敵に回しちゃダメなタイプ
絶世の美女(外見だけ)と腕を組んでパーティー会場なう。
エヴァーの成人おめでとう会よりデカイし豪華な会場っすな……主催魔帝やもんね。
そういや魔族のトップは魔王じゃなくて魔帝らしいよ、陛下とお呼びせないけんらしいよ。余談だが。
にしても身長エヴァーさんより上になって良かったわぁ……小さかったらちょっと、長身美女()と並んでもさまにならんよね。
小さかったとしてもイケメンならおkだろうか……
え?何でこんなどうでも良い事考えてるかって?
「君がエヴァーさんの恋人か。」
超きらきら、ドヤ顔男がメンドくせー空気満載☆で話し掛けてきたからだよお☆
「僕の方が遥かに良い男なのに……エヴァーさんにこんな男相応しくありませんよ!」
人を顔で判断すんなよ、まあ相応しい相応しくない以前に付き合ってねえがな。
「ぅぜ………私はオーリが良いのです。」
おい、エヴァーさんや、小声で本音言わんとき。
周りが騒がしくて俺しか聞こえてなかったから良いがな……
とりあえず俺は適当に苦笑しておく。
ルナさんとかからのアドバイスですか?
とりあえず微笑んでいれば良いんじゃないかな!
あとはアドリブで!
だったよ!オワタ!
まあなんかグダグダ喋ってくれてんで、二人して聞き流してるなう。
周りからの注目度パねえ。
もう良いじゃん美男(ドヤ顔うざ男)美女(ただの残念なお嬢)で。
俺帰っていい?
「君!エヴァーさんのどこが好きなのか言ってみたまえ!」
………………………?
思わずきょとんとしてしまったら何か語りだしおった。
何々……美しく優雅で聡明でお優しく以下略
誰の話をしてるんですか?
てか好きな所語らなアカン?
つまらん話終わらん?
………好きな所………良い所、とか?
……………………………(思いつかない)
………………『メーデーメーデーメーデー』
イナンナさんに連絡してみた。
『オーリさん?何事ですか?』
不思議そうなイナンナに簡単に今までの流れを説明すると苦笑された。
『お疲れ様です。それでどうしたんですか?』
『エヴァーの良い所って何だろう』
『………………………』
『………………………』
『…………あ、明るくて、元気な所?』
『………………………』
『………………………なんか、すみません』
『いや、俺も悪かった』
無茶振りして。
通話を終了させうざ男を見るとまだ何か語っていた。
飽きました。
エヴァーも飽きたらしく気付かれないように小さく欠伸していた。
「オーリさん、姉さん」
人集りの中から現れたソフィーに声を掛けられる。
「陛下への挨拶の番ですよ。」
ナイスタイミング!
偽だが婚約者として挨拶しなきゃならんので呼びに来てくれたようだ。
「ありがとう、行くよ。」
笑って礼を述べエヴァーを促し歩きだそうとするが、うざ男がエヴァーの肩を掴んで引き止めようとしたのでさり気なく引き寄せ触れないようにしてやる。
ほらうざ男、エヴァーさんイラッとしてるよ?
魔帝様主催のパーティーを火の海にされちゃうよ?
「エヴァーさん!この男のどこが良いんですか!?」
「強さ。」
やだー即答じゃないですかー
てーれーるー(棒読み)
「僕とて城の騎士団長に負けない実力はありますよ!」
「その程度でしょう?」
周りも絶句させたわ。
その程度ってどの程度なんだろうな。
騎士団長見た事ねえから分からんわ。
「で、では!この男はどの程度なのですか!」
「ワイバーンを1人で狩れる程度ですわ。」
うんうん、その程度だよ?
周りがなんか騒がしいんだが、これ変?魔族さんから見てもアウト?
「……は、1人?はははそんな大嘘は止めた方が良いですよ?」
「狩れるでしょうね」
野次馬の中から先日お世話になったギルドの職員さんが姿を現す。
ってギルドのお兄さん何故ここに!?
「侯爵様」
侯爵?……侯爵!?マジか。
え?この兄さん普通にギルドで働いてたけど侯爵なん??
「先日のゴーレム討伐は見事でした……さすが、かの有名なA級冒険者『殲滅』ですね。」
ざわめきが強くなりましたよ!視線もパワーアップ☆だぜ!
うざ男がぽかんとしてるよ。
下手に話すより微笑んでおこう。うん。
しかし何故侯爵がギルドに……
「ほう、この青年が噂の?」
噂て。
声の主に視線をやると、黒髪に紅い瞳のダンディーでオーラが凄い天魔種のオジサマと……その背後に三つ目種のひょろっとした男性とルナさんがいました。
天魔種のオジサマ=魔帝様っすね。
んもう、周りの皆さん良いモブの仕事してらっしゃる。
俺もモブになりたい……
てかルナさん見て思い出したんだが、ギルド勧めたのルナさんなんだよね……
もしかして仕込んでた……?
ははは、まさかー……まさかだよね?




