素敵なイラストや書き下ろしエピソード(書籍版でしか読めない外伝)を2編収録しています。


書影です↓

挿絵(By みてみん)



    ※


「面白かった」「続きが読みたい」と思っていただけましたら、感想やブックマーク、最新話の下部にあるポイント評価を押していただけると励みになります(*´∀`*)


日間総合ランキング復帰までもうひと伸び……! ランキングでの10ポイントはとても大きいので、ぜひよろしくお願いします~!

※ポイント評価欄は最新話の広告の下にあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼書籍化作品です! タイトルクリックで小説ページに飛べます!▼

☆黒き剣帝 元最強のアラフォー全盛期を取り戻して無双ハーレム

▼ノベマ限定作品です。グラスト大賞に応募中! 応援していただけたら嬉しいです!▼

☆冴えないおっさん、竜王のうっかりミスでレベル1000になり、冒険者学校を成り上がり無双

なんでも吸い込む! ブラックホール!! (´・ω・`)ノ●~~~~ (゜ロ゜;ノ)ノ
あらゆる敵を「しゅおんっ」と吸い込んで無双する!!!

モンスター文庫様から2巻まで発売中です! 画像クリックで公式ページに飛びます
eyrj970tur8fniz5xf1gb03grwt_p5n_ya_1d3_y





ツギクルバナー

cont_access.php?citi_cont_id=314270952&s

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ